>SDS-PAGEのゲルからバンドを切り出して抗原として免疫することができるんですね?知りませんでした!
>もう少し詳しいプロトコールを教えて頂けないでしょうか?
いろいろな教科書にも書かれていますが、プロトコールというほどの大げさなものではなく簡単なコメントで済ませていることが多く、またプラクティカルにはいろいろ違うやり方もあるようですが、やり方がちがってもたいした問題ではないんでしょう。
・ゲルは必要な抗原量が乗り、分離できるならば、通常のSDS-PAGE用でいいと思います。inclusion bodyの場合、夾雑タンパク質は余り多くないので、オーバーロードで少々ぼってりしたバンドになってしまっても不都合ないと思います。私はマウスに免疫することが多いので、一回の免疫に5 ugもあれば十分で、普通のゲル一枚で十分、足りています。ウサギだとその10倍くらい必要ですからゲルの枚数を増やすなどしなければならないかもしれません(あるいはinclusion bodyを洗ってそのまま使うか)。
・どの教科書でも染色はCBBでOKと書かれていますし、CBB染色が重大な影響を与える理由もなさそうです。別法として、ゲルを冷たいKCl溶液(0.25 M)に浸けて冷蔵庫でしばらく放置するという方法があり、私はこちらが好みです。タンパク質と複合体を作ったSDSがK+で析出し、白濁するのでバンドが見えます。この染色法なら、必要によっては電気溶出も可能です。(どの染め方が免疫の成績が良いかというような比較をしたわけではないですし、そういう報告もないと思います)
・切り出したゲルはそのまま、あるいはバッファー交換して、そのままクラッシュするか、あるいは乾燥させてからグラインドして粉末にします。ニトロセルロース膜にブロットしてからバンドを切り出し乾燥させて粉末にするという方法もどこかで見ました。
・アジュバント化は通常どおりです(適当なバッファーに懸濁して当量のアジュバントと乳化)。 |
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