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二量体をつくるタンパクのSDS-PAGE:還元・非還元下の不一致 トピック削除
No.1434-TOPIC - 2009/10/29 (木) 04:21:59 - くり
二量体として分泌タンパクのWesternをしているのですが、還元下と非還元下で分子量のつじつまが合いません。

シグナル配列を除いたアミノ酸配列からの分子量計算値41 kDaのものに対し、
細胞可溶化画分において(文献的に細胞内のメインはlow-glycosylated form(high mannose type)と考えられます)
還元下 : 50 kDa (文献ではEndo H処理により43 kDaになります)
非還元下: 82 kDa

ちなみに、培養上清中のものはhighly glycosylated formであり
還元下 : 54 kDa
非還元下:110 kDa
に出てきて、二量体として計算通りの位置関係になります。

かなり歴史のあるタンパクなのですが、培養上清のELISA測定が普通で、Westernしている報告もほとんど培養上清のものであり、細胞内フォームのSDS-PAGEは還元下の図を見つけたのみです。
サンプルはトランスフェクタントであり、トランスフェクションなしではバンドはみられず、また別の抗体でIPしてからWesternしても同様になりますので、Western用の抗体の特異性が疑われるということはないと思います。

単純に非還元下の二量体は計算通りの位置に来ないこともあると解釈しておいていいのでしょうか?また、糖鎖修飾されることも細胞内フォームの移動度が倍にならないことと関係あるのでしょうか?

どのように理解すればいいのかアドバイスよろしくお願いします。
 
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11件 ( 1 〜 11 )  前 | 次  1/ 1. /1


(無題) 削除/引用
No.1434-11 - 2009/10/30 (金) 10:10:02 - う
>培養上清では還元・非還元で食い違いが出ないことから、率直なところ、このような図を出して、レビューワーなどからつっこまれるのか、問題なく受け入れられるのかが知りたいところでした。

単純なことです。

質問者様の調整したタンパク質のサンプルで次の実験をすれば
誰も文句はないと思います。

細胞内の非還元と還元→Endo H→分子量同じになる
細胞内と培養上清の還元、非還元→PNGase F→分子量同じになる


ここで非還元のものでは二量体を保存しているのかとか、どうでもいいです。
元の骨組みとなるタンパク質が同じであること、
ノンスペを拾っているものではないということを示すわけですから。

それ以上は趣味の問題です。

糖タンパク質はSDS-PAGEでは分子量なんてどう見えるかなんて
足し算ではかれるものではありません。

(無題) 削除/引用
No.1434-10 - 2009/10/30 (金) 09:43:15 - う
リガンドという例えは悪いです、誤解を与えるものかもしれないので例えは適当に流してください。

(無題) 削除/引用
No.1434-9 - 2009/10/30 (金) 09:36:32 - くり
う様、言葉足らずで大変失礼いたしました。私の対象としているタンパクは、S-S結合で二量体を形成するものでした。

(無題) 削除/引用
No.1434-8 - 2009/10/30 (金) 09:30:34 - う
なんとなくそういう答えが返ってくるのでは思っていました。

そもそもIgGやIgMは、なんといいますか、そういう風に作られるタンパク質なので
SH結合を介した構造の構築はERで起きているということは何となく思いますし、
それは知っています。

これはこの質問について私が勝手に想像したことかもしれませんが、
例えば、何かのリガンドのようなものはよく二量体を形成したりします。

そういう、もともと1つの分子、単量体が、ホモ、もしくはヘテロで形成するもの
「二量体」として想像していました。

質問者様のは、違うのですか?
酵素や抗体のようなサブユニットのようなものが二量体となった、と
言っているのですか?

この2つ差は大きいと思いますし、同じようにERでと単純に考えるものでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.1434-7 - 2009/10/30 (金) 08:28:18 - くり
> ジスルフィド結合はともかく、ダイマー化もERで起こるのですか。
> はじめて知りました。

ERにはchaperone,PDIが豊富なことからくるただの通説かも知れず、どれくらいの証明例が実在するのかは恥ずかしながら不勉強でお答えできません。ホモダイマーではありませんが、IgG, IgMのアセンプリーはERでとわかっている例としてあげてはいいのではないでしょうか。

> 勉強したいので、文献を教えてください。
う様の求めているものかわかりませんが、レビューとして
Christis C, Lubsen NH, Braakman I.
Protein folding includes oligomerization - examples from the endoplasmic reticulum and cytosol.
FEBS J. 275,4700-27. 2008 (PMID: 18680510)

(無題) 削除/引用
No.1434-6 - 2009/10/30 (金) 08:04:22 - う
>ダイマー化を含むジスルフィド結合の形成はER

ジスルフィド結合はともかく、ダイマー化もERで起こるのですか。
はじめて知りました。

勉強したいので、文献を教えてください。

(無題) 削除/引用
No.1434-5 - 2009/10/30 (金) 07:40:14 - くり
おお様、う様、そしてc様、コメントありがとうございました。

> SDSPAGEで出てくるkDaが目安ほどで当てにならない
> のが分かると思います。
> ただオブザベーションとして面白いのは、グルコシレーション
> の違いで1量体と2量体の挙動が変わってくるというところですね。

> SDS-PAGEにおいて、いくらSDSが結合するからといって
> 完全に直鎖状になると思っている人はまぁいないでしょう。

> SDS-PAGEでの分子量はいろいろな事情で本当の分子量のところに泳動されないことはたまにあります。

もちろん理想位置に来ないのは理解しています。私も基本的にはそんなものだろうと受け止めております。ただ、その差が結構あること、培養上清では還元・非還元で食い違いが出ないことから、率直なところ、このような図を出して、レビューワーなどからつっこまれるのか、問題なく受け入れられるのかが知りたいところでした。

> 例えば両方を2量たいのまま糖鎖を外すことができれば、同じ位置に来るか
> どうかで判断できるかもしれません。

はい、別の理由からAsn->Gln置換体を作成しており、これでどうなるかみてみたいと思います。また、PNGase F処理も考えてみます。

> ・分泌タンパク質は一体どこで二量体となるのでしょうか?
> ER?ゴルジ体?(シス?中間?トランス?)分泌顆粒内?
> ゴルジ体(特にシスゴルジである可能性が高い)に存在するものであると考えられる。
> ゴルジ体に存在するときに、二量体化しているだろうか?しかもまだ糖鎖の付加が完全でないし。

お指摘の通り蛍光染色からシスゴルジがメインのプールと考えられます。
一般論として、ダイマー化を含むジスルフィド結合の形成はERとされていると思うのですが、それ以降でなされることがわかっているタンパクはあるのでしょうか?

> 私は細胞ライセートでは一体何を見ているかわからないと思います。
ぼやけた説明になりますが、第三のコンパートメントにおけるこのタンパクの存在状況を調べております。細胞内(= cis-Golgi)と培養上清は比較対象となります。

> それを丸投げするのはもったいないです。
そのような意識はなかったのですが、不快に思われたようでしたらお詫び申し上げます。

(無題) 削除/引用
No.1434-4 - 2009/10/29 (木) 20:48:26 - c
SDS-PAGEでの分子量はいろいろな事情で本当の分子量のところに泳動されないことはたまにあります。一応、多くの場合、比較的正確に本当の分子量を反映しますが、たまに例外もあるということです。還元非還元の話でいうと、単量体でも、分子内S-Sをわりと持ってるようなものだと分子内S-Sが還元されたときのされていないときで見かけの分子量(というかゲル内の移動度)がけっこう変わります。確かアルブミンとかがそうでしょ。(たぶん非還元の方が易動度が遅くなって、みかけの分子量は理論値より大きくなると思う。還元すると理論値と同じくらいになる)何でかは分かりませんがSDSのつき具合とか変性の程度とかの違いでしょうか。こういう場合は分子量がどのくらいズレたからーーーと考えてもあまり重要な意味をもちません。細胞内だと分子内S-Sが多いというのはあまり多くなさそうな気もしますが、糖鎖があるそうなので、小胞体内腔とかみたく酸化的環境だと細胞内でも安定なS-Sを作ってるのもあるかなあとか想像しました。

(無題) 削除/引用
No.1434-3 - 2009/10/29 (木) 08:12:50 - う
SDS-PAGEにおいて、いくらSDSが結合するからといって
完全に直鎖状になると思っている人はまぁいないでしょう。
それそれのタンパク質が計算上の分子量と同じにならないということは
みんな知っていると思うのでここでは挙げません。

さて、私はいつも想像する癖があるのですが、
次の点が考察されると思います。

・分泌タンパク質は一体どこで二量体となるのでしょうか?
 ER?ゴルジ体?(シス?中間?トランス?)分泌顆粒内?

・細胞内のメインのタンパク質はhigh mannose typeであることから
 質問者様も既にわかっていらっしゃると思うが
 細胞のライセートのウエスタンで見ているタンパク質は
 ゴルジ体(特にシスゴルジである可能性が高い)に存在するものであると考えられる。

少なくとも、以上の点から考えられるのは人それぞれかと思いますが、
私が個人的に思うのは、
ゴルジ体に存在するときに、二量体化しているだろうか?しかもまだ糖鎖の付加が完全でないし。

私はこう考えるので、細胞のライセートを非還元下で見た時、検出されるタンパク質が
果たして二量体由来であるのか?ということをまず疑います。
もしかして、単にそのタンパク質1分子の還元下、非還元下の違いをみているだけなのでは、と。

これまでの文献で細胞ライセートを用いて非還元下で行った結果がない、ということは
「おそらく他の人も分泌タンパク質は一体どこで二量体となる?何見ているかわかんなくなる。
培養上清のタンパク質だったら、確実に二量体化しているだろうから解析しよう」

という思ったのではないかと推察します。

質問者様が何を目的にしているのか知りませんが、
私は細胞ライセートでは一体何を見ているかわからないと思います。
それはSDS-PAGEがはらんでいる問題点以外のところで、です。

あと、私はこのように考えるのが研究の楽しみだと思います。
それを丸投げするのはもったいないです。

(無題) 削除/引用
No.1434-2 - 2009/10/29 (木) 04:43:12 - おお
SDSPAGEでどの様に大きさに沿って分けられるか
イメージできていれば、そんなことがあっても
おかしくないなあと思えると思いますし、
SDSPAGEで出てくるkDaが目安ほどで当てにならない
のが分かると思います。

モデル的にはペプチドのバックボーンにSDSがつくことにより
SDSの負電荷の反発のためペプチドが直鎖状に伸びると
されています。
50kDaのSHを介した2量体が100kDaの直鎖のように伸びている
かというとそうでもないことが想像できると思います。

ただオブザベーションとして面白いのは、グルコシレーション
の違いで1量体と2量体の挙動が変わってくるというところですね。

SDSPAGEでは単にPAGE上での挙動が変わるためにたまたま移動度が
ぶれたのか、ほかに何かの事実を物語っているのか
結論が出ないと思います。

例えば両方を2量たいのまま糖鎖を外すことができれば、同じ位置に来るか
どうかで判断できるかもしれません。

二量体をつくるタンパクのSDS-PAGE:還元・非還元下の不一致 削除/引用
No.1434-1 - 2009/10/29 (木) 04:21:59 - くり
二量体として分泌タンパクのWesternをしているのですが、還元下と非還元下で分子量のつじつまが合いません。

シグナル配列を除いたアミノ酸配列からの分子量計算値41 kDaのものに対し、
細胞可溶化画分において(文献的に細胞内のメインはlow-glycosylated form(high mannose type)と考えられます)
還元下 : 50 kDa (文献ではEndo H処理により43 kDaになります)
非還元下: 82 kDa

ちなみに、培養上清中のものはhighly glycosylated formであり
還元下 : 54 kDa
非還元下:110 kDa
に出てきて、二量体として計算通りの位置関係になります。

かなり歴史のあるタンパクなのですが、培養上清のELISA測定が普通で、Westernしている報告もほとんど培養上清のものであり、細胞内フォームのSDS-PAGEは還元下の図を見つけたのみです。
サンプルはトランスフェクタントであり、トランスフェクションなしではバンドはみられず、また別の抗体でIPしてからWesternしても同様になりますので、Western用の抗体の特異性が疑われるということはないと思います。

単純に非還元下の二量体は計算通りの位置に来ないこともあると解釈しておいていいのでしょうか?また、糖鎖修飾されることも細胞内フォームの移動度が倍にならないことと関係あるのでしょうか?

どのように理解すればいいのかアドバイスよろしくお願いします。

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