アガロースやセファロースのほうがもっとバックグラウンドは高いのであまり改善しないとおもいます。非特異的吸着のことでも、遠心しないで回収できる点でも磁気ビーズの方がまだいいと思います。塩濃度は0.15Mかそれよりすこし高めにしてみましょう。磁気ビーズじゃないけど前にNaCl入れ忘れたらバックグラウンドすごい上がりました。IP前のライゼートの遠心はしっかりしてわずかな沈殿も吸わないように十分注意してください。全工程を通して0.5-1%程度の非イオン性または両イオン性界面活性剤を添加することもある程度役に立つかもしれません。人が言うほどすごい効果があるようには思えませんでしたが、一応プレクリーニング(normal IgG-beadsとこれからIPsするサンプルを30分ないし1時間くらいゆっくり混ぜること)もやってみましょう。バック減ることは減ります。事情が許す限り溶出までは通してサンプル調製に使ったbufferかそれに近い組成のものを使ったほうがいいです。buffer組成が途中で変わるとそれまで溶けてたものが溶けなくなったりするおそれもあるから。洗浄などの際のビーズの回収は自然沈降または磁石による吸引でおこない遠心はしないでやってみてください。溶出はSDS bufferで直接やらずに、面倒ですがGlycine-HCl pH2くらいのやつで溶出してみると多少バック減らすことできます。あと最近磁気ビーズ系で、バックグラウンドが低いです、というビーズが何種類か売られているらしい(聞いた話)ので、それも調べてみてください。
どんながんばってもIPのバックを減らすのは限界があります。ある程度はどうしても残ります。ふつうのpull-downみたいな実験ならバックあってもあんまり関係ないけど、ちゃんとした精製とかを考えているならば、量のかなり多い蛋白質なら抗体を増やせばそれでもなんとかいけますが、量の少ないものだとIPすれば濃縮はできても、IPだけで精製する(クマシーゲルでこのバンドがそれと分かる)のはかなり難しいと思いますので、そういう場合はIP前に分画するなど他の分離方法も併用するのが現実的とおもいます。 |
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