経験上あまり長く持ち上げ続けたりしていると結紮後でしたら不整脈の原因になりやすいですが、結紮のために持ち上げるということにおいてはあまり関係ないように思えます。
ただ結紮するときに持ち上げが必要な場合は、おそらく十分に胸が開けておらず十分な視野が確保できていないからではないでしょうか。左中腋か腺まで(ここまでであれば術後の肺の癒着は回避できます。肺の癒着を気にしないのであれば背中近くの下行大動脈付近まで進んでも大丈夫です。)肋間を開胸した上で十分に上下に肋骨を広げれば十分視野が取れるはずですので、結紮の際に心臓を持ち上げる必要はなくなると思います。
また2週間後に再開胸を必要とされるのであれば滅菌したガーゼなどで閉胸直前に胸腔内の血液を十分にふき取ることで癒着がかなり抑えれます。
閉胸の際には左肺を十分に拡張させてから閉胸することも大事と考えます。ベンチレーターの排気側を一瞬クランプすればOKです。一回で広がらなければ数回繰り返してください。
最後にとても大事なことですが同じラットでも動物種により冠動脈の走行、手術成績、不整脈の発現頻度にずいぶん差があるようです。これに関しては論文も出ておりますのであたってみてください。参考ですが、私が使っているのはLewisです。 |
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