核酸精製用マトリックスには、製品によってシリカ性のもの、イオン交換樹脂性のもの、両者を複合したものがあります。シリカと核酸の結合だけに限れば、ある種の疎水結合のようです。カオトロピック剤存在下ではリン酸ジエステル結合骨格から水和水が奪われ、リン酸基がむき出しになり、これがシリカと疎水結合するということです。マトリックスにくっつけた核酸から不純物を洗い落とすバッファーにはアルコールが入っていますが、これは核酸骨格が再水和してシリカからはずれないように疎水的な条件にするためだと思います。水、TEなどを加えれば、再水和することでシリカからはがれて溶出できます。
Molecular Cloning第3版をお持ちでしたら、プラスミド精製法の最後の方にマトリックス製品を使う方法について歴史的なことも含めて触れられていて、その辺のストーリーも述べられています。 |
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