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抗原としての封入体 トピック削除
No.1172-TOPIC - 2009/09/09 (水) 09:03:35 - dell
現在、ウサギのポリクローナル抗体を作製しようと考えている者です。大腸菌で発現させた抗原タンパク質が封入体に回収されます。純度の高い状態で回収できますのでこれを抗原にしようと考えています。

アドバイスを頂きたい点(正確にはアドバイスというより経験談をお聞かせ頂きたいのですが)は、
「免疫注射する際に、不溶化状態のままアジュバントと混合するか、可溶化して混合するか」
についてです。
一般的には可溶化状態のほうが良い抗体ができ易いという話を聞くと思うのですが、かといって可溶化状態を維持しようとすると、尿素や塩酸グアニジンがかなり高濃度になってしまう点が気になります。
実際、皆さんの経験的にはどちらを採用しておられるのでしょうか?
これまで封入体を抗原として抗体を作製された方、あるいは知人にそのような方がおられる方、経験談をお聞かせいただけませんでしょうか?
 
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15件 ( 1 〜 15 )  前 | 次  1/ 1. /1


(無題) 削除/引用
No.1172-17 - 2009/09/16 (水) 10:39:54 - なんと!
APさん

ありがとうございました!
また、便乗質問申し訳ありませんでした。
とても参考になったので、是非実践してみたいと思います。

(無題) 削除/引用
No.1172-16 - 2009/09/15 (火) 16:21:38 - AP
>マウスなどの小動物に打つ場合は電気溶出を、と書かれています。

書かれていたかなあ。とにかく、マウスでもやっている人がいましたし、やったこともあります。inclusion bodyを抗原にするときにやったことですが、すぐにinclusion bodyを洗ってそのままでも免疫するので十分だということで、やめてしまいましたけれど。

それと、先に書いた染色の件ですが、CBB染色でも「酢酸を入れないで」とか条件が付いているプロトコールがありますね。電気溶出が出来るようにそうしろというのか、そのまま免疫するときもなにかまずいことがあるのかははっきりしませんけれど。

(無題) 削除/引用
No.1172-15 - 2009/09/15 (火) 14:49:04 - なんと!
APさん
ありがとうございます!
あと一点だけ、質問させて下さい。
文面からは普段はマウスに電気溶出させずに、免疫されているとよみとりましたが、ご紹介下さった本(Google立ち読み)では、マウスなどの小動物に打つ場合は電気溶出を、と書かれています。
電気溶出しないで、そのままマウスに打っても大丈夫なんでしょうか?
誤解していたら申し訳ありません。

(無題) 削除/引用
No.1172-14 - 2009/09/15 (火) 14:18:17 - AP
>SDS-PAGEのゲルからバンドを切り出して抗原として免疫することができるんですね?知りませんでした!
>もう少し詳しいプロトコールを教えて頂けないでしょうか?

いろいろな教科書にも書かれていますが、プロトコールというほどの大げさなものではなく簡単なコメントで済ませていることが多く、またプラクティカルにはいろいろ違うやり方もあるようですが、やり方がちがってもたいした問題ではないんでしょう。

・ゲルは必要な抗原量が乗り、分離できるならば、通常のSDS-PAGE用でいいと思います。inclusion bodyの場合、夾雑タンパク質は余り多くないので、オーバーロードで少々ぼってりしたバンドになってしまっても不都合ないと思います。私はマウスに免疫することが多いので、一回の免疫に5 ugもあれば十分で、普通のゲル一枚で十分、足りています。ウサギだとその10倍くらい必要ですからゲルの枚数を増やすなどしなければならないかもしれません(あるいはinclusion bodyを洗ってそのまま使うか)。

・どの教科書でも染色はCBBでOKと書かれていますし、CBB染色が重大な影響を与える理由もなさそうです。別法として、ゲルを冷たいKCl溶液(0.25 M)に浸けて冷蔵庫でしばらく放置するという方法があり、私はこちらが好みです。タンパク質と複合体を作ったSDSがK+で析出し、白濁するのでバンドが見えます。この染色法なら、必要によっては電気溶出も可能です。(どの染め方が免疫の成績が良いかというような比較をしたわけではないですし、そういう報告もないと思います)

・切り出したゲルはそのまま、あるいはバッファー交換して、そのままクラッシュするか、あるいは乾燥させてからグラインドして粉末にします。ニトロセルロース膜にブロットしてからバンドを切り出し乾燥させて粉末にするという方法もどこかで見ました。

・アジュバント化は通常どおりです(適当なバッファーに懸濁して当量のアジュバントと乳化)。

(無題) 削除/引用
No.1172-13 - 2009/09/15 (火) 11:26:53 - なんと!
便乗質問させて下さい。
SDS-PAGEのゲルからバンドを切り出して抗原として免疫することができるんですね?知りませんでした!
もう少し詳しいプロトコールを教えて頂けないでしょうか?
APさんが紹介してくださった本をGoogle立ち読みしましたが、染色して、バンドを切り出して粉々にして免疫という流れのように読みました。
いくつか紹介されている染色方法のなかで簡便そうなのはCBBかと思うのですが、染色方法によって善し悪しがあるのでしょうか?
また、SDS-PAGEの際のウェルの大きさはどのくらいのものを使用するのでしょうか(例えばウサギ2匹の場合)?普通のミニゲルでウェル無しのもので泳動すれば十分でしょうか?
あと、確認なんですが、免疫する際に粉々にしたゲルはアジュバントで乳化してから免疫をするんですよね?

もし、切り出して免疫できるとなると今悩んでいる実験が一気に進展しそうな気がします。是非、プロトコールのご指示お願いいたします。

(無題) 削除/引用
No.1172-12 - 2009/09/15 (火) 10:47:50 - ウサギ涙目
解決っぽいですね。
可溶・不溶の両方で10以上抗体を作りましたが,私の成績ではなんとなく不溶性の抗原の方が勝率が高い気がします。nが少ないのでなんとも言えないのですが。

私は不溶性の時は8尿素で抽出しましたが,後で透析しました。
沈殿物を適当にアジュバントに混ぜて注射してます。

回し者じゃないんですがTiterMax Goldというアジュバントを使うと成績が良かったです。

(無題) 削除/引用
No.1172-11 - 2009/09/12 (土) 18:24:02 - dell
APさん

早速のお返事大変有り難うございます。
教えていただいた本は大学の図書館にあるようなので、来週にでも借りに行こうと思います。現状、抗原の量は充分取れていますので、今回はアドバイスを参考にさせていただきそのまま免疫することにします。
非常に勉強になりました。
有り難うございました。

うさん

コメント有り難うございます。もちろん上手くいくときもあればいかないときもあるとは思いますが、皆様の経験的にどちらが有効な方法なのか知りたくて質問をさせていただいた次第です。結論はケースバイケースということですか。質問があまりよくなかったようで申し訳ありません。

(無題) 削除/引用
No.1172-10 - 2009/09/11 (金) 19:57:16 - AP
自分自身で手を動かしたのも、superviserとして指示したのも含めれば(合成ペプチドや外注を除く)融合タンパク質の二、三十種は免疫したでしょうか。
抗原にする目的なら、可溶性か不溶性かは普通に発現したままのas isで、わざわざ可溶化したり、発現の条件をいじって不溶化しないようにとかの配慮はしません。むしろ収量重視でがんがん発現させます。結果、かなり多くのタンパク質は不溶性で(可溶性の方が例外的)、可溶性で発現できてもアフィニティーカラム精製後にタグを切り離したら不溶化してしまったものも結構あります。

質問に答えると、
上記のように、変性剤で可溶化するということはしません。
SDSで溶かして、SDS-PAGEで分離精製することはあります。切り出してゲルごと免疫するので多少のSDSは混じっているかもしれません。
特に可溶化という意図ではないのですが、前の手順の流れで、Tritonなどの界面活性剤がかなり持ち込まれることがありますが積極的には取り除く処理をしません。


先にも書きましたし、同意見の方のコメントもありますが、もう使うタンパク質やその多諸々の段取り(どういう素性の動物の、どの個体を使うかなんか)決まっていたら、可溶性か不溶性かが成績の分かれ目になるとは思えません不溶性で免疫してうまくいかなかったというとき、それを可溶化してやり直したらうまくいくとは期待できません。かりにやり直してうまくいったなら、その他の原因だろうと私なら考えます。


私が抗体に関するテクニックを勉強した教科書で、信頼を置いているのはこの本です。
http://books.google.co.jp/books?id=0p29pFaLwR8C&printsec=frontcover#v=onepage&q=&f=false
分子遺伝学実験におけるMolecular Cloningに匹敵する抗体関連の実験書だと信じます。二十年も前の本ですがこの分野の教科書でこれ以上のものはまだないのではないかしら。


蔵書していた研究室を離れてしまって、いまは手元にないんですが、先にコメントした内容(inclusion bodyはそのまま免疫に使えるとか、不溶化してparticulateしたタンパク質のほうが優秀な抗原になるとか)は、この本からの刷り込みですね。
http://books.google.co.jp/books?id=0p29pFaLwR8C&dq=harlow+lane+antibodies&printsec=frontcover&source=bn&hl=ja&ei=4wCqSqbRJJ2G6wOCpaDPBw&sa=X&oi=book_result&ct=result&resnum=4#v=snippet&q=inclusion%20bodies&f=false
p.90、p.101の前後を読んで見てください(どこかに免疫原にたいする変性剤の影響についても触れられていたかも)。

(無題) 削除/引用
No.1172-7 - 2009/09/11 (金) 16:59:50 - う
数十種の抗体の作製を試みた経験的に。

可溶性タンパク質であろうと、封入体のタンパク質であろうと、
思ったような抗体が出来るときもあれば、出来ないときもある。

です。

(無題) 削除/引用
No.1172-6 - 2009/09/11 (金) 14:34:18 - dell
APさん

コメント有り難うございました。過去のトピックも非常に参考になりました。

今回特に知りたいのは皆さんの経験的にどうかというところです。コメントを拝見する限り、かなり抗体作製された経験がおありのようですが、具体的な数字を交えて経験的なところをもう少し聞かせていただけますでしょうか。
結局、APさんは封入体を不溶化状態のままもちいておられるのか、高濃度の変性剤存在下の可溶化状態のものを用いておられるのか、文面からではあまりよくわかりませんので、お時間のあるときにでもよろしくお願いします。

(無題) 削除/引用
No.1172-5 - 2009/09/09 (水) 20:44:58 - AP
抗原は可溶化・リフォールディングしたほうがいいという見解に対する疑義についてはここで触れました。
ttp://www.kenkyuu.net/cgi-biotech3/biotechforum.cgi?mode=view;Code=954

そうすべきだと主張する文献や教科書も見たことないんですが、論拠はあるんでしょうか?

できた抗体が良いものであることもあまりよくないこともあるというのは、可溶性抗原でも不溶化した抗原でも同じように起こることで、可溶化したら必ずよりよいものが取れるとか、すこしでもその確率があがるとかいうほどのことはないと思っています。むしろ、免疫動物の個体差によるところが大きいというのが実感で、すこしでもより良い抗体をとりたいなら、免疫する個体数をなるべく増やして多数のロットの中から選ぶことができるようにという方向で私は努力します。

逆に、不溶化した抗原(パーティクル化した抗原)のほうが強い免疫反応を起こし、抗体価があがりやすいということは教科書にも書かれていますし、実際、経験上もそのとおりです(マクロファージの貪食を促すためだと思います。アジュバントに混ぜるのもペプチドをコンジュゲートにするのも、そういうことですね)。こうした点はむしろメリットだと思っています。

洗浄したinclusion bodyに占める大量発現したタンパク質は8割以上で、それだけの純度なら免疫に十分であるという文献もあります。SDS-PAGEで分離してバンドを切り出すという簡単な操作で100%に近い純度を得ることもできます。
宿主菌由来のきょう雑物に対する抗体がダウンストリームの実験の邪魔になるようでしたら、宿主菌のアセトンパウダーで吸収するという方法で取り除くことができます。
可溶化タンパク質がないと、抗原カラムを作ってアフィニティー精製するということは難しくなりそうですが、実際はレジンにカップリングするときにかなりの変性剤が許容されるので、変性剤で可溶化してカップリングすることもできます。また私はやったことないですが、SDS-PAGEで分離した抗原をブロットしたニトロセルロース膜を切り取ってこれに対してアフィニティー精製をするという方法も、教科書に出ている手法です。

(無題) 削除/引用
No.1172-4 - 2009/09/09 (水) 17:14:51 - dell
774さん

コメント有り難うございます。
そうですね、段階的に変性剤の濃度を下げるという操作はしていません。是非試してみようと思います。

質問内容とはズレますが 削除/引用
No.1172-3 - 2009/09/09 (水) 16:26:54 - 774
>[Re:2] dellさんは書きました :
> 補足ですが8M尿素あるいは6M塩酸グアニジンで可溶化後、透析してみたのですが、タンパクが沈殿してしまいます。

透析は目的バッファーに対していきなり行なっているのでしょうか?

段階的に変性剤濃度が低くなるように透析すると、可溶化されやすくなる場合がありますよ。

(無題) 削除/引用
No.1172-2 - 2009/09/09 (水) 13:27:54 - dell
すいません。
補足ですが8M尿素あるいは6M塩酸グアニジンで可溶化後、透析してみたのですが、タンパクが沈殿してしまいます。
したがって、変性剤を除いて不溶の状態で注射するか、高濃度の変性剤存在下で可溶化してあるものを注射するか悩んでいます。

抗原としての封入体 削除/引用
No.1172-1 - 2009/09/09 (水) 09:03:35 - dell
現在、ウサギのポリクローナル抗体を作製しようと考えている者です。大腸菌で発現させた抗原タンパク質が封入体に回収されます。純度の高い状態で回収できますのでこれを抗原にしようと考えています。

アドバイスを頂きたい点(正確にはアドバイスというより経験談をお聞かせ頂きたいのですが)は、
「免疫注射する際に、不溶化状態のままアジュバントと混合するか、可溶化して混合するか」
についてです。
一般的には可溶化状態のほうが良い抗体ができ易いという話を聞くと思うのですが、かといって可溶化状態を維持しようとすると、尿素や塩酸グアニジンがかなり高濃度になってしまう点が気になります。
実際、皆さんの経験的にはどちらを採用しておられるのでしょうか?
これまで封入体を抗原として抗体を作製された方、あるいは知人にそのような方がおられる方、経験談をお聞かせいただけませんでしょうか?

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