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タンパク質の発現精製における核酸のコンタミ トピック削除
No.9866-TOPIC - 2021/08/19 (木) 19:33:22 - omusubi
タンパク質の発現精製で得られたタンパク質に核酸がコンタミして困っています。
大腸菌(BL21)にプラスミドを導入しHisタグ付きの組み換えタンパク質の発現精製を行っています。
ラージカルチャーで菌体を培養し、IPTGでインダクションをかけ集菌を行い超音波破砕を実施し破砕液の上清を取得し、Ni-NTAカラムに担持させ精製を行いました。精製はImidazole 10 mM、100 mM、250 mMの順でグラジエントをかけ100 mM画分において目的のタンパク質のバンドを確認したためそちらのフラクションを取得し濃縮を行い目的ののタンパク質を高収量で取得することができました。しかしNano drop を用いて得られたタンパク質の濃度を測定したところ核酸のコンタミが発生しているとの表示がでました。

この原因として考えられる要因と解決方法を御教授いただければ幸いです。

ちなみにこのタンパク質は in vitroのpulldown実験に用いる予定なのでそちらの実験に影響を与えない方法でお願いします。
 
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(無題) 削除/引用
No.9866-13 - 2021/08/24 (火) 08:05:33 - おお
>質問なのですがタンパク質の担持後1.5 M程度のNaClの洗いでDNAとタンパク質の相互作用にどんな影響を与えるのでしょうか。またそれによってタンパク質の機能に影響が出ることは考えられますか?

返事がつかないようなので、、、

塩濃度を上げるとチャージを持つ残基がチャージを失って行きます。蛋白同士、蛋白とそれに結合する分子の相互作用の一つのメジャーな様式はチャージによるイオン結合です。核酸のリン酸基のネガティブチャージはおそらく蛋白のポジティブチャージをもつアミノ酸と相互作用しているでしょうから、これを高い塩濃度で外すことで蛋白ー核酸の親和性を下げて核酸を遊離することができる事があります。ただ 物によっては高い塩濃度でも相互作用している蛋白ー核酸のコンプレックスもあるようで、スペシフィックな結合を見るために、ノンスペの核酸を1M近くの塩濃度で洗うという方法も確かあったような気がします。この場合塩基のπ結合や疎水結合がメインになっているのかもしれません。疎水結合は塩濃度を上げると強くなります。


蛋白への影響に関しては、蛋白によるだろうから一概に言えませんけど、イオン交換のカラムとかで塩濃度を上げて溶出するのが常套手段だと思いますが、結構高い塩濃度で溶出してきたタンパク質の生理活性を見ることもあるかと思います。無責任な言い方をすると、蛋白がその塩濃度で変性するなら疎水部位が露出したりして、あぐったり、カラムと結合したりして溶出できなくなる可能性が高いでしょう。逆にちゃんと溶出できるならあまり影響がなかったという見方もできうるということです。


こういうのは書き出すときりがないですし、うまくカバーできず中途半端で誤解が出ることもありますので、生化学の本とか学習済みなら復習、勉強していないなら図書館で自分のしっくり来るやつを見つけて読むなどして見てください。

(無題) 削除/引用
No.9866-12 - 2021/08/22 (日) 19:34:10 - SYBER master
以前読んだ論文で、DNAと吸着しやすいpolymeraseの精製の論文がありました
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0082624

上記の論文以外に、検出対象以外の生物でTaqを発現させると言う方法もあって、
https://journals.asm.org/doi/full/10.1128/JCM.00584-11
どちらの方法が良いかは解りませんが、お役に立てれば。

精製ポリメラーゼはDNAが吸着し易く、例えばTaqとかにDNAが混入するのは昔からよく知られていることでして、微生物の16S rRNA検出では問題になっていました。DNase処理とかもやられているんですが、ほぼ除けていないのも、良くその分野では、知られていることです。

それぞれの酵素はすでに日本国内で販売されています、余り知られていませんが。

(無題) 削除/引用
No.9866-11 - 2021/08/20 (金) 15:38:15 - omusubi
あかねさん
コメントありがとうございます。
DNaseの方法は非常に有効だと思いました。PEI沈殿に関しても当研究室においても十分実施可能だと思います。

質問なのですがタンパク質の担持後1.5 M程度のNaClの洗いでDNAとタンパク質の相互作用にどんな影響を与えるのでしょうか。またそれによってタンパク質の機能に影響が出ることは考えられますか?

(無題) 削除/引用
No.9866-10 - 2021/08/20 (金) 15:32:04 - omusubi
WInter-8
コメントありがとうございます。
扱ってるタンパク質は酸性タンパク質なのでイオン交換だと難しいと思います。
ただ手技によってはできる可能性もあるので参考にさせていただきたいと思います。
ありがとうございました!

(無題) 削除/引用
No.9866-9 - 2021/08/20 (金) 09:39:16 - G25
nanodropでは物質を区別せずトータルの吸光をみているだけなので、即断は駅ないと思います。
タンパク質ならBCA法など、核酸なら蛍光色素をかませる方法(picogreenなどの専用しやく、あるいはEtBr, DAPI, ヘキストなど)で、標的物質選択的な定量法をしたほうがいいと思います。

紫外線吸光度で正確に測れるのはサンプルが混じり物のない純物質のときだけです。精製の中間段階でフラクションをモニターするくらいならいいでしょうけど、ダウンストリームの実験に使用する最終産物ともなればなおさら、もっと確実性の高い方法で濃度を決めておいたほうがいいように思います。

(無題) 削除/引用
No.9866-8 - 2021/08/20 (金) 03:33:55 - おお
フェニルアラニンは吸収ピークが260あたりで280にはあまり吸収がないようですね。なのでチロシンやトリプトファンに比べてフェニルアラニンが多いと260/280は1を超えたりするみたいですね。物によっては2ぐらいになるものがあるとか。

あとはコファクターがあれば吸収スペクトラムも変わってきます。

https://www.researchgate.net/post/Why-do-I-get-A260-280-absorbance-value-105-of-protein-solution
For example, E.coli Initiation factor 3 does not contain any tryptophane but has several phenylalanines and its extinction coefficient at 260 is almost as twice as large as at 280 nm.

https://www.researchgate.net/figure/Normalised-UV-Vis-absorption-of-the-fluorescent-amino-acids-Phenylalanine-Tryptophan_fig21_326901217

アミノ酸配列からUV吸収スペクトラムを作るようなツールはないのかな。280の吸収を見積もるやつはあるみたいだけど。

(無題) 削除/引用
No.9866-7 - 2021/08/20 (金) 01:43:58 - U1
個人的には、Nanodropに表示された結果だけから核酸のコンタミが
起きていると断言するのは早合点かと思います。

一般的なプロトコールのHisタグ精製(高塩wash→
低イミダゾールwash→高イミダゾール溶出)を行ったならば、
核酸結合性のタンパク質でない限りは、ほとんどの核酸が除去されるはずです。
もちろん、核酸が長いとカラムに引っかかる可能性が増えますので、
超音波による剪断やヌクレアーゼ処理によってオリゴヌクレオチド程度に分解することが効果を発揮する…と理解しております。

ただ、ヌクレアーゼの類、結構割高ではないでしょうか?
ラージスケールの精製(5 L culture等)だと、結構な量のヌクレアーゼが必要になるので、
私はコスパは悪いのかな…と思って敬遠しております。


話が逸れてしまいましたが、とりあえずは
核酸が残留していることをアガ電+EtBr染色等で確認してみることをオススメします。

目的タンパク質が核酸結合性のタンパク質ではない場合は、
精製段階で、超音波破砕の時間を延ばす+カラムwashを念入りに行うだけで
多少の改善が見られるかもしれません。
イオン交換クロマトができる環境ならば、タンパクの精製度を
さらに高めるために取り入れるのがいいと思います。


それでダメだったら、私はヌクレアーゼの使用を検討します。
PEIやストレプトマイシンによる核酸沈殿もありますが、目的タンパク質が
核酸結合性の場合、一緒に沈殿してしまう可能性があると考えます。

酵素活性が重要でなかったり、多少構造が崩れても下流の実験に問題がない場合は
グアニジン変性環境での精製や、精製物の硫安沈殿濃縮も手だと思います。

(無題) 削除/引用
No.9866-6 - 2021/08/20 (金) 00:50:52 - おお

https://handling-solutions.eppendorf.com/sample-handling/photometry/applications/detailview-applications/news/uv-vis-spectrophotometry-easy-and-quick-quantification-of-nucleic-acids/

蛋白も260nmに吸収があるもんですけどね、280の吸収の半分ぐらいは。それとも、280の吸収より260のほうが遥かに高いんでしょうか。

UV領域に強い吸収をもつデタージェントやその他のものをバッファーに使ってませんか?

まあ除くのはカラムにかけたときの洗い通常の洗いでいいから(できればある程度の塩濃度で、300mMとか)カラムボリュームの10倍ほどであらうとか、

濃縮のステップでも可能と思いますけど、どのようにしているのでしょうか?限外ろ過なら、DNase とRNaseで濃縮物を処理して5倍ぐらいに希釈して再度濃縮とか(これで単純に5分の1にへる)。

陽イオン交換につくなら核酸は陽イオンは持たずつかないので、洗いさえすれば抜けるし。

今あるサンプルに、DNase、RNaseを加えて処理して、もう一度Niカラムを使ってもかなり抜けると思う。もしその蛋白が核酸とアフィニティーがあるものであればDNase、RNase処理をしっかりやらないときれいにならないかもしれない。

(無題) 削除/引用
No.9866-5 - 2021/08/19 (木) 23:39:56 - ii
今すでにそれなりの量の (核酸でコンタミしている) タンパク質精製品があるのなら、何とか1 mg/mlくらいまで濃縮したあとに、硫安沈殿でタンパク質だけ落とせないだろうか。

(無題) 削除/引用
No.9866-4 - 2021/08/19 (木) 22:17:11 - あかね
あるいは、破砕液にPEIを加えて核酸画分を沈殿除去(遠心)し、IMAC精製。
PEI沈殿は検索してください、

(無題) 削除/引用
No.9866-3 - 2021/08/19 (木) 22:08:25 - あかね
私なら破砕液にDNase (DNaseIかTurboNucleaseなどのDNase, Mgは加える必要はないです。大腸菌由来のMgで十分切れます)とRNaseAを加えて、37℃で5min処理します。
処理前後の破砕液をアガロース電気泳動で確認すれば(精製する必要なし)、核酸が分解されているか確認できます。

目的タンパク質が積極的に核酸と結合しているようなら、Niカラムに結合させた後に、1~1.5M NaClでwashする。

(無題) 削除/引用
No.9866-2 - 2021/08/19 (木) 21:40:50 - WInter-8
陰イオン交換クロマトグラフィをお勧めします。
核酸は強く吸着するはず。塩基性タンパク質であれば素通りを回収するだけで除去できますし、丁寧に溶出すれば酸性タンパク質でも核酸と分離できます。

タンパク質の発現精製における核酸のコンタミ 削除/引用
No.9866-1 - 2021/08/19 (木) 19:33:22 - omusubi
タンパク質の発現精製で得られたタンパク質に核酸がコンタミして困っています。
大腸菌(BL21)にプラスミドを導入しHisタグ付きの組み換えタンパク質の発現精製を行っています。
ラージカルチャーで菌体を培養し、IPTGでインダクションをかけ集菌を行い超音波破砕を実施し破砕液の上清を取得し、Ni-NTAカラムに担持させ精製を行いました。精製はImidazole 10 mM、100 mM、250 mMの順でグラジエントをかけ100 mM画分において目的のタンパク質のバンドを確認したためそちらのフラクションを取得し濃縮を行い目的ののタンパク質を高収量で取得することができました。しかしNano drop を用いて得られたタンパク質の濃度を測定したところ核酸のコンタミが発生しているとの表示がでました。

この原因として考えられる要因と解決方法を御教授いただければ幸いです。

ちなみにこのタンパク質は in vitroのpulldown実験に用いる予定なのでそちらの実験に影響を与えない方法でお願いします。

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