下記の論文では、条件付けを行った後に海馬CA1の特定部位で電場電位の増強が起きていることが示されています。増強が起きた部位では、さらにLTPを起こそうとしても起きにくくなっています。ですから、電場電位だから問題ないとは言えませんし、こういう条件でLTPの実験を行えば、結果の解釈を誤る可能性はあります。
Learning induces long-term potentiation in the hippocampus.
Whitlock JR, Heynen AJ, Shuler MG, Bear MF.
Science. 2006 Aug 25;313(5790):1093-7.
ただ、これは条件付け直後の変化なので、実験から数日・数週間たっても影響が持続しているかどうかはわかりません。常識的には時間と共に増強が起きる以前の状態に戻ると思われます。そうでないと新しい記憶が獲得できなくなります。
というわけで、ナイーブなマウスを使うことができるならそれが一番確実です。しかし、もしマウスの準備に時間がかかるようなら、行動実験からある程度時間の経過したマウスを使ってデータを蓄積しておくという選択はあり得ると思います。 |
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