転写のときは、電気泳動のときに蛋白質にくっ付いて残っているSDSのマイナス電荷を使ってゲルの中の蛋白質を、膜のあるプラス極側の方向に引っ張リ出すのだと思います。だからSDSを入れなくても転写は出来るし、製品の説明書とか実験書でもSDSいれろとはかいてないものも多いと思います。ただ電気泳動のときにくっ付いて残ったSDSを頼りにしていますし、分子量の大きいものや、強塩基性蛋白質などもともとゲルから出にくくて写りにくいものもあります。そのため蛋白質によっては転写bufferにも0.01-0.05%程度のSDSをいれることで転写が改善される場合がしばしばあるので、添加を推奨される場合があるのです。もちろん入れ過ぎると今度は蛋白質の、膜への結合が弱まってしまい逆効果になりますから0.1%くらいが限度とおもいます。wet-typeのときの話ですが、SDSを入れる(0.025%くらい)と転写後にゲルに残る蛋白質は全体に減ることは確かです。
SDSを添加しなくても特に問題なくうまくいっているならば、無理に系を変える必要は無いと思います。 |
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