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逆方向の共免疫沈降が成り立たない トピック削除
No.9964-TOPIC - 2021/10/08 (金) 16:12:26 - mute
蛋白B-Myc+FLAG-蛋白Aを発現させ、抗FLAG抗体で免疫沈降すると、蛋白B-Mycが検出され、蛋白B-Mycのみを抗FLAG抗体で免疫沈降しても、蛋白B-Mycは検出されないことを確認しています。

しかし、蛋白B-Myc+FLAG-蛋白Aを抗Myc抗体で免疫沈降しても、蛋白B-Mycは効率良く免疫沈降されますが、FLAG-蛋白Aは検出されません。

この様な場合、どの様な理由が考えられますでしょうか?

理屈上は、溶液中で蛋白Aと蛋白Bが結合した複合体において、FLAGには抗FLAG抗体がアクセスできるが、Mycは複合体の中に隠れてしまい、Myc抗体がアクセスできない場合、この様な結果になるのではないかと考えているのですが、正しいでしょうか?

もし正しいとすると、蛋白B-MycはC末端側にMycを付加しているのですが、MycをN末端側に付加し直すことにより、改善する可能性がありますでしょうか?
 
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(無題) 削除/引用
No.9964-15 - 2021/10/14 (木) 09:26:38 - K
おおさん

>構造が変わるですか、、、簡単な方法としてPartialにプロテアーゼで分解してWBで分解パターンをその蛋白に対する抗体で見ると(あるいはC末につけて新たにN末で解析しているなら、C末のTagを残したままN末にちがうタグをつけるとか)構造的な違いを見つけることができるでしょうから、タグの位置で比較して違いがなければ構造の変化は見られなかったと言えるでしょうね。

プロテアーゼで確認する方法があるんですね。大変勉強になります。
おおさんのおっしゃりますように、ドメインだけ発現する方法もあります。
私もドメインだけ発現する実験を行たことはあるのですが、全長のタンパク質とは違うのでは?などと言われることもあります。でも、結果が正しいなら論文として発表し、他の人たちが別の角度で実験を行っても確からしいことを証明できれば良いかと思います。
レビュアーもいろいろな人がいますし、好意的でなければ細かい点を指摘することもあるでしょう。

muteさんの場合は投稿中なので、アクセプトしてもらうのが目的ですから、何かしらの方法で反対方向の結合を示して、レビューアが納得すればよいかと思います。

(無題) 削除/引用
No.9964-14 - 2021/10/14 (木) 01:19:15 - おお
>以前論文を投稿した時に、自分も結合すれば良いかと思ったのですが、レビュアーに、タグによる影響で立体構造が変わって、結合しただけではないかと言われてしまったことがあります。

それはすごいツッコミですね、、、
蛋白の種類、その蛋白を扱った経験などからくる独自のものかもしれませんので、大きなことは言えませんけど。

構造が変わるですか、、、簡単な方法としてPartialにプロテアーゼで分解してWBで分解パターンをその蛋白に対する抗体で見ると(あるいはC末につけて新たにN末で解析しているなら、C末のTagを残したままN末にちがうタグをつけるとか)構造的な違いを見つけることができるでしょうから、タグの位置で比較して違いがなければ構造の変化は見られなかったと言えるでしょうね。

(無題) 削除/引用
No.9964-13 - 2021/10/13 (水) 11:04:48 - K
>おおさん

以前論文を投稿した時に、自分も結合すれば良いかと思ったのですが、レビュアーに、タグによる影響で立体構造が変わって、結合しただけではないかと言われてしまったことがあります。その時は、タンパク質の機能まで見てました。また、好意的ではないレビューだった印象がありますので、そうでない場合は、指摘されないかもしれません。レビューアーコメントを受けて内因性タンパクで結合を示したことがあります。

論文全体の構成がわからないので、レビュアーがタグによる影響をつっこむかわかりませんが、おおさんのおっしゃるように、結合を見るだけなら、今回はうまくいったデータを示してレビューアの反応を見ればよいかと思います。投稿中なので、アクセプトされれば結果オーライだと思います。


IPなどでウェスタンの検出しにくい場合は、シグナルエンハンサーが売られています。ToyooのCan Get Signalと専用のブロッキング剤を使えば、検出できなかったバンドが、検出されることもあります。他社でもシグナルエンハンサーが売られているので、知り合いに評判を聞いてみるのでも良いでしょう。

(無題) 削除/引用
No.9964-12 - 2021/10/12 (火) 23:42:07 - おお
>タグをC末端からN末端に変えるのなら、N末端に変えたときに、タンパク質Bの機能に影響しないことが大前提でしょう。

すんません。個人的見解なんですが、結合を見ることを前提とするなら活性がなくても構わないと思ってます。活性がない状態での結合をみる実験は色々ありますので。ドメインDissectionとか特にそうです。

(無題) 削除/引用
No.9964-11 - 2021/10/12 (火) 16:55:37 - K

>仮説1が原因であるならば、免疫沈降のスケールあるいは抗体量を増やしたり、タグを3xFLAGや3xMycにすることにより、相互作用が検出できる可能性がありますでしょうか。

話の流れより、論文投稿中ということで、レビューアを納得させれば良いので、スケールアップで逆方向のIPを示せればよいかと思います。

もし、強制発現系でスケールアップでも検出できない場合、抗A抗体と抗B抗体でIPできるものを入手できるならば、スケールを大きくして、両方の抗体を用いて内因性で示せればよいかと思います。レビューアによっては、強制発現だけではなく、内因性で示した方が良いというコメントをつける人もいるかもしれませんが、今回のコメントについてなければ、うまくいく方法で示せばよいかと思います。

Aは膜蛋白で、Bは細胞質蛋白ということなので、膜でAとBが結合していると考えてるなら、膜画分を調製して、IPしてみるのも一つの方法としてあるかもしれません(細胞質が除かれるため細胞質中のAと結合していないBが除かれるので抗体で採ってきやすくなる可能性もあります)。

タグをC末端からN末端に変えるのなら、N末端に変えたときに、タンパク質Bの機能に影響しないことが大前提でしょう。Mycは、GFPほど大きくはありませんが、N末端側がタンパク質Aとの結合に重要で、結合に邪魔するのならだめでしょうし、また、N末端に変えて、内因性Bと局在がかなり変わるかもしれません。過去に報告されている論文で、C末端とN末端のどちらにタグをつけた方が良いか示した論文を探してみてもよいでしょう。せっかくN末端に変えてうまくいっても、過去の論文でN末端だとミスロカライゼーションすることが示されていると、その論文があるので、レビュアーにやり直し(あるいはリジェクト)を求められるかもしれません。

ただ、上の方でも申し上げたように、論文投稿中なので、レビューアが納得する方法で、うまくいけばよいかと思います。

(無題) 削除/引用
No.9964-10 - 2021/10/12 (火) 14:40:02 - mute
み様、おお様

ありがとうございます。

蛋白の機能、結合ドメイン、発現調節、既報との整合性など、状況証拠はかなり揃っており、AとBの結合に関しては相当に確からしいと思っていたので、逆方向でIP出来ないのに驚いた次第です。

suggest頂いたご意見を基に、色々試してみようと思います。

(無題) 削除/引用
No.9964-9 - 2021/10/12 (火) 01:58:27 - おお
> 本実験は、レビュアーにかなり強く求められているので、共免疫沈降の逆は成立するのが一般的かと思っていたのですが、おお様のご指摘の通り、必ずしも逆が成立する必要は無いのでしょうか。

レビューアーの意図にもよりますが、結果がどうあれやれば済むこともあります。それでIPできないのであれば、そういう過去の事例を提示して(多分あると思うので)、そういう事例とともにDiscussionに加えるといいと思います。また指摘があるように他のデーターを考慮した全体のバランスの中でどこまで追求すべきか変わってきます。

私の意見だけではあれなので、他の人の意見が付けばよりよいですが、


ただし、色々やってみるというのは別に悪いことでもないでしょうし、Tagの位置を変えたり、スペーサーをかましてみたりDomain dissection をやってみたりとやれることはあると思います。でConstructを組む間に、クロスリンクーIPをやってみてはどうでしょうか。細胞やLysateにグルタルアルデヒドやフォルムアルデヒドで処理して(濃度は0.01%以下)、Tris-glycineなどで中和して、0.5% 以上のSDSなどで変性してTriton X-100 1%を含むバッファーでSDSが0.1%になるように希釈するか透析をして、蛋白B-MycをAnti-myc tagでIPする。クロスリンクしたものが分子量が両者の分子量の合計近くのところにFLAGで検出される可能性があります。コバレントな結合をクロスリンクで成立させているので、一度変性させて抗原部位を露出させても結合が取れることはまずありません。一部ポイルで外れるという話もありますが私は懐疑的ですがもしそうだとしても、サンプルバッファー中で50度ぐらいで処理したらいいわけですし。

(無題) 削除/引用
No.9964-8 - 2021/10/11 (月) 23:02:57 - み

> 本実験は、レビュアーにかなり強く求められているので、共免疫沈降の逆は成立するのが一般的かと思っていたのですが、おお様のご指摘の通り、必ずしも逆が成立する必要は無いのでしょうか。もし、ディスカッションで逃げることが出来るのであればありがたいのですが。


内在性蛋白の供局在情報や機能的なデータが充実していれば逆方向の免疫沈降が甘くても論理的に説明すれば逃げられるかもしれないけど、強制発現で落とせないのは余程怪しい関係性かタグの位置がクリティカルなのか。
内在蛋白なら抗体の質や発現量などによって検出限界以下になることは良くある。
膜直下で相互作用しているBの割合が低いのかな。

(無題) 削除/引用
No.9964-7 - 2021/10/11 (月) 12:01:06 - mute
皆様ありがとうございます。
まとめますと、
1. 各タンパクの複合体への寄与率が大幅に異なる
2. タンパクの立体障害によるタグへの抗体へのアクセスの障害
の二つの可能性が考えられるということでしょうか。

1に関しましては、み様ご指摘の通り、Aは膜蛋白で、Bは細胞質蛋白です。しかし、過剰発現系においては、AとBの蛋白発現量は大幅に異なる印象はなく、複合体に、Aの大部分が取り込まれるが、Bは僅かしか取り込まれないというのはやや違和感を感じます。もし、仮説1が原因であるならば、免疫沈降のスケールあるいは抗体量を増やしたり、タグを3xFLAGや3xMycにすることにより、相互作用が検出できる可能性がありますでしょうか。

2に関しましては、タグの位置を変更してみようと思います。

本実験は、レビュアーにかなり強く求められているので、共免疫沈降の逆は成立するのが一般的かと思っていたのですが、おお様のご指摘の通り、必ずしも逆が成立する必要は無いのでしょうか。もし、ディスカッションで逃げることが出来るのであればありがたいのですが。

(無題) 削除/引用
No.9964-6 - 2021/10/09 (土) 03:18:36 - vbんm、
そういうことはよくあります。
蛋白質B全分子の大部分は蛋白質Aと複合体を形成しているが、蛋白質A全分子のごく一部だけが蛋白質Bと複合体を形成している(つまり大部分の蛋白質Aは複合体を作らずに存在している。)ということだと思います。例えば仮に1:1で安定な複合体を形成するとして蛋白質Aの存在量>>蛋白質Bの存在量だったら、蛋白質Bの大半は複合体形成からあぶれるわけで、さらに抗体量が限られている中ではIPでキャプチャーできるのはたいていの場合、試料中の対象物の一部分ですから、結果的にフリーのAばかりが取れてきてA-Bは逃してしまうということになると思います。
つまりAとBの発現量比が結構影響してくると思います。

他にもAB複合体を形成した時に立体障害みたいな感じでtag部分への抗体のアクセスがうまくいかないとかがあるのかもしれません。

(無題) 削除/引用
No.9964-5 - 2021/10/09 (土) 02:51:37 - おお
>この様な結果になるのではないかと考えているのですが、正しいでしょうか?

まあ可能性としてあるということだけど、正しいと判断するには証明するしかないでしょう。逆にそのような結果の上でその考察はかけると思います。なので別にB蛋白のIPを絶対に示さないということでもないです。

もしB蛋白IPをしたいなら、手っ取り早いのはある程度の大きさのリコンビナントから作られた抗体を使ってIPすれば可能性は高い。IPやプルダウンにこだわるならクロスリンクして、一度蛋白の構造が解けるような条件にさらしてからIPというてもある。そんなことしなくっても、コンプレックスをうまく分画できればそれでもいい。ネイティブで電気泳動するとかクロマトをかけるとか。

(無題) 削除/引用
No.9964-4 - 2021/10/08 (金) 18:57:56 - み
結合相手が1対1対応でない可能性もある。
蛋白Aの相手は必ずBであるが、蛋白Bの相手はA以外にもたくさんある場合。

細胞染色で共局在する比率がどれくらいあるか検討した方が良い。
Aが細胞膜のみに限局していて、Bは細胞のどこでも存在するようなものなら起こり得る。

(無題) 削除/引用
No.9964-3 - 2021/10/08 (金) 18:35:17 - K
muteさん

このケースに当てはまるかどうかわかりませんが、蛋白B-MycとFLAG-蛋白A発現量は同じぐらいかどうかというのが気になります。

トランスフェクションしてない細胞で、HSP70の様に、細胞内でのタンパク質量が多いタンパク質のIPではこのようなことがおこるという論文を見たことがあります。

タンパク質AとHSP70が結合する場合、抗A抗体でIPするとAとHSP70の結合は見られます。しかし、抗HSP70抗体でIPするとHSP70とタンパク質Aの結合が見れない、あるいは検出しずらくなるといったことが起こります。
理由ですが、HSP70は細胞の中にたくさんあるため、IPでHSP70をとってきても、そのなかに含まれているタンパク質A(HSP70よりも発現量がかなり少ない場合)は、極わずかになります。
反対に、抗タンパク質A抗体でIPすると、HSP70はたくさん細胞の中にあるので、タンパク質Aと結合しているHSP70のウェスタンでのバンドが濃くなります。

(無題) 削除/引用
No.9964-2 - 2021/10/08 (金) 18:12:50 - G25
>改善する可能性がありますでしょうか?
可能性があるかないかと聞かれれば、ないとは言えないでしょう。
やってみなければわからんってやつでしょう。

複合体にはαMycがアクセスできないのか、逆に
タンパク質AとαMycが競合したとき、タンパク質BにαMycがつくとタンパク質Aが負けてしまうのか、まあ、あってもおかしくない。

逆方向の共免疫沈降が成り立たない 削除/引用
No.9964-1 - 2021/10/08 (金) 16:12:26 - mute
蛋白B-Myc+FLAG-蛋白Aを発現させ、抗FLAG抗体で免疫沈降すると、蛋白B-Mycが検出され、蛋白B-Mycのみを抗FLAG抗体で免疫沈降しても、蛋白B-Mycは検出されないことを確認しています。

しかし、蛋白B-Myc+FLAG-蛋白Aを抗Myc抗体で免疫沈降しても、蛋白B-Mycは効率良く免疫沈降されますが、FLAG-蛋白Aは検出されません。

この様な場合、どの様な理由が考えられますでしょうか?

理屈上は、溶液中で蛋白Aと蛋白Bが結合した複合体において、FLAGには抗FLAG抗体がアクセスできるが、Mycは複合体の中に隠れてしまい、Myc抗体がアクセスできない場合、この様な結果になるのではないかと考えているのですが、正しいでしょうか?

もし正しいとすると、蛋白B-MycはC末端側にMycを付加しているのですが、MycをN末端側に付加し直すことにより、改善する可能性がありますでしょうか?

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