間が開きましたがレスさせていただきます。
最近、市販のtransfection試薬から(安価な)calcium phosphate法に戻そうと、試薬の調製をしました。pH依存性が非常に高いというのにあらためて実感したので書かせてもらいます。
5つの異なるpHで2x HeBSをつくり、293TをターゲットにGFPベクターを入れて、GFP+の%,強度を24時間後にFACSで評価しました。
GFP(hi)% MFI in GFP(hi)
2x HeBS pH 6.85 2 % 710
pH 6.90 2 % 705
pH 6.95 5 % 905
pH 7.00 52 % 1,942 (best)
pH 7.05 44 % 1,721
比較対象
TransIt-293(最適化済) 51 % 2,204
[GFP(hi)の区切りは適当で,ネガティブ細胞が5くらいの条件で100以上でひきました。]
pHの0.05ごとの調製においては、pHの読み値に信憑性は感じられず、実際には基準点からHClが何マイクロリットルごとに、みたいな感覚になります。
これくらいのpHは試薬の保存状況ですぐ変わるでしょうから、トピ主さんのように前はうまくいったのに・・・、というときは作り直すのがいいのでしょう。
また、Ca/DNA precipitateの作り方(混ぜ方)も、実験書によって異なります。DNA/Ca液に2x HeBSをゆっくり滴下、その逆に2x HeBSにDNA/Ca液を滴下、あるいは素早く混合、また、各液の量など。私は今回、このへんを昔やっていたのと変えたのですが、前は細胞がそれなりに死んでいたのに、今回はまったく大丈夫でした。もう少しいじれそうです。
ちなみに、PEI(Max)は、293Tに対し(最適化をしたあとでも)TransIt-293より効率が悪いと私はなりました。もし自作する場合はcalium phosphate法の方をおすすめします。 |
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