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脂質ラフトの分画がうまくいきません トピック削除
No.1495-TOPIC - 2009/11/06 (金) 00:43:53 - TS
スクロース密度勾配法にて、培養細胞から脂質ラフト画分の分画を試みておりますが、どうもうまくいっている感じがしません。

現在、行っている方法は、
1. 100mm-dish内の培養細胞に、1% Triton X溶液(150 mM NaCl, 25 mM Tris, pH 7.4)を用いて、4度、30分間抽出。
2. ダウンス型ホモジナイザーにてホモジネート作成。
3. 遠心分離で核、Debrisを除く(1000 x g, 10 min)
4. 上清1 mLを超遠心用のチューブへ移す。
5. 80% sucroseを1mL加え、十分に混和(40% Sucroseとなる)
6. 30% sucroseを4 mL重層。
7. 5% sucroseを2 mL 重層。
8. 200000 x g, 16 hr超遠心。
9. 上層からフラクションを集める(〜12フラクション)

結果としては、トップから1〜2フラクションのところにRaft画分と思われる濁りが分画されてしまいます。
論文を拝見していると、もう少し下、フラクション4-5くらいのところが濁るのが一般的のようです。

また、2.のホモジネート作成については、超音波処理も試してみましたが、このときは超遠心後、溶液の表層に脂質のようなものが浮いており、さらにひどい印象がありました。

現在、推測している問題点ですが、ホモジネートを作成する際、過剰に物理的攪拌が強すぎて、Raft構造が壊れて、密度が軽くなりすぎて、期待よりも上層に移ってしまうのか?というところです。

質問は、これを解決する方法を教えて頂きたいと言うことです。
やはり、ホモジネート作成時の攪拌の程度は、結構Specificなのでしょうか?
いろいろな強さ、回数を試す必要があるのか、と考えています。
それとも他になにか問題になりそうな点はありますでしょうか?

ご存じの方、よろしくお願いいたします。
 
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(無題) 削除/引用
No.1495-5 - 2009/11/08 (日) 21:51:01 - TS
MPさん。
お返事、ありがとうございます。

やはりちゃんと浮遊しているのが見えるんですね。
いまは、もやもやっとした感じのものが5%スクロース層のあたりに見えるんですけど、どうも文献などよりも上層に出てしまっているんですよね。
Tritonの濃度を変えたりして試してみます。

確かに、ラフトとTriton不溶性画分が完全に一致するわけでないというのは
認識しておく必要があると考えられているようです。
ただ、いまだ他にラフトを分画する方法もないので、
このような分画法を用いた解析に加えて、メチルβシクロデキストリンなどを用いた解析を用いたり、最近では生細胞でラフトを可視化する手法もあるようです。
一つだけでなく、複数の方法を組み合わせて、注意深く観察するべきだと近年の総説にも書いてありました。

(無題) 削除/引用
No.1495-4 - 2009/11/08 (日) 09:11:42 - MP
私がraftの実験を行っていたのは10年ほど前なので、今はいろいろと方法が洗練されている可能性もありますね(そもそもTritonで抽出されるものが本当にraftを反映しているのか?という議論もありましたが、、、現在の理解はどうなっているのでしょう)。
方法は古い論文ですが、Immunity vol.9 p239-246, 1998の論文を参考にしました。これだとTrisではなくMESをバッファーとして用いています。ショ糖溶液にTritonは入れませんでした。
Raft分画は肉眼ではっきりとみえます。膜状?のものがある層に浮かんでいる感じです。

(無題) 削除/引用
No.1495-3 - 2009/11/06 (金) 20:49:54 - TS
MPさん、ありがとうございます。

TritonXの濃度を下げるというのは考えておりませんでした。
盲目的に、Raftの分画は1%で、と考えておりましたので。
検討させて頂きたいと思います。

また、ホモジネートから核などを除くための遠心は必要ないこともあるのですね。この遠心で、けっこう残渣が落ちてきているので、これをやらないと状況が少し変わるかもしれません。

また2つほど教えて頂きたいのですが、スクロース溶液にはTritonXを混ぜるものでしょうか? 0.1%程度混ぜている文献もあるようで、それとも記載されていないけど、1%入れたりしているのか、とちょっと考えたりもしています。

それと、やはり分画がうまくいくと、Raftが入ってくる、低密度の画分がうっすら濁ってくるものなのですよね? 光散乱(OD600)を見ている人もいるようです。

よろしくお願いします。

(無題) 削除/引用
No.1495-2 - 2009/11/06 (金) 09:17:42 - MP
Tritonの濃度を0.2くらいまで下げてみるのはどうでしょう?
あと、経験上 Dounceの後の遠心は不必要な気もします。
sonicationはやらない方がいいでしょうね、何となくですが。

脂質ラフトの分画がうまくいきません 削除/引用
No.1495-1 - 2009/11/06 (金) 00:43:53 - TS
スクロース密度勾配法にて、培養細胞から脂質ラフト画分の分画を試みておりますが、どうもうまくいっている感じがしません。

現在、行っている方法は、
1. 100mm-dish内の培養細胞に、1% Triton X溶液(150 mM NaCl, 25 mM Tris, pH 7.4)を用いて、4度、30分間抽出。
2. ダウンス型ホモジナイザーにてホモジネート作成。
3. 遠心分離で核、Debrisを除く(1000 x g, 10 min)
4. 上清1 mLを超遠心用のチューブへ移す。
5. 80% sucroseを1mL加え、十分に混和(40% Sucroseとなる)
6. 30% sucroseを4 mL重層。
7. 5% sucroseを2 mL 重層。
8. 200000 x g, 16 hr超遠心。
9. 上層からフラクションを集める(〜12フラクション)

結果としては、トップから1〜2フラクションのところにRaft画分と思われる濁りが分画されてしまいます。
論文を拝見していると、もう少し下、フラクション4-5くらいのところが濁るのが一般的のようです。

また、2.のホモジネート作成については、超音波処理も試してみましたが、このときは超遠心後、溶液の表層に脂質のようなものが浮いており、さらにひどい印象がありました。

現在、推測している問題点ですが、ホモジネートを作成する際、過剰に物理的攪拌が強すぎて、Raft構造が壊れて、密度が軽くなりすぎて、期待よりも上層に移ってしまうのか?というところです。

質問は、これを解決する方法を教えて頂きたいと言うことです。
やはり、ホモジネート作成時の攪拌の程度は、結構Specificなのでしょうか?
いろいろな強さ、回数を試す必要があるのか、と考えています。
それとも他になにか問題になりそうな点はありますでしょうか?

ご存じの方、よろしくお願いいたします。

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