フェノール単独で抽出することはあります。たとえば、ゲルから切り出したDNAを精製するとき、アガロースを除くのにはPCIは有効ではなく、フェノール単独で抽出します。
除タンパク質でも、今ではいきなりPCI抽出するのが一般的になっていますが、かつてはたいていの手引書で、フェノール→PCI→クロロフォルムという3段階の抽出がスタンダードだったと記憶します。私も、アルカリSDS法でプラスミドを精製を最初に習ったときは、フェノール→PCI→クロロフォルムの3段階でした(今では通常、抽出自体をスキップしていますが)。フェノール単独で抽出を始めると、タンパク質が中間層だけでなくフェノール層にもかなり吸収されている感じで、そうすることに(プラクティカルにはあまり大きなものではないとしても)何がしかの意味はあるのではないかと思います。 |
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