それは、WBのときに2次抗体がIPに用いた抗体(ビーズに共有結合させていないと溶出のときサンプルに混入する)と反応しているためと思います。またprotein AまたはGも一部外れる可能性もありえるのでそういうものもはいっているかもしれません。
(本来IgGはH鎖50K L鎖25Kくらいですが、量が多いとそれ以外にも変なバンドがいっぱいでてスメアに見えます。)
IPに用いた抗体:ウサギIgG、WBの一次抗体:ウサギIgG、WBの標識2次抗体:抗ウサギIgG抗体。というふうに考えれば分かると思います。
抗体をprotein A またはG dynabeasに結合させたあとにDMPなどの架橋剤で共有結合させれば、溶出のときに試料に大量の抗体が混入するのを避けることができます。これは上記のような問題を解決するために非常に一般的に行われています。ただ100%結合させることはできないので、溶出のとき一部はずれるのでどうしても多少の抗体の混入はありますが、何もしないときよりは格段に少なくなります。ただ溶出のときbMEなどの還元剤入りのbufferを使うとL鎖が混入します(共有結合は主にH鎖のFc portionとprotein Aの間でできているからです。)ので、できればbMEなしのbufferで溶出してください。
2次抗体の代わりに標識protein A またはGを使うこともできます。これらは変性した状態のIgGとはあまり結合しないのでIPの抗体のバックグラウンドのシグナルはかなり減らせます。ただ感度が通常の2次抗体よりもやや低くなりますので、見たいもののシグナルが微弱のときは向かないかもしれません。
また、事情が許すならば両方を組み合わせればかなり改善されると思います。 |
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