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抗体や酵素が失活(死ぬ)というのは? トピック削除
No.1087-TOPIC - 2009/08/22 (土) 00:46:27 - 笑い男
 やや丸投げ的な質問をさせてください。

 たまに見かける質問で、「抗体(酵素)を片付けるのを忘れていたのですが、使用可能でしょうか?」というものがありますよね。とりあえず「使用できるかどうか試してみろよ!」という回答しか付かない類の質問です。

 私の質問は、実際にチューブの中のタンパク質には何が起きているのでしょうか?ということです。 失活してた―>変性している―>構造が変わっている 程度の認識しかありません。なぜ構造が変わってしまうの?

 話が広がりすぎると混乱しそうなので、条件をつけさせて下さい。
1.純度100%でプロテアーゼなどの混入は無視する。
2.カビやら菌やらのコンタミも無視。

 こんな緩衝液成分がタンパク質の構造に対して・・・とか、微量な金属があったために・・・、チューブ内の気体が・・・、チューブ(蓋)の材質が・・・ など実例や可能性を含めてコメント頂けるとありがたいです。もしかして、私の大嫌いなエネルギーの話で失活を説明するものなのでしょうか?
 
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No.1087-7 - 2009/08/24 (月) 01:02:49 - 笑い男
 皆様、コメントありがとうございます。
書き込んでいただいたコメントが、私の心にあるモヤモヤ感を100%代弁しているものと思います。

 エネルギー的に書けば、タンパク質の構造が揺れる程度が高温の方が大きいだろうし、エネルギー山を越えて活性を持たない構造になってしまうから失活してるんだろうなー・・というように自分を納得させながらも、耐熱性酵素(ポリメラーゼ)で100℃近くまで加熱しても失活しないのは、エネルギーで説明できるのだろうか?と悩んでみたり・・・。(ポリメラーゼは熱変性(構造変化)していないのか、変化しても可逆的に戻っているのかとか?)

 プロテアーゼのコンタミが無いとすれば、37℃(体温)より低い室温でタンパク質を放置したとしてもタンパク質そのものは意外と安定とちゃうの〜 実は溶存酸素の影響とか、外に出してチューブに光が当たってとか、タンパク質自身の構造をエネルギー的に説明するより、外的要因(タンパク質以外の共存物質)で説明する方が相応しい場合も多いんだろうなー。(還元剤を入れないと不安定なタンパク質って、勝手に酸化するの?それとも何かが酸化させているの?)

 まー、ラボで出来る精製技術もUPして、市販の酵素(抗体)の純度も良くなっていたりして、(低温の方が安定なことに間違いは無いが)手抜き実験とかも探せばあるんだろうなー。

(無題) 削除/引用
No.1087-6 - 2009/08/23 (日) 19:57:53 - AP
自然に放置しておこる失活は酸化や水分子のアタックなんかが考えられます。食品なんかでも、腐敗が起こらなくても酸化してだめになることありますし。

しかし、ずいぶん以前からネット上のニューズグループなんかでは指摘されていたことですが、供給されたままの保存液中の制限酵素なんかは室温どころか37℃でも長期間活性を保つほど安定です(プロテアーゼや微生物をコンタミさせたら別でしょうが)。
ttp://www.nature.com/nbt/journal/v18/n3/full/nbt0300_243b.html

これがどれほどの広範囲の酵素に適用できるかわかりませんが、ポリメラーゼあたりは大丈夫そうな気がします。酸化還元酵素の類は危ない気がします(PO標識の抗体なんかは、4℃保存でも長期だと失活にあうことがある)。

昔は、酵素は由来生物から直接精製していて、プロテアーゼなどのコンタミを完全に排除できなかったので、不安定であり適切な保存をしなければ急激に失活することも多かったんでしょう(たとえばCIAPはプロテアーゼ豊富な腸から精製していたせいか安定性が低く、硫安沈殿で供給されていたらしい)。
今は、ほとんどがリコンビナントで、精製技術も高くなっているでしょうから、昔からの慣習で続けられている保存方法は不必要なものがかなりあるんじゃなでしょうか。

抗体は非常に丈夫なタンパク質で、酵素なんか比較にならないほど安定といわれていますから、適切な保存液中(もちろんコンタミなし)なら、上記のような制限酵素が大丈夫だといわれている条件くらいでだめになることはないと思います。ただし、標識の安定性は別問題だし、抗血清のように精製度が低いものの分解の危険性は高いでしょう。

(無題) 削除/引用
No.1087-5 - 2009/08/22 (土) 12:53:06 - qq
耐熱性酵素で室温保存可能な製品って、良く有りますよね。(と、言っても一つも指摘できませんが)
そうすると、やっぱり、もしかして、
>もしかして、私の大嫌いなエネルギーの話で失活を説明するものなのでしょうか?
でしょうねぇ。
想像は、おおさんの指摘のとおりで、「準安定な構造を取りにくい酵素」が安定な酵素なのではないでしょうか。
ところで、耐熱性酵素の熱安定性の仕組みって、アミノ酸配列や3D構造から説明可能になっているのでしょうかねぇ?
>なぜ構造が変わってしまうの?
構造が変わるを、Native --> denaturedと、denatured --> nativeの両面から考えられそうです。
Taqなんかは、denatured --> nativeが大変強力かつ安定なコンフォーメーションの「解」が殆ど一つなのだろうと想像しますね。
それとも、Taqを大量に96度10minとかやっても、凝集したりしないのでしょうか?
それとは別に、リガンドで活性化できる酵素の中には、リガンドを入れることで安定化できる酵素も多いと思います。こんな時は、リガンドでNative --> denaturedが、遅くなると言うことかしら。adenylate cyclaseを活性化Gsで安定化できたように思います。

(無題) 削除/引用
No.1087-3 - 2009/08/22 (土) 08:42:38 - おお
>[Re:1] 笑い男さんは書きました :

>
>  こんな緩衝液成分がタンパク質の構造に対して・・・とか、微量な金属があったために・・・

金属イオンはラジカルの根元になり得ますので、
あり得る原因かもしれません。

あとはデタージェントのコンタミは生化学者であれば
怖がりますよね、、、ただだんだん悪くなっていくというのは
デタージェントで説明できるかどうかわかりません。

>もしかして、私の大嫌いなエネルギーの話で失活を説明するものなのでしょうか?

あ、嫌いって書いていらっしゃったのに、、、、あとで気がつきました。

(無題) 削除/引用
No.1087-2 - 2009/08/22 (土) 05:58:29 - おお
一つの推測ですが、熱力学的に安定な状態(エネルギ-の低い谷間の底にあたる状態)というのはタンパク質の場合、たくさんあって熱力学的に谷と谷のあいだの山を超えれば、違う安定な状態(構造)になり得るわけです。構造が不安定、あるいは定まらないようなペプチドはこの谷があまり低くなく、山もたかくなく複数の谷の状態を行き来しやすい状態といえるかと思います。

であるタンパクが正しいと思われる形を取っていたとして、タンパクが熱エネルギーをえて違う谷間に落ち込むというのは、ある意味確率論で機能しない安定な状態にシフトする可能性は溶液中では多分あるだろうとも思えます。

でも、プロテアーゼのコンタミは無視できるのでしょうか。。。。
やはり2種類のイオン交換、ゲル濾過、硫安沈殿とか他段階の精製をしたタンパクでさえ保存中にSDSPAGEでスメアーになったりしますし、

昔の制限酵素は失活し易く、プロテアーゼのコンタミが主な原因では
ないかと言われていたりします。リコンビナントで大量に作れるように
なり、精製度を上げることができるようになったとか、物によっては
結晶化までして精製できるとかそう言うことにより、プロテアーゼの
コンタミなど(それだけではないと思いますが)非常に低く抑えれるように
なったという話を聞いたことがありますが、でもそこまでできるものは
ごく一部のタンパクともおもえます。

そのほか可能性があるとすれば酸化でしょうか、、、

抗体や酵素が失活(死ぬ)というのは? 削除/引用
No.1087-1 - 2009/08/22 (土) 00:46:27 - 笑い男
 やや丸投げ的な質問をさせてください。

 たまに見かける質問で、「抗体(酵素)を片付けるのを忘れていたのですが、使用可能でしょうか?」というものがありますよね。とりあえず「使用できるかどうか試してみろよ!」という回答しか付かない類の質問です。

 私の質問は、実際にチューブの中のタンパク質には何が起きているのでしょうか?ということです。 失活してた―>変性している―>構造が変わっている 程度の認識しかありません。なぜ構造が変わってしまうの?

 話が広がりすぎると混乱しそうなので、条件をつけさせて下さい。
1.純度100%でプロテアーゼなどの混入は無視する。
2.カビやら菌やらのコンタミも無視。

 こんな緩衝液成分がタンパク質の構造に対して・・・とか、微量な金属があったために・・・、チューブ内の気体が・・・、チューブ(蓋)の材質が・・・ など実例や可能性を含めてコメント頂けるとありがたいです。もしかして、私の大嫌いなエネルギーの話で失活を説明するものなのでしょうか?

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