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HUVECに対するangiotensin II刺激 トピック削除
No.1510-TOPIC - 2009/11/07 (土) 11:25:27 - raven
度々、お世話になっています。
表題の件で行き詰っており、何かアドバイスなりとも頂ければと思い、
ご質問させていただきます。少し文章が長いです。申し訳ありません。

HUVECに対して、angiotensin IIの刺激を行い、細胞老化の影響を見ようとしています。細胞老化の指標は、SA-β-galの発現を染色で見ています。

問題なのは、HUVECに対してangiotensin IIの刺激が効いていないらしいということなのです。
高血圧モデルを想定してangiotensin IIの濃度を決めているので、実際に行う刺激濃度は10-7Mなのですが、この濃度を10-5M、10-4Mに上げても効く気配がありません。つまり、SA-β-galの発現が一向に増加しません。

使用しているangiotensin IIに問題があるのかと思い、別の細胞(ヒト大動脈平滑筋細胞)で試してみたのですが、こちらは10-7Mの刺激でSA-β-galの発現が増加し、細胞老化を誘発しているということが分かりました。
また、ウシの内皮細胞でも試験してみたのですが、こちらでも10-7Mで発現の増加が見られました。

刺激期間は、どちらの実験系も3日間です。

少なくとも、使用しているangiotensin IIが分解されてダメになっていることはなさそうですので、HUVECで刺激が効かない原因が分からずにいます。

ヒトの初代培養細胞を扱ったことがないので、細胞ロット間での性質の違いが結構大きいのかは分かりませんが、ヒトのドナーによってHUVECなどの細胞は性質が変わりやすいという話を伺ったことがあるので、そこが原因となっているのか、悩んでいます。

皆様、お忙しい中、底辺恐縮ではございますが、ご意見等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 
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(無題) 削除/引用
No.1510-7 - 2009/11/16 (月) 18:19:07 - raven
ご連絡が遅くなりまして、すみませんでした。

なつみかん様、アドバイスいただき、ありがとうございました。

確かにHUVECでは、過酸化水素水でSA-β-gal活性が増加することが知られています。
過酸化水素水を添加した場合に、SA-β-gal活性がどの程度増加するのかを並行して観察すれば、少なくとも刺激自体への応答性が若干鈍いのか、angiotensin IIに対して応答性が小さいのかが、ある程度分かると思いますので、同時期にangiotensin IIで刺激したものと、過酸化水素水で刺激したものを染色して活性を比較することも検討してみます。

ありがとうございました。

過酸化水素で 削除/引用
No.1510-6 - 2009/11/11 (水) 10:02:29 - なつみかん
細胞に過酸化水素を添加してDNA損傷を起こすと細胞老化(SA-b-gal活性)が見られた記憶があります。
文献を探されてみてはいかがでしょう。

(無題) 削除/引用
No.1510-5 - 2009/11/10 (火) 17:01:39 - raven
HUVECをはじめとするヒトの初代培養細胞は、LONZA、Cell Applications Inc.など企業より販売されていますので、オリジナルの異なる細胞として購入することも考えています。

現在、私たちの使っている細胞は、過去に自分たちで取ってきた細胞ですので、他のHUVECと比較すると性質の違うところが出てくるかもしれません。

単一のロットのみではなく、複数のロットがある方がベターな気がしていましたので、譲渡も含めて可能性を探ってみます。

(無題) 削除/引用
No.1510-4 - 2009/11/10 (火) 02:56:14 - おお
>[Re:1] ravenさんは書きました :

> ヒトの初代培養細胞を扱ったことがないので、細胞ロット間での性質の違いが結構大きいのかは分かりませんが、ヒトのドナーによってHUVECなどの細胞は性質が変わりやすいという話を伺ったことがあるので、そこが原因となっているのか、悩んでいます。

これに関してコメント入れるの忘れてました。
きっとあるでしょう差は、、、、見る実験系とかにも
よるでしょうしやはりドナーは違うでしょうし、
取る人の腕も違うでしょうし、、、、、、

はっきりとした事は言えないですけど、、、
もう一つ違うロットとか、あなたが示された
文献の研究室から譲ってもらうとかロット差が
考慮できるようにしておく方がベターかもしれませんね。

(無題) 削除/引用
No.1510-3 - 2009/11/07 (土) 14:19:08 - raven
おお様、

HUVECに対するangiotensin IIの刺激効果について、SA-β-galの発現を増加させるという論文としては、下記のものが最近に公表されています。

"Angiotensin II induces endothelial cell senescence via the activation of mitogen-activated protein kinases"
Shan, H.Y. et al., Cell Biochem Funct 2008; 26: 459-466

また、SA-β-galの活性が老化したHUVECで増加していることを示した論文としては、下記のものがあります。

"Senescence-associated β-galactosidase reflects an increase in lysosomal mass during replicative ageing of human endothelial cells"
Kurz, D.J. et al., Journal of Cell Science 113, 3613-3622 (2000)

特に、最初の論文で近いプロトコールでHUVECの老化を見ています。

また、ご指摘いただきましたように、SA-β-galのみで細胞老化を捉えるのは難しく、指標の1つとしてするべきところです。
Shan H.Y. et al.の論文では、angiotensin II刺激において細胞の形態変化が示されていますが、私の実験では目立った形態変化は見られませんでした。
確かにMAPKやp38の発現量変化が知られていますが、まだMAPKカスケードやp38の発現を確認していませんので、そちらも併せて判断してみます。

ちなみに、angiotensin IIの効果はAGTR1により介在されています。AGTR1阻害剤のcandesartanを投与した場合、angiotensin IIの刺激効果が失われることから、主にAGTR1が関与しているといわれています。

私の勉強不足で申し訳ないのですが、細胞間によるレセプターの違いは今のところ報告されていないと思います。

おっしゃる通り、HUVECは分裂限界がありますので、passageの進んだ細胞では刺激が効くかもしれません。今回、用いた細胞はpassage 3〜5のもので、細胞がまだ若かったのかもしれません。

細胞分裂により老化した細胞はポジコンとして使えますね、気づきませんでした。ありがとうございます。

以上、ご指摘を頂いた点も考慮して効果の確認をしてみます。
また、ご意見等ございましたら、お願いいたします。

(無題) 削除/引用
No.1510-2 - 2009/11/07 (土) 11:47:53 - おお
>[Re:1] ravenさんは書きました :
> 度々、お世話になっています。
> 表題の件で行き詰っており、何かアドバイスなりとも頂ければと思い、
> ご質問させていただきます。少し文章が長いです。申し訳ありません。
>
> HUVECに対して、angiotensin IIの刺激を行い、細胞老化の影響を見ようとしています。細胞老化の指標は、SA-β-galの発現を染色で見ています。

HUVECに対してそのようなデーターはすでに公表されているのでしょうか。

>
> 問題なのは、HUVECに対してangiotensin IIの刺激が効いていないらしいということなのです。
> 高血圧モデルを想定してangiotensin IIの濃度を決めているので、実際に行う刺激濃度は10-7Mなのですが、この濃度を10-5M、10-4Mに上げても効く気配がありません。つまり、SA-β-galの発現が一向に増加しません。

SA-β-galの上昇だけでangiotensin IIに反応してないというのは、
ちょっと直接的でありませんよね。
細胞の形態は変化していますか?
NFkBやp38、MAPKとかも動くようですけど、、、

あとリセプターが2種類とかありませんでしたって、、、
どちらが老化というかSA-β-gal活性の上昇に
関与しているのでしょうか?

で発現とかどちらがドミナントに働くとか細胞間で
の違いはどうでしょうか?

その細胞はたしか不死かしていないので分裂回数に
限界がありますよね。分裂による細胞老化が近くなった
段階で処理すると見れるかもしれません。

同時に分裂による細胞老化をおこした細胞はポジコンとして
つかえますよね。

HUVECに対するangiotensin II刺激 削除/引用
No.1510-1 - 2009/11/07 (土) 11:25:27 - raven
度々、お世話になっています。
表題の件で行き詰っており、何かアドバイスなりとも頂ければと思い、
ご質問させていただきます。少し文章が長いです。申し訳ありません。

HUVECに対して、angiotensin IIの刺激を行い、細胞老化の影響を見ようとしています。細胞老化の指標は、SA-β-galの発現を染色で見ています。

問題なのは、HUVECに対してangiotensin IIの刺激が効いていないらしいということなのです。
高血圧モデルを想定してangiotensin IIの濃度を決めているので、実際に行う刺激濃度は10-7Mなのですが、この濃度を10-5M、10-4Mに上げても効く気配がありません。つまり、SA-β-galの発現が一向に増加しません。

使用しているangiotensin IIに問題があるのかと思い、別の細胞(ヒト大動脈平滑筋細胞)で試してみたのですが、こちらは10-7Mの刺激でSA-β-galの発現が増加し、細胞老化を誘発しているということが分かりました。
また、ウシの内皮細胞でも試験してみたのですが、こちらでも10-7Mで発現の増加が見られました。

刺激期間は、どちらの実験系も3日間です。

少なくとも、使用しているangiotensin IIが分解されてダメになっていることはなさそうですので、HUVECで刺激が効かない原因が分からずにいます。

ヒトの初代培養細胞を扱ったことがないので、細胞ロット間での性質の違いが結構大きいのかは分かりませんが、ヒトのドナーによってHUVECなどの細胞は性質が変わりやすいという話を伺ったことがあるので、そこが原因となっているのか、悩んでいます。

皆様、お忙しい中、底辺恐縮ではございますが、ご意見等ございましたら、よろしくお願いいたします。

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