マウスの作成は時間とお金が掛かるものですし、やはり「作りました。フェノタイプありませんでした」では済まないですよね。
私の経験ですが、
1)Differential Display法で、とある病気に関連すると思われる遺伝子を検索
2)特に差があった遺伝子の発現量を、その病気のモデルマウスで確認。
3)実際に発現量が減っていた遺伝子のノックアウトを作成
4)病気のモデルマウスと掛け合わせ、病態への影響を見る
という流れで研究を進めたことがあるのですが、その疾患に関して全く影響が見られなくて困ったことがありました。特殊なdietを与えたり、外科的に刺激を加えたり、バックグラウンドを変えたり、色々やってみましたが、それでもフェノタイプを発見できず。結局ろくな論文にもならず、残念なことになったことがあります。
ところがその数年後、同じノックアウトマウスに関する論文が、全然別の他の病気への影響を持つということでビッグジャーナルに載りました。
私の興味は元々注目していた病気の方にしかなかったし、悔しがってもしょうがないと思いましたが、ボスはかなり悔しかったようです。あの時もう少しその遺伝子の勉強をしておけば、他の疾患への影響に関しても考えついたかもしれない、と。
こんな経験をした人間もいるということで、ノックアウトマウスに関してどこまでも掘り下げて理論的に考えるのは悪いことではないと思います。頑張って下さい(すいません、具体的なsuggestionはありません)。
もし私がまだそのプロジェクトに従事していたら、なぜ私が注目していた疾患に関してはフェノタイプが無いのかを徹底的に明らかにするべく実験を組むと思います。今ならもう少し出来そうな気もするんですが、やはり、現在持っている研究費、新しい実験から期待できる結果、およびそれでどれくらいの論文や研究費の獲得が期待できるか、なんてことも重要なことですし。
横になりますが
>こんなお金の使い方ができるのに僕の研究のお金が足りない謎
>こちらの方がはるかに不思議な謎です
なんていう、愚痴というか憎まれ口をたたく為の掲示板では無いでしょう、ここは。最近ひどい人多いですね。こんなことを書けば「あなたのグラント申請書の書き方が悪いせいでしょう。トピ主の実験とは関連無いだろう。別に不思議ではない」と思うだけですよ。あえて書かせて頂きます。 |
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