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タンパク質のTCA固定 detergentの選択 トピック削除
No.1268-TOPIC - 2009/09/30 (水) 18:28:04 - immu
はじめまして。
タンパク質実験(シグナルタンパク質)のことで知りたいことがあります。

私はよくwestern blotをやっているのですが、
細胞をTCAで固定してtriton X-100で溶かす と言う
東大の大海先生の公開されているタンパク質調整プロトコールを試してみたところ、
今まで使っていたTriple detergent lysis bufferを使ったサンプルよりも良い結果が得られました。
(高いタンパク質濃度・SDS-PAGEでの分離のきれいさ・westernでの抗原検出 の三点で)

このため、タンパク質調製のプロトコールは今後このプロトコールを採用したいのですが、疑問があります。

1.免疫沈降にこのサンプルは使えるのでしょうか?
TCA固定でタンパク質同士の結合が消失したりしないか 知りたいです。

2.detergentはTriton X-100の替わりにNP-40などは使えますか?
シグナルタンパク質ということでリン酸化抗原も検出したりします。
Triton X-100はリン酸化タンパク質の検出に向かないとのことですが・・・


大海先生に直接聞けと言われればそれまでですが、知っている方がいましたらよろしくお願いします。
こちらがそのプロトコールです
http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/ohmiken/Lab%E3%83%A1%E3%83%A2/memo%208.html
長くなり申し訳ありません。よろしくお願いします。
 
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御解答ありがとうございます 解決済み 削除/引用
No.1268-6 - 2009/10/01 (木) 00:53:10 - immu
皆さん、素早い回答ありがとうございます。

TCAによる蛋白質の変性で結合が切れることは常識のようですね。
知らなかったことが恥ずかしいです。

Triton X-100の件は、人から聞いて自分で確認せずにここで聞いてしまいました。
申し訳ありません。

皆さんの御解答で疑問は解決しました。
IPをやるのにTCA固定は向かないということで、
今まで通りにサンプルを調製しようと思います。

本当にありがとうございました。

御解答ありがとうございます 削除/引用
No.1268-5 - 2009/10/01 (木) 00:40:18 - immu

(無題) 削除/引用
No.1268-4 - 2009/09/30 (水) 20:39:52 - れれれ
一般的でない方法を今後の蛋白調製に適用されるとのこと・・・ご苦労様です。
蛋白種によっては可溶化率が低いものが出てきそうで怖いですね。
抗体の反応性(特にIP能)に関してはデータシート・既存論文での反応性との整合性は得られないことが多々出てきそうですね。
本当にご苦労様です。

ちなみに私もTx100がリン酸化蛋白の検出に不向きだなんて聞いたことないですが。

(無題) 削除/引用
No.1268-3 - 2009/09/30 (水) 20:14:18 - c
1.の回答
リンクされている先のプロトコールを見るとTCA沈殿を溶解するためにTritonだけでなくUreaやLiDSなどの強い変性剤も使っていますね。可溶化にはこれらが効いているのだと思います。TCA沈殿では蛋白質は酸変性して強く凝集していますから、Tritonだけでは無理でしょう。免疫沈降に使うならばこうした強力な変性剤を高濃度を含むような溶液中では難しいので、いったん沈殿を可溶化した後で、かなり希釈する必要があるでしょう。この辺の加減は抗原や抗体の性質にかなり依存するのでこれくらいならOKということは一概に言えないですが、免疫沈降に適用可能な比較的マイルドなbufferに少なくとも10倍以上希釈する必要があるでしょう。経験では2%SDSで可溶化した後で、1%トライトンを含むbufferで20倍希釈(つまりSDSを0.1%まで下げた)して免疫沈降したことがありますが、でも抗体によっては0.05%SDSまで下げても全然ダメなものもありました。また一度凝集させたものを可溶化すると、希釈すると再び不溶化(希釈後すぐにでなくて、ゆっくり出現することもあるので注意)することも少なくないので結構難しいです。(再不溶化物を免疫沈降物と誤認すると非常にまずいのでnormal IgGによるcontrol実験は特に重要。)

TCAで蛋白質は変性するので、蛋白質同士の非共有結合的な相互作用は壊れます。よって、蛋白質相互作用ような実験には適さないとおもいます。また変性までさせなくても比較的強いデタージェントでは分子間相互作用を壊したり弱めたりするものもあるので、使用するデタージェントの適否は論文等でよく調べた方がいいです。
それと変性しても、希釈や中和によりある程度再生する可能性も多少あるかもしれませんが、もとの天然状態のときの相互作用が回復するまでは望めないとおもいます。分子間の架橋など共有結合は(酸に安定な結合ならば)保持されると思います。

2の回答
Triton X-100とNP-40は同じグループのデタージェントで働きもよく似ています。代用は可能と思います。TritonがないのでNP-40を使う(またはその反対)ということはしばしばあります。
Tritonがリン酸化蛋白質に向かないことは初めて聞きました。もしもほんとにそうなら上記の理由からNP-40もまた合わないような気がします。

(無題) 削除/引用
No.1268-2 - 2009/09/30 (水) 19:33:05 - 中年
1.免疫沈降が共沈のことなら無理です。TCAを使う理由はプロテアーゼやホスファターゼなどを即座に変性させてしまうためですから。

2.特に問題は無いように思われます。しかし、そもそもlysis bufferのdetergentとしてTriton X-100を使うとリン酸化抗原の検出に問題が生じるということに根拠があるとは思えませんが。

タンパク質のTCA固定 detergentの選択 削除/引用
No.1268-1 - 2009/09/30 (水) 18:28:04 - immu
はじめまして。
タンパク質実験(シグナルタンパク質)のことで知りたいことがあります。

私はよくwestern blotをやっているのですが、
細胞をTCAで固定してtriton X-100で溶かす と言う
東大の大海先生の公開されているタンパク質調整プロトコールを試してみたところ、
今まで使っていたTriple detergent lysis bufferを使ったサンプルよりも良い結果が得られました。
(高いタンパク質濃度・SDS-PAGEでの分離のきれいさ・westernでの抗原検出 の三点で)

このため、タンパク質調製のプロトコールは今後このプロトコールを採用したいのですが、疑問があります。

1.免疫沈降にこのサンプルは使えるのでしょうか?
TCA固定でタンパク質同士の結合が消失したりしないか 知りたいです。

2.detergentはTriton X-100の替わりにNP-40などは使えますか?
シグナルタンパク質ということでリン酸化抗原も検出したりします。
Triton X-100はリン酸化タンパク質の検出に向かないとのことですが・・・


大海先生に直接聞けと言われればそれまでですが、知っている方がいましたらよろしくお願いします。
こちらがそのプロトコールです
http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/ohmiken/Lab%E3%83%A1%E3%83%A2/memo%208.html
長くなり申し訳ありません。よろしくお願いします。

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