「済」になった後ですが、そのスタッフがきちんとした実験をされるかただとして、それでもなお仰るようなロット差が出るケースとして次のような可能性が考えられます。
発現プラスミドが大腸菌の生育に悪さをするような場合(ときどきあります)、プラスミドを増やし直す過程で変異の入ったプラスミドを持つ大腸菌が生じ、最終的なプラスミド標品が正しいプラスミドと変異の入ったプラスミドの混合物になってしまうことがあります。変異が入るのは確率的なイベントなので、最後まで入らないかもしれないし(発現量正常)、培養のごく後期に入るかもしれないし(発現量やや悪)、培養の初期に入るかもしれない(発現量超悪)。
発現プラスミドが大腸菌の生育に悪さをするような場合は、形質転換体のコロニーの大きさがコントロール(例えば空ベクターの形質転換体)に比べて小さかったり、コロニーの高さが低かったり、コロニーの色が透明だったり、コロニーを楊枝で突っつくと糸を引いたり(溶菌している)します。そのような兆候は見られませんでしたか。 |
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