可能性としてPCR反応液から持ち込まれるpolymeraseのexonuclease活性をあげましたが、今ある情報から可能性をあげつらえば、制限酵素、バッファー、水、器具などにDNaseがコンタミしているとか、鋳型DNAサンプル由来のDNaseが残存しているとか、何らかの原因で(たとえばPCR反応液の持ち込み量が多いので制限酵素消化バッファーの組成が大きく狂うために)スター活性が出ているとか、泳動サンプルの調製が不適切で移動度がおかしくなっているとか、いろいろ考えられます。たとえば、制限酵素処理の後分解してしまったのと同じPCR産物で、今やっている制限酵素反応と同じ条件で制限酵素だけ抜いたコントロール実験をしてみるとかして、まず原因がどこにあるのか確かめることを強く勧めます。
その上で、PCR反応から持ち込まれるpolymeraseが原因だとしたら、PCR産物をフェノール抽出、カラム精製などルーチンな方法で精製してからやればいいだけなんですが、genotypingなどで多数のサンプルを扱うなら、それがやりやすい方法を考える必要があると思います。
・校正活性のないストレートなTaq polを使えば、精製しなくてもDNAの分解を起こさないかもしれない。
・proteinase Kを加えてpolymeraseを分解する。poteinaseは55℃以上の熱処理(たとえば70℃、10分)で失活させてから制限酵素反応に持っていく。 |
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