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制限酵素が働いたかどうかの判別の仕方 トピック削除
No.1139-TOPIC - 2009/09/02 (水) 07:59:07 - ライオン
みなさま、大変お世話になっております。

現在、plasmidコンストラクションを行っている者です。
みなさまにおききしたい事がありまして、トピックを立てさせていただきました。
どうか、経験豊富なみなさまからのアドバイスをいただけると幸甚です。

今、TA cloningを使って興味ある遺伝子をTopo vectorに組み込みました。

EcoR1とXho1または、EcoR1とNot1でsequentialに酵素反応させ、Topo vectorからinsertを切り出す事ができました。

一方、このinsertを挿入したいvectorも同時に酵素反応させているのですが、uncutとsingle cutでバンドの高さに明瞭な差はみられませんでしたが、多少broadだったuncut bandは、single cutによりシャープになりました。ーー1とします。

これをゲルから切り出しして、2nd digestionした際には予想通り、bandの高さは1st digestと比べ変わりませんでした。ーー2とします。

2で得られたvectorと、切り出ししたinsertをligationして、抗生剤添加plateにてコロニーを作らせたところ、insertを加えなかったnegaconとしてのplateにもコロニーが生えてきてしまいました。

以上の事から、2で得られたvectorはsingle cutしかされていないのではないか?
もしくは、uncutとsingle cutのbandの差に明瞭な差が見られない事から、1のvectorにはsingle cutだけでなくuncutもコンタミしているのではないか?とも考えております。

皆様にお聞きしたいのは、2で得られるvectorが2nd digestionもされているかどうかを判別する方法、もしくは、2nd digestionされたものだけを選び出すことは不可能なのでしょうか?
どうかご指導いただけますと幸甚です。

*ちなみに、そのvectorにはEcoR1、Xho1そしてNot1のいずれの制限酵素感受性サイトは持っております。また、ligation後のplateへの播種には抗生剤を添加していることは間違いありません。
ligation後のnegacon plateでも出てきてしまったコロニーをpickしてsmall culture後、miniprepすると確かにvectorが挿入されておりました。以上のことから、欲しい2nd cut vectorではなく、single cutしかされていないと思われます。

私のような場合、酵素反応はsequentialで行わない方がいいのでしょうか?
同時にdouble digestionの方がself ligationの可能性が低くなるのでしょうか?
ちなみに、sequentialに酵素反応させる際には、1st cut後、ゲルから切り出して精製していますので、bufferは最適のものを使用しています。
 
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(無題) 削除/引用
No.1139-13 - 2009/09/04 (金) 12:17:01 - AP
いちおう、資料を挙げておきます。
各社、基本的にはlambda DNAなど線形DNA 1 ugを一時間で完全消化する酵素量を1 unitとしていますが、

TAKARA:「pBR322, pUC19の完全分解に必要な反応時間」「pKF3の完全分解に必要な反応時間」
活性測定の条件(1 ugあたり1 U)より5〜10倍過剰に加えていますが、かなり多くの酵素は1時間以上かかりますし、酵素量x時間で比較すれば、どの酵素もプラスミドの方が線形より多くを必要とするというのがわかります。

NEB: 「Cleavage of supercoiled DNA」
同じ量(重量)同じ条件で完全消化するのに、lambda DNA(活性を定義する基質)と比べてプラスミドが何倍の酵素量を要求するかという情報が載っています。かつては、TAKARAもこの形で情報が提供されていました。

Fermentas: 上記のような、酵素ごと個別の情報は載せていませんが、トラブルシューティングで、プラスミドの消化不良について、supercoiled plasmidにたいして切断効率が低い酵素がある、酵素量を増やしてみよ、ということが書かれています。

(無題) 削除/引用
No.1139-12 - 2009/09/04 (金) 09:39:41 - ばいや
takaraには高次構造により切断されにくい場合があると書いてあります。「想像」するにはAPさんのおっしゃることだと思います。

また、NEBには認識サイトからの塩基の種類と数によって切断されやすさが変わることが書いてあります。Aさんのおっしゃる線状の方が切れにくいことだと思います。

どちらが影響が強いかということはなかなか分からないんではないかと。

私はそこまでシビアな条件で切断していないので経験上から分からないです。

私は基本、同時消化します。なにかおかしなことがあれば順次切断します。と言うかそれぞれ消化する場合が多いかな。重要視するのは単位単価が高いものを先に切断して確認したほうを使います。なぜなら高いほうが切れにくいと勝手に思っているので。

takaraのなんかのマニュアルにプラスミドの制限消化には順次切断するより同時切断の方が良く切れると書いてありました。疑問には思うけど。私は時間短縮のために同時切断してます。

(無題) 削除/引用
No.1139-11 - 2009/09/03 (木) 17:20:14 - A
>[Re:10] APさんは書きました :
> >通常どの制限酵素もlinear vectorになると反応がおきにくくなりますから。
> これは逆と違いますか? 通常、インタクトなプラスミド(supercoil)はlinearより切れにくく完全消化により多くの酵素量を必要とする、のはずですね。高次構造で酵素がアクセスしにくいせいだと理解していますが。

APさん

私の勘違いですか?私の認識は先に書いたとおり環状の方が切れやすかった
と思ったのですが。

(無題) 削除/引用
No.1139-10 - 2009/09/02 (水) 23:58:52 - AP
>通常どの制限酵素もlinear vectorになると反応がおきにくくなりますから。

これは逆と違いますか? 通常、インタクトなプラスミド(supercoil)はlinearより切れにくく完全消化により多くの酵素量を必要とする、のはずですね。高次構造で酵素がアクセスしにくいせいだと理解していますが。メーカーの資料にも、supercoilの完全消化には、linearの場合(1ugを1時間で完全消化する酵素量=1 unit)の何倍過剰の酵素(あるいは反応時間)が必要かという情報が必ず載っていますし。

>働きの悪い方をsequential酵素反応の最初に使われては?
これは戦術的に二通りの考え方があると思います。
・supercoilに効きにくい酵素を後にして、他の酵素でlinear化されて消化しやすくしてから切る。
・利きにくい酵素を先にして完全消化を確認してから切れやすい方の酵素で切る。逆だと(クローニングサイトのように近接した認識サイトだと特に)、効きにくい方の酵素で完全に切れているか、切れ残りがあるかの確認が困難になるので。

(無題) 削除/引用
No.1139-9 - 2009/09/02 (水) 23:32:40 - もんち
−1
の段階で変なプラスミドを掴んじゃったのが原因で、他の操作は問題ないんじゃない?
もう一回、きちんと菌を起こしなおして(プラスミド保有菌をプレートにストリーク)or市販のものなら新しいのを開けてやり直したら解決すると思うよ。

自分なら面倒なので両プラスミドの抗生物質耐性が違うなら、topo-insert切断物とvector切断物を一緒に切って、そのままligationしてしまいますが・・・。

(無題) 削除/引用
No.1139-8 - 2009/09/02 (水) 21:34:03 - A
この場合それぞれの酵素がちゃんと働いているのか怪しい時は

1)EcoRI + uncut vector + reaction buffer H
2)NotI (or XhoI) + uncut vector+ reaction buffer H

という2セットの溶液を準備してそれぞれからわずかな量を
サンプリングして残りを混ぜてdouble digestion、3)とする。
1),2),3)を反応させた後にuncutとともにゲルに流せば少なく
ともそれぞれの制限酵素がちゃんと働いているかどうかわかる
はずです。

あともしdouble digestionに使う制限酵素の内一方の働きが
あまり良くないことがわかっているのなら働きの悪い方を
sequential酵素反応の最初に使われては?通常どの制限酵素も
linear vectorになると反応がおきにくくなりますから。

(無題) 削除/引用
No.1139-7 - 2009/09/02 (水) 16:45:46 - AP
>私のような場合、酵素反応はsequentialで行わない方がいいのでしょうか?
>同時にdouble digestionの方がself ligationの可能性が低くなるのでしょう

そいういうことはないですが、

EcoR1、Xho1、Not1はすべてH bufferで問題なく切れるので(最近はEcoRI buffなんて専用のbuffをつけてくるメーカもあるみたいだけれど)、sequentialにする理由が理解できません(かと思うと、buffが合わない酵素の組み合わせで同時消化を敢行してトラブっている人も良くいるみたいですが)。私なら同時消化します。

例外としては、クローニングサイトのように制限酵素認識部位が隣接している場合で、DNA末端に近いと切れなくなる酵素は、先に他の酵素で認識配列近傍が切断されてしまうと切断効率が下がるということがあるので、その場合は、buffによらず、切断可能な順番でsequentialに消化する必要があります(NEBやFermetasに資料あり)。今回の問題も、切断に難のある順番でsequential digestしたのかも、とちょっと思ったんですが、それらの酵素は末端に強いし、クローニングサイト上でそれらのサイトが隣接しているベクターもなさそうなので、違いますね。

(無題) 削除/引用
No.1139-6 - 2009/09/02 (水) 10:26:49 - 通りがかり
まずベクターの cut と uncut で差がなかった点ですが、これは dimer plasmid ではないかと思います。つまり本来のプラスミドの配列が2個繋がって1つのプラスミドになったものです。時々あることです。この場合、uncut dimer の ccc のバンドと linear monomer のバンドは近い位置に来ます。dimer か monomer かは、少量の酵素を短時間作用させて partial digestion を行い、本来のサイズの倍に当たるバンドが出てくるかどうかで確認できます。ネガコンからミニプレップしたベクターと元のベクターで比較してみてください。

次にネガコンでも多数のコロニーが現れた点ですが、これはおっしゃる通り切れ残りが原因でしょう。一部変成した uncut が混じっているおそれもあります。対処法としては、まずネガコンから取った monomer のベクターを使えば、uncut と cut はゲルで分けられます。one cut と two cut を分ける事はできませんが、アルカリフォスファターゼで処理すれば仮に one cut が混じっていても self ligation しませんので、コロニーは生えてきません。

(無題) 削除/引用
No.1139-5 - 2009/09/02 (水) 10:15:46 - ばいや
よく分からなかったけど一応・・・

ベクターを制限消化したものは1箇所、2箇所とも目的のサイズだったのか?
切断していないものとサイズが同じだったということしか分からないので、これだと切断されていないと考えるのがよろしいかと。切断したものが予想サイズ通りだったら他に原因があるかも。

おそらくアルカリ法でベクターを取ってきたものと考えますが、特にアルカリ処理の時間が長かったりすると制限酵素の切れが極端に悪くなると思います。まだよくわからなかったとき、共通で使っていて全然ダメなときが多くて困ったことがありました。当時はどの段階か分からなかったのですが。

もう一度ちゃんとしたベクターを精製することを薦めます

(無題) 削除/引用
No.1139-4 - 2009/09/02 (水) 09:49:10 - removed
方法の確認ですが、insertをEcoRI-XhoIまたはEcoRI-NotIのサイトでサブクローニングするということでいいですか?

状況から考えると、EcoRIがvectorを切断できていない可能性が高そうですね。
insert側の切り出しは上手くいってるということなので、XhoI,NotI,EcoRI共に酵素自体に問題はなさそうです。
酵素を疑うのであれば、それぞれの至適条件でsingle digestして確認できるとかと思います。

まだ試したことはありませんが、NEBから新しく出たHFシリーズのEcoRI,NotIを使えば同じbufferでdouble digestionが可能でstar活性も低いようです。

(無題) 削除/引用
No.1139-3 - 2009/09/02 (水) 09:30:29 - ライオン
CJ様ありがとうございます。

>ネガコンとライゲーションしたやつとの間でコロニー数に違いはないですか?

はい、全く差はありませんでした。
DH5aにtransformしたのですが、コロニー数が半端無いくらい生えてきました。
dish一面をうめるほど。ですので、Ampが入ってなかったのでは?と思い、コロニーをpickしてAmp+LB液体培地でsmall cultureしたところ、翌日濁っていたので、ちゃんとtransformed E.Coliだと思われます。

>もう1点:未切断のプラスミドと1箇所でも切断したプラスミドは泳動パターンがものすごく違うと思うのですが、それが文章から読み取れませんね…。酵素にも問題があるのかな?

>一方、このinsertを挿入したいvectorも同時に酵素反応させているのですが、uncutとsingle cutでバンドの高さに明瞭な差はみられませんでしたが、多少broadだったuncut bandは、single cutによりシャープになりました。ーー1とします。

一応文章中には↑のように書いたのですが、それがそれほど違わないんです。そこがとても困ったなあと思うところなのですが。

そのvector自体を疑った方がよろしいでしょうか?
uncutでもほとんどひとつのbandしか現れませんでした。普通、supercoiledだとかで3本くらい現れると思うのですが…

(無題) 削除/引用
No.1139-2 - 2009/09/02 (水) 09:14:57 - CJ
ミニプレップで得られてきたプラスミドには少なからず制限酵素で切れないろくでもないやつが混ざってくると聞きます。ですから、ネガコンで生えてきた、っていうのは切れていないプラスミドがあった、ということなのでしょう。ネガコンとライゲーションしたやつとの間でコロニー数に違いはないですか?
もう1点:未切断のプラスミドと1箇所でも切断したプラスミドは泳動パターンがものすごく違うと思うのですが、それが文章から読み取れませんね…。酵素にも問題があるのかな?

制限酵素が働いたかどうかの判別の仕方 削除/引用
No.1139-1 - 2009/09/02 (水) 07:59:07 - ライオン
みなさま、大変お世話になっております。

現在、plasmidコンストラクションを行っている者です。
みなさまにおききしたい事がありまして、トピックを立てさせていただきました。
どうか、経験豊富なみなさまからのアドバイスをいただけると幸甚です。

今、TA cloningを使って興味ある遺伝子をTopo vectorに組み込みました。

EcoR1とXho1または、EcoR1とNot1でsequentialに酵素反応させ、Topo vectorからinsertを切り出す事ができました。

一方、このinsertを挿入したいvectorも同時に酵素反応させているのですが、uncutとsingle cutでバンドの高さに明瞭な差はみられませんでしたが、多少broadだったuncut bandは、single cutによりシャープになりました。ーー1とします。

これをゲルから切り出しして、2nd digestionした際には予想通り、bandの高さは1st digestと比べ変わりませんでした。ーー2とします。

2で得られたvectorと、切り出ししたinsertをligationして、抗生剤添加plateにてコロニーを作らせたところ、insertを加えなかったnegaconとしてのplateにもコロニーが生えてきてしまいました。

以上の事から、2で得られたvectorはsingle cutしかされていないのではないか?
もしくは、uncutとsingle cutのbandの差に明瞭な差が見られない事から、1のvectorにはsingle cutだけでなくuncutもコンタミしているのではないか?とも考えております。

皆様にお聞きしたいのは、2で得られるvectorが2nd digestionもされているかどうかを判別する方法、もしくは、2nd digestionされたものだけを選び出すことは不可能なのでしょうか?
どうかご指導いただけますと幸甚です。

*ちなみに、そのvectorにはEcoR1、Xho1そしてNot1のいずれの制限酵素感受性サイトは持っております。また、ligation後のplateへの播種には抗生剤を添加していることは間違いありません。
ligation後のnegacon plateでも出てきてしまったコロニーをpickしてsmall culture後、miniprepすると確かにvectorが挿入されておりました。以上のことから、欲しい2nd cut vectorではなく、single cutしかされていないと思われます。

私のような場合、酵素反応はsequentialで行わない方がいいのでしょうか?
同時にdouble digestionの方がself ligationの可能性が低くなるのでしょうか?
ちなみに、sequentialに酵素反応させる際には、1st cut後、ゲルから切り出して精製していますので、bufferは最適のものを使用しています。

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