おお様、
HUVECに対するangiotensin IIの刺激効果について、SA-β-galの発現を増加させるという論文としては、下記のものが最近に公表されています。
"Angiotensin II induces endothelial cell senescence via the activation of mitogen-activated protein kinases"
Shan, H.Y. et al., Cell Biochem Funct 2008; 26: 459-466
また、SA-β-galの活性が老化したHUVECで増加していることを示した論文としては、下記のものがあります。
"Senescence-associated β-galactosidase reflects an increase in lysosomal mass during replicative ageing of human endothelial cells"
Kurz, D.J. et al., Journal of Cell Science 113, 3613-3622 (2000)
特に、最初の論文で近いプロトコールでHUVECの老化を見ています。
また、ご指摘いただきましたように、SA-β-galのみで細胞老化を捉えるのは難しく、指標の1つとしてするべきところです。
Shan H.Y. et al.の論文では、angiotensin II刺激において細胞の形態変化が示されていますが、私の実験では目立った形態変化は見られませんでした。
確かにMAPKやp38の発現量変化が知られていますが、まだMAPKカスケードやp38の発現を確認していませんので、そちらも併せて判断してみます。
ちなみに、angiotensin IIの効果はAGTR1により介在されています。AGTR1阻害剤のcandesartanを投与した場合、angiotensin IIの刺激効果が失われることから、主にAGTR1が関与しているといわれています。
私の勉強不足で申し訳ないのですが、細胞間によるレセプターの違いは今のところ報告されていないと思います。
おっしゃる通り、HUVECは分裂限界がありますので、passageの進んだ細胞では刺激が効くかもしれません。今回、用いた細胞はpassage 3〜5のもので、細胞がまだ若かったのかもしれません。
細胞分裂により老化した細胞はポジコンとして使えますね、気づきませんでした。ありがとうございます。
以上、ご指摘を頂いた点も考慮して効果の確認をしてみます。
また、ご意見等ございましたら、お願いいたします。 |
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