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今まで知らなかったタンパク濃縮法 トピック削除
No.1036-TOPIC - 2009/08/12 (水) 15:12:59 - やっぱ教授には敵わないなあ。。
先日、タンパクを精製したところかなり薄い濃度になってしまいました。

0.1 ug/ul以下で、希望としては5 ug/ulくらいにはしたかったんです。

このタンパクは分子量で150 kDa程度ですので0.1 ug/ulの5 ml全てをアミコンのチューブで濃縮しようと考えていました。


ところが、教授にそういうと「ちょっと乱暴だけどポリエチレングリコールで濃縮すればいいじゃんか」と言われました。


やり方は、透析膜に5 mlを入れ、封をします。

それを金属のプレートに乗せて、そこへ分子量8000程度のPEG 粉末をぱらぱらと上から振りかけ、
まるで卵に浸したエビにパン粉を付けるかのように。

すると、驚いた事に5 mlあった精製タンパク溶液はあっという間に1 ml程度までになりました。

もちろん透析膜の上を被っているPEGはびしょびしょに濡れています。


なるほど、こういうやり方があるのかと、自分はまだまだ知らない事が多いなあと思いました。

これはおそらく浸透圧を利用した脱水法だと思うのですが、ではなぜこのような簡便な方法があるというのに、わざわざ高いお金を出してアミコンウルトラや限外ろかなどをしなければならないのでしょうか?(もちろん濃縮したいタンパクの分子量に依存すると言われればそれまでですが。)

みなさんはこういったPEGを使用した濃縮法はご存知でしたか?

私はすごく感動しました。逆にこの濃縮法の欠点はわかりません。

みなさんなら例えば150 kDaのタンパクを濃縮する場合、このようなやり方をしようしたいと思いますか?


またびしょびしょにぬれたPEGを乾燥させれば再び、別のタンパクの濃縮なんかにも使えるのかなと考えるとますます、経済的な濃縮法だなあと思ってしまい脱帽です。

みなさんのふと感じた感想など聞かせていただけると嬉しいです。


 
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(無題) 削除/引用
No.1036-55 - 2009/08/19 (水) 11:13:59 - AP
結局、「群盲、像をなでる」だったのかなと思います(自分も盲のひとりとして)。

さかのぼって、発端となった「透析膜には穴(孔)はない、そこが限外濾過膜とちがう(こっちにゃ穴がある)」という発言は、限外濾過膜は多孔質膜だけれど、透析膜は非多孔質膜だという思い違い、思いこみという、単純なことで説明できるのではないかと。

(無題) 削除/引用
No.1036-54 - 2009/08/19 (水) 08:40:04 - グー
非多孔質膜を持ち出すと話が2重にそれると思います。
私が引導を、、、渡せないか。生きてるのか死んでいるかさえわからない。
分離膜さん>(題)図書室に行こう>穴が開いていたら、体積流に乗って、どんな分子でも大きさだけに依存して穴を通過してしまいます。
APさん>これはいったい何の話をしているのでしょうか。いま論議ここで論議しているのは、タンパク質の透析、限外ろ過の実際についてで、広い世の中にはそういう現象もあるよということではないのです。(これ以下の発言全体を参照 No.1036-47)

APさんの意見が究極的だと思いますし、それに賛成します。図書館に行けば、自分の説が正しいのが分かるだろうということですが、ネットでいくら調べても、膜に穴が開いた人工透析膜の構造図が出てきます。透析膜の構造図は簡単すぎてあまり載ってもいません。小学校の図書館にはあるかもしれませんが。非多孔質膜と多孔質膜を混同しており、普通の研究者と違った透析膜の構造のイメージを持っているということかと思います。

(無題) 削除/引用
No.1036-53 - 2009/08/19 (水) 08:15:29 - Tb
> (追:先に引用したサイトはin situさんが前に出してくれたところです。そのことを書くのを忘れたのでここにお礼)

すいません。ここは通りかがりさんもはじめに出してくれたところです。

あと、このページ、隠しページJST Web教材として
ttp://chemeng.on.coocan.jp/memb/
にいろいろありますね。

(無題) 削除/引用
No.1036-52 - 2009/08/19 (水) 06:38:14 - Tb
日本液体清澄化技術工業会の用語集です。
http://www.lfpi.org/glossary/ja.html
「非多孔質膜 Non-porous Membrane:一般に0.001μm(1nm)以下の孔径を持つ膜。しかし、1nm以下の孔は、穴と呼べるものはなく、膜を構成する分子の熱振動により生じる分子間のすき間である。」

(無題) 削除/引用
No.1036-51 - 2009/08/19 (水) 04:37:51 - Tb
>[Re:28] APさんは書きました :
> poreがなくても水や(低)分子が通るという点に対して一つ卑近な例を挙げてで異議をいうと、
> 逆浸透(RO)膜法で、膜をとおして塩水から真水を浸透させて得る一方で、膜の反対側では塩の濃縮を行うことがあります。RO膜は透析膜の一種ですが、この場合何が違うかというと、poreサイズが一般的な透析膜よりはるかに小さく設計されていて、水分子は通過できるけれど塩類(そのイオン)は通れないようなものが使われるところです。

http://www.tcn.zaq.ne.jp/membrane/forum/0004.htm
(Q&A 0150)にRO膜について
Q「逆浸透膜の分離機能の根本原理は膜の口径と考えてよろしいのですか?」
A「逆浸透膜を透過する水の分子径は約0.3ナノメートル(3オングストロー
ム)であり、阻止されるTDS成分の一例としてNaClは、水中ではNaイオンとClイオンに解離し、それぞれに水が約4分子付いた水和イオンの径は約0.4ナノメートルです。その差が分離に大きく影響します。もし、この程度の大きさの孔があったとしても直接見れませんから、孔があるか肯定も否定もできませんが、ポリアミド逆浸透膜の分子モデリングによれば網状の構造があり、それを孔と言えるかもしれません。しかし、膜も分子レベルでは構成原子が振動しており孔の径を正確に決めるのは難しいでしょう。膜に細孔があってその内面に水が吸着し、その中では塩濃度が小さいくなるとの説では約1ナノメートルの径で分離を説明しています。
膜材質に対する水とイオンの溶解性と拡散速度の差で分離するとの溶解拡散理論でも説明できますから、孔がなくても一向に構わない領域なのです。溶質間の分離性は膜の物性、荷電性でも異なるので単純な孔理論だけでは説明できません。しかし、膜分離の研究者でなければ、上記程度の径の孔とお考えになるのが分かり易いでしょう。」
少なくともRO膜のあたりでは痛み分けになるのではないでしょうか。

(追:先に引用したサイトはin situさんが前に出してくれたところです。そのことを書くのを忘れたのでここにお礼)

(無題) 削除/引用
No.1036-50 - 2009/08/18 (火) 23:47:37 - Tb
> 透析や限外ろ過に使われる半透膜は多孔質膜であって、文字通り孔があることのが属性で孔を通るか通らないかが分離の主要なメカニズムです。

相変わらず同じようなことを書きますが、以下の解説では
ttp://chemeng.on.coocan.jp/memb/m_mb1.html
「図にμm(マイクロメートル)からnm(ナノメートル)以下までの物質のサイズと、各種分離膜の孔径を比較しました。現在ではすべての粒子径でそれを分離するのに適切な孔径の膜を入手することができる。例えばウィルスを水から除去する場合には、限外濾過膜を使用すればよい。なお、1 nm 以下の孔は電子顕微鏡でも観察できないので、これ以下の孔径の膜は実際上孔のない膜、非多孔質膜とされる。」
と、多孔性・非多孔性の分類は、視覚化可能かどうかを目安にした便宜上の分類ととれる解説がなされています。(ただし、この図では透析膜は1 nmより目が大きい多孔質膜となっています。)

透析膜のporeあるいはMWCOについては、「水だけ通るサイズの穴があいている(証拠)→ だから大きなタンパクは通らない(帰結)」、といよりはもっと評価的に「分子量が分かれる分かれないの一番重要なファクターである(その他、再生セルロースについての性質云々)(証拠)→ だからボア説明がベストフィットである(帰結)」ということだと思うのですが・・・

(無題) 削除/引用
No.1036-49 - 2009/08/18 (火) 20:21:38 - mom-a
>ところで、上記2つはいずれも血液透析用のダイアライザーのようです。
>私は学生時代にセロファン透析チューブで濃縮していました。

2つの文章の間に飛躍がありますね(^^;

前の文章は
>> ttp://chemeng.on.coocan.jp/memb/m_mb1.html
>透析膜の写真に、膜表面の穴は(アングル的に)写ってないですね。
に出てくる中空糸の写真も
>下記のサイトはダイアライザーの製造業者のようですが、『ポア(細孔)』という表現を用いています。
>http://www.nikkiso.co.jp/rd/next/007.html
で言及されている透析膜も、いずれも血液透析用のダイアライザーのようです。という意味です。

で、ここで議論の的になっているのはタンパク精製に使う透析用チューブですので、ダイアライザーではありません。原理的にはともかく、中空糸を束ねたものではなかったはず…と思い、ン10年前に抗体精製に使っていたセロファン透析チューブを探してみたわけです。

>実は、両者ものとしては同じといってよく、セロファンは再生セルロース膜(セルロースを溶剤などで溶液化したのちに膜状に再固化したもの)の登録商標らしいです。

引用した部分にも「Cellulose tubing」とあるように、セルロースだとは思っていましたが…登録商標だったとは!セロテープはセロファンテープの商品名、と思っていましたが、「セロファン」が既に一般名詞ではなく商標だったんですね。

(無題) 削除/引用
No.1036-48 - 2009/08/18 (火) 18:53:10 - AP
>[Re:46] mom-aさんは書きました :

> 私は学生時代にセロファン透析チューブで濃縮していました。
> 同じものかどうかわかりませんが、↓の中にでてくる「セロファンチューブ」は『酵素タンパク質の精製、濃縮、脱塩が手軽にできるViskase社製透析膜です。』

わたしも最近知って、なんだそうだったのかと思ったのですが、
セロファンは子供のころからセロテープやセロファン紙でおなじみですね。
一方、透析膜やろ過膜の材質として「再生セルロース regenerated cellulose」というのがよく出てきます。
実は、両者ものとしては同じといってよく、セロファンは再生セルロース膜(セルロースを溶剤などで溶液化したのちに膜状に再固化したもの)の登録商標らしいです。

別トピで、ウェスタンブロットを二組重ねてやるときに、汚れ写りしないように間にセロファンをはさむというtipsがありました。バリヤーがセロファンと聞くと心細い印象ですが、透析膜としても使われる再生セルロース膜をはさんでいるんだと思えばなんのことないですね。

(((再生セルロースという名を知ったあとしばらく、私は古紙かなにかから再生(リサイクル)したセルロースだと思いこんでいました。。。。。)))

(無題) 削除/引用
No.1036-47 - 2009/08/18 (火) 15:47:06 - AP
(リンクが間違っていたので、一旦削除の上、修正・再投稿しています)
(なんどもすみません。copy & pasteのエラーで原文にあった文が一部、落ちていました。再々投稿)


>どんな分子でも大きさだけに依存して穴を通過してしまいます。でも、実際は、小さくても透析膜を浸透し易い分子とし難い分子が存在します。一方で分子量数万のタンパク質だって抜けていきます。

これはいったい何の話をしているのでしょうか。いま論議ここで論議しているのは、タンパク質の透析、限外ろ過の実際についてで、広い世の中にはそういう現象もあるよということではないのです。実際、こういう(塩やタンパク質の水溶液を扱う)実験で、「小さくても透析膜を浸透し難い分子」が存在しそれが問題になることがあるのでしょうか。「一方で分子量数万のタンパク質だって抜けて」いくことがあるのでしょうか。あるのなら、後学のために事例を教えていただきたい。

わたしも、ヤホーで調べてみたんですが、膜分離にかかわる重要なキーワードを見つけてしまいました。多孔質膜と非多孔質膜というのはご存じでしょうか。
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%86%9C%E5%88%86%E9%9B%A2

透析や限外ろ過に使われる半透膜は多孔質膜であって、文字通り孔があることのが属性で孔を通るか通らないかが分離の主要なメカニズムです。
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%8A%E9%80%8F%E8%86%9C

一方、非多孔質膜では、おっしゃっているような物質の膜への溶解性、親和力や斥力が分離の主因のようです。半透膜にもそういう側面があるかもしれませんが、少なくともタンパク質の透析では分離の主要因ではないし、そういうことが問題になる物質が実際扱われることがあるのか、というのは大いに疑問です。

透析膜=半透膜の話をしているところで、断りもなく別のモデルを持ってくるのはconfusingではないですか。たんに「孔がなくても通る物質はあるんだ」ということを披露したかったのであれば、透析と区切りをつけてもっと適切な書きようがあると思うんですが(意図的ではなく、本人の中でconfusiongがあった可能性もあるけれど)。

「孔」と呼んではいけないのでしょうか 削除/引用
No.1036-46 - 2009/08/18 (火) 15:24:26 - mom-a
>> ttp://chemeng.on.coocan.jp/memb/m_mb1.html
>透析膜の写真に、膜表面の穴は(アングル的に)写ってないですね。

長いですが、引用してしまいますと、『細孔径は限外濾過膜程度から逆浸透膜程度まで各種のものがある。血液透析に使う膜では径0.2mm、膜厚み10-20μmの中空糸膜で、膜の細孔径は数nm、分画分子量にして約2,000である。』とありますよね。
下記のサイトはダイアライザーの製造業者のようですが、『ポア(細孔)』という表現を用いています。
http://www.nikkiso.co.jp/rd/next/007.html

膜をパンチで打ち抜いたような穴があいているとは思っていませんし、現実にはむしろ「隙間」なのかもしれませんが、「孔」という概念が一般化しているように私には思えるのですが…。

ところで、上記2つはいずれも血液透析用のダイアライザーのようです。
私は学生時代にセロファン透析チューブで濃縮していました。
同じものかどうかわかりませんが、↓の中にでてくる「セロファンチューブ」は『酵素タンパク質の精製、濃縮、脱塩が手軽にできるViskase社製透析膜です。』とあるので、同じ様なものでしょう。ここには『Seamless Cellulose Tubing は、平均ポアサイズ25Å』とあります。

http://www.wako-chem.co.jp/siyaku/journal/anal/pdf/anal37.pdf

(無題) 削除/引用
No.1036-44 - 2009/08/18 (火) 12:36:27 - in situ
若干論点が分散しているようですので、自分の意見を交えつつ整理してみます。

1.透析膜・限外濾過膜の性状に関して

 透析膜・限外濾過膜という定義が各自ばらついている気がしますが、
 http://chemeng.on.coocan.jp/memb/m_mb1.html
 の定義を参考にするならば、分画分子量が大きめのものを限外ろ過膜、小さめの物を透析膜と言うようです。

 トンネル状の穴があるかどうかという議論ですが、これは観察できない以上、『わからない』と言うしかない気がします。
 
 一応水分子が通れるような分子間隙は確実に存在しますから、それをもって「トンネル状の穴」と表現しているぐーさんの意見も一理あります。
 ただ、その分子間隙が安定なものでなく、常に構造を変えているというのも正しいと思います。

 このあたりは解釈の違いのような気がします。

2.分画分子量と通りやすい分子、通りにくい分子に関して
 
 分子間隙から推定した分画分子量が目安としてあるわけですが、分画分子量より大きくても膜分子との親和性が高く、膜に溶解するような形で通過していくものもあり、逆に分画分子量より小さくても通りにくいものもあるというのが分離膜さんの意見ですね。
 確かに、これは陽イオン交換膜なんかを例にとればわかりやすいわけで、この膜は陰イオンはサイズに関係なく通しにくいわけです。
 だから、この意見も的を射ていると思います。

3.今回のPEGを利用した濃縮法に関して

 これは、『浸透圧を利用した濃縮法』という解釈で問題ないのでは?と思います。
 透析膜は、水分子は通すが、PEG分子は通しにくいという性質を持っており、内外のPEGの濃度差から水分子が外部に移動するということになります。
 確かに、浸透圧の観点だけから考えると、PEGの分子量が小さいものを使った方が重量当たりの効果は大きいことになりますが、ある程度大きめのものを使わないと、PEGが中に入って行ってしまうと。
 今回PEGによる濃縮法での透析膜の使い方としては、『タンパク質、PEGは通さないが、水分子は通す』という性質を使っているわけで、限外濾過はこの性質を用いて、濃度差ではなく遠心力や吸引によって水分子を吸い出しているわけで、月詠さんの意見も間違ってはいない気がします。
 原理が同じかというと、それは人それぞれこだわりがあるでしょうけれど。

(無題) 削除/引用
No.1036-42 - 2009/08/18 (火) 10:29:40 - おお
>[Re:35] 分離膜さんは書きました :

> 柔軟で、水で水和した線形のポリマー(一部結晶化しているのでかろうじて構造を保っている)を材料に、一体どのような魔法を使ったら、トンネル状に穴が開いた厚みを持った膜が作れますか?
> 穴が開いていたら、体積流に乗って、どんな分子でも大きさだけに依存して穴を通過してしまいます。でも、実際は、小さくても透析膜を浸透し易い分子とし難い分子が存在します。一方で分子量数万のタンパク質だって抜けていきます。
> それは、(The areas between cross-links)結晶化した堅い部分と堅い部分の間にある、水和したポリマー分子の絡み合った編み目の部分が、分子の熱運動によって、一瞬、隙間が開いて、その隙間を溶質が拡散していくことによって通過するからです。別に比喩で溶解という単語を使った訳ではなく、実際に、ポリマーと相溶するかどうかが溶質の浸透のし易さに関わっています。もちろん、分子サイズも溶解と拡散の重要なパラメタです。

これは、サイズが小さくても透析膜を透過
しにくいものや、サイズが大きくても透過しやすいものが
あるという点でざるのような感じで説明できないところを
補っているだけなのではとおもえます。

では透析膜に比較的大きなものを通すものやそうでないもの
種類があるのをどうやって説明するのでしょうか?

あと、参照されているものの出典など示していただければ、
我々としても勉強できるのでありがたいと思います。

(無題) 削除/引用
No.1036-41 - 2009/08/18 (火) 10:12:51 - Q
>容易に可視化できなくても、(場合によっては)似たようなより細かい穴が開いていると想像して良いと思うという意味で書きました。

二点から、少し気になることがあります。
1) 電顕像で見えている穴はサポート層のもので、最後の半透膜層が同じ製法・構造になっているのか、注意が必要です。
2) 単に大きいものの構造をそのまま小さいものにも当てはまると想像するのはいつまでたっても分子・原子、その熱運動・揺らぎ、という概念が出てこなくなります。透析膜の"ポア"サイズ(あるいはMWCO)は、rigidな構造論だけでは語れない、というのが対抗説の方のもとになっているように思います。

(無題) 削除/引用
No.1036-40 - 2009/08/18 (火) 08:50:11 - グー
>結局、pore sizeは物質的隙間の視覚的測定値でなく、MWCO(前のコメントに定義あり)という評価値なのです。

分かりました。MWCOによる推定値ということですね。ただし、「ポアのイメージとしては」と書いてありますように、容易に可視化できなくても、(場合によっては)似たようなより細かい穴が開いていると想像して良いと思うという意味で書きました。そして、50Åの推定値が得られた場合、既述のようなことが成り立つということでクリアだと思います。

(無題) 削除/引用
No.1036-39 - 2009/08/18 (火) 08:01:44 - Tb
> >ttp://park23.wakwak.com/~inageekimae/daiaraiza.htm
>
> ポアのイメージとしてはこれの拡大写真の部分でよいと思います。濃縮膜にもMWCO=100kとかがあり、実際に使ったことがあります。
>

えっと、サイトの作成者さんも「走査電子顕微鏡でも30〜90Åの血液側にあるポアの確認は不可能で、別の特殊な方法でポアを計っておりこのような数値が判明してるらしいです)」と言っているのですが・・・

結局、pore sizeは物質的隙間の視覚的測定値でなく、MWCO(前のコメントに定義あり)という評価値なのです。

(それだけの主張。相変わらずの、念のため)

(無題) 削除/引用
No.1036-38 - 2009/08/18 (火) 07:19:53 - グー
>[Re:35] 分離膜さんは書きました :
> それは、(The areas between cross-links)結晶化した堅い部分と堅い部分の間にある、水和したポリマー分子の絡み合った編み目の部分が、分子の熱運動によって、一瞬、隙間が開いて、その隙間を溶質が拡散していくことによって通過するからです。別に比喩で溶解という単語を使った訳ではなく、実際に、ポリマーと相溶するかどうかが溶質の浸透のし易さに関わっています。もちろん、分子サイズも溶解と拡散の重要なパラメタです。

まあ、ヒッカケでないとして、お答えします。膜の穴の大きさは直径50Å とし水の大きさを3Åとすると、膜の穴の大きさはたとえ、水がセルロースに水和していたとしても、十分大きいからです。水和層が、2重にあっても残った開口部は、、、50Å-3ÅX2X2=38Åです。すなわち、水分子が、10以上の隙間があるのです。すなわち、「分子の熱運動によって、一瞬、隙間が開いて、その隙間を溶質が拡散していくことによって通過する」のはありそうにないと考えられます。

>ttp://park23.wakwak.com/~inageekimae/daiaraiza.htm

ポアのイメージとしてはこれの拡大写真の部分でよいと思います。濃縮膜にもMWCO=100kとかがあり、実際に使ったことがあります。

TEMの分解能 削除/引用
No.1036-37 - 2009/08/18 (火) 00:02:37 - Tb
TEMの分解能は0.1-0.2 nmが限界ですので、ご紹介のサイトにも記述されていますが、最後の30〜90Åのボアは視覚化は不可能です。この人工透析膜は20k-60kDaのタンパクは通すとあるので、MWCOが6,000くらいのものだともっと目が細かいことになり、やはり「穴」は概念的なものになっていくと思います。
あと、我々が使う実験用の透析膜は非対象膜ではなく均質膜ですから(しかも肉厚)、イメージも写真のものとはちょっと異なるのではと思います。

(だからといってなにかこれ以上のことを主張しているわけではないです。念のため)

(無題) 削除/引用
No.1036-36 - 2009/08/17 (月) 23:29:08 - 通りがかり
> 透析膜の写真に、膜表面の穴は(アングル的に)写ってないですね。

じゃあこんなのはいかが?
ttp://park23.wakwak.com/~inageekimae/daiaraiza.htm

図書室に行こう 削除/引用
No.1036-35 - 2009/08/17 (月) 21:35:16 - 分離膜
>[Re:22] グーさんは書きました :
> 「The areas between cross-links, swollen with water, act like
> pores permitting sufficiently small solute molecules to pass
> through the membrane.」
> >というわけで、膜の片側から反対側までトンネル状に穴が開いているわけではないようです。
>
> クロスリンクの間隙のエリアがポアとして効率的に働くと翻訳できます。(トンネル状に)穴が開いているという表現で問題ないと思いますが。

これの何処をどう読んだら「(トンネル状に)穴が開いている」となりますか? 

>[Re:27] 通りがかりさんは書きました :
> とりあえず写真で見ればイメージが掴みやすいのでは?
> ttp://chemeng.on.coocan.jp/memb/m_mb1.html
透析膜の写真に、膜表面の穴は(アングル的に)写ってないですね。

柔軟で、水で水和した線形のポリマー(一部結晶化しているのでかろうじて構造を保っている)を材料に、一体どのような魔法を使ったら、トンネル状に穴が開いた厚みを持った膜が作れますか?
穴が開いていたら、体積流に乗って、どんな分子でも大きさだけに依存して穴を通過してしまいます。でも、実際は、小さくても透析膜を浸透し易い分子とし難い分子が存在します。一方で分子量数万のタンパク質だって抜けていきます。
それは、(The areas between cross-links)結晶化した堅い部分と堅い部分の間にある、水和したポリマー分子の絡み合った編み目の部分が、分子の熱運動によって、一瞬、隙間が開いて、その隙間を溶質が拡散していくことによって通過するからです。別に比喩で溶解という単語を使った訳ではなく、実際に、ポリマーと相溶するかどうかが溶質の浸透のし易さに関わっています。もちろん、分子サイズも溶解と拡散の重要なパラメタです。

今まで知らなかった透析法の原理スレになってしまいスミマセン。。 削除/引用
No.1036-34 - 2009/08/17 (月) 21:15:06 - 月詠
私のコメントがきっかけで論争を巻き起こしてしまい、スレッドの内容が「今まで知らなかった透析法の原理」になってしまい申し訳ありません。。。

極めて微細な多孔性膜をどうやって水などの小分子がすり抜けるのかについては、誰も実際に見たことはありませんので、いろんな仮説を提唱することが可能かと思います。ただ、それぞれの用語の定義が不確定だと、議論が噛み合わなかったり、すれ違ったりしますので、その確認は必要ですよね。


フェアでさわやかな議論の秘訣は何か、ということですが、要は、「人類の叡智の積み重ねとして、より真実に近づいていく」という目的のために議論をすることが肝要なのだと思います。
でも、その科学的新発見の名誉を強く欲するあまり、あるいは自身の考察・論証能力の誤りを認めたくないために自説に固執し、他説を感情的に批判・否定しようとするから論争がエスカレートするのだと思います。

でも本当は、議論の結果として、人類がより深い真実に到達するのだとしたら、その「より真実に近い仮説」を誰が提唱し立証したのかということは本来的には瑣末な問題であって、たとえ議論の過程で一時的に誤った仮設を提唱したのだとしても、その科学的命題を解き明かすために「あーでもない、こーでもない」と積極的に参加した人々には、等しく科学の進展に貢献した栄誉が与えられるべきなのだと思います。
 

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