Isotypeとは抗体の種類のことでIgG, IgM, IgE, IgA, などがあります。通常、ウェスタンや免疫組織化学染色などの実験で使われるのは,ほとんどの場合、IgGです。IgGなどはさらにIgG1とかIgG2----などとさらに細分類されます。この細かい分類についてはモノクローナル抗体を使う場合は留意する必要がありますが、ポリクローナル抗体(あるいは抗血清)の場合は特別な場合以外は大丈夫です。
エピトープとは簡単にいうとその抗体が認識する抗原側の構造です。ウサギ抗体ということなのでポリクローナル抗体(抗血清)ということでお話しします。ご覧になっているカタログには、その抗体が抗原(この場合GAPDH)の中のどの部分を認識して結合する(or 可能性がある)か、という情報が示されているのだと思います。FLはおそらくfull length (その蛋白質のN末からC末まで全長)といういみで、抗原蛋白質をそのまま免疫して得た抗体なので、エピトープは抗原蛋白質全体に散在している可能性があります、ということでしょう。(分子全体のどこでも認識出来るという意味ではないですので注意。)Internalというのはおそらくアミノ酸配列でみて中央付近(というかN末、C末側でない)にエピトープをもつという意味でしょう。その辺りの部分ペプチドを抗原として免疫して作ったのでしょう。エピトープが不明(調べてない)あるいは公開していない場合もあります。
Species はたしかに動物種のことですが、抗体の由来動物種(抗体を作らせた免疫動物)か、認識する抗原(GAPDH)の動物種かで意味が異なりますのでご確認下さい。おそらく後者ではないかと思います。マウス由来細胞とのことなのでマウスのGAPDHを認識できると書いてあればOKでしょう。(もし書いてなくても種間の配列の相同性で予想はできます。)
N/Aはnot applicationという意味で適応不可という意味です。たとえばウェスタンブロットでN/Aならばその抗体はウェスタンには使えないですということです。ただメーカーの方で調べていないとか不明とかいうときにもN/Aと書いてあるかもしれません。
1次抗体と2次抗体の関連性について誤解があるようです。1次抗体の由来動物種に基づいて2次抗体を選定します。1次抗体がウサギIgGならば2次抗体は抗ウサギIgG抗体を使うみたいに。
抗体は多くの場合2~7万円くらいと比較的高額で、かつメーカーやロット間で質的にしばしば著しい差があり、ここの掲示板でも頻繁に質問がでているように、実験進行上のトラブルを招く場合がしばしばあります。ウェスタンについても、本に出ていないような細かい注意点や落とし穴とかもあり、とくにビギナーの方が、独力で進めていくには正直ちょっと難しい実験です。なによりもまず抗体反応の基礎やウェスタンブロットの原理についてご自分である程度勉強されて、基礎知識を十分固めた上で、十分な経験のある方に抗体の選定も含めて1ないし2回くらい全工程を通して実地指導してもらいながら一緒にやってもらうことを勧めます。基本的には指導教員がそうした責任を負うべきことでありあなたは十分な指導を受ける権利がありますが、もしも困難な事情があるならば友達やシニアの人、他の研究室でやってるところ等に頼ることも出来ると思います。 |
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