Bio Technical フォーラム

  • バイオ関連の実験をする上での、試薬、機器、プロトコールなどの情報交換の場です。
  • 新しいテーマで話を始める場合、質問をする場合は「新しいトピックを作る」から書き込みをしてください。
  • 質問に対して解答できる方は是非、書き込んで下さい。
  • このフォーラムにふさわしくないと管理人が判断した投稿は予告なく削除します。

新しいトピックを作る | トピック一覧 | 研究留学ネットに戻る

ひとつ前のフォーラム(readのみ)

このスレッドをはてなブックマークに追加このスレッドをはてなブックマークに追加

凍結組織の細胞質分画・核分画を抽出したい。 トピック削除
No.9853-TOPIC - 2021/08/12 (木) 16:03:41 - Shinya
凍結組織のBiobankが当学部にあるので、腫瘍の細胞質分画と核分画に分けて様々な実験を行いたいと考えています。

凍結されているということは、核膜や細胞質の膜に傷がついていることが強く予想されるのですが、既存の浸透圧の差を利用した@Tritonで細胞膜を破壊して、細胞質だけを回収、A遠心で核を落として回収、という手法をそのまま適応することは可能でしょうか?

Biobankは非常に貴重なリソースなので、安易に予備実験等ができず、事前に戦略を練っておきたいと考えています。
 
- このトピックにメッセージを投稿する -



9件 ( 1 〜 9 )  前 | 次  1/ 1. /1


(無題) 削除/引用
No.9853-9 - 2021/08/14 (土) 01:03:05 - vbんkl
ラボの方法でうまくいかないので、他のラボの友達関係から集めた情報をもとに素人なりに自己流でやってましたがその時のこと書きます。bufferの塩濃度は注意した方がいいと思います。私らは等張bufferを使ってます。塩濃度が不自然に高いと静電的な相互作用でDNA, RNAにくってるタンパク質が解離してきて分子量が比較的小さいタンパク質は核膜孔から漏れて出てきます。また低すぎてもそういうことを以前経験しました。後者については核の研究室の友達に聞いたら理由をなんか説明してもらったけどすみません今覚えてないです。
非イオン性界面活性剤(TX100 またはNP40を0.5%くらいまでで使用、10~15分間氷上に置いて時々穏やかに攪拌。それ以上の濃度ではどうなるか知らない)で細胞膜や核のエンベロープなどは溶けます。
小胞体膜につながる核エンベロープは脂質が主体なのに対して、内側の膜はほぼタンパク質主体ゆえ非イオン性界面活性剤はあまり働くところがないので、内膜は壊れずに残り、核の内部構造が一応維持されやすいのです。核内タンパク質の多くはクロマチン を構成していたり、核マトリクスに強固に結合していたり、いろいろ名前のついた難溶性の巨大な複合体を形成していたりして、塩濃度1M前後まで上げたりイオン性界面活性剤とか使ったり and 超音波とかかなり激しいことをしないと容易にはなかなか可溶化できません。なので遠心するとエンベロープの剥がれた核悪とともに沈殿します。

(無題) 削除/引用
No.9853-8 - 2021/08/13 (金) 18:02:46 - おお
>非イオン性界面活性剤は核膜の外膜側(小胞体膜とか微小管とか)だけ溶かします。

異議あり。
1% TRITON X100で細胞のLysateを作り核の中に局在している蛋白を解析しているものを結構見てきた。

(無題) 削除/引用
No.9853-7 - 2021/08/13 (金) 14:52:09 - Shinya
>[Re:5] おおさんは書きました :
> パーコールをつかう方法がありましたので貼っときます。
> https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/000326979090180H

アイデアとし興味深いですね。
腫瘍は多様で、免疫細胞や正常細胞と混在していることを考え始めたら、核だけを抽出してきたつもりが、バイアスのかかった細胞集団の核だったとなると、少し怖さもあります。

Homogenizeして、上澄みをFACSにかけて、分離して、少数精鋭で解析ということも可能なんですかね?ちなみに腫瘍細胞はある表面抗原を過剰に発現していることが知られていますので、@Homogenize、AFACS、B細胞質と核の分離とうまくいけばいいのですが、、、、


> 凍結臓器、新鮮な臓器によらず、非イオン性界面活性剤は核膜の外膜側(小胞体膜とか微小管とか)だけ溶かします。なので核の純度は上がります。

今回の実験に関しては、核膜の成分がどちらに分けられようとあまり関係がないのですが、細胞質の実質と核の中身が90%以上の精度で分けられれば、勝ちと考えています。核膜が凍結でダメージを受けていたら、その時点で分離不可能ですよね。凍結をどうやって解凍するかも重要な気がしてきました。。。37℃に温浴ですかね。。。

(無題) 削除/引用
No.9853-6 - 2021/08/13 (金) 13:04:35 - vbんkl
実験動物の臓器もらうとかいなければ購入して解剖して、臓器を凍結して試しに予備実験してみればどうかと。

凍結臓器、新鮮な臓器によらず、非イオン性界面活性剤は核膜の外膜側(小胞体膜とか微小管とか)だけ溶かします。なので核の純度は上がります。

(無題) 削除/引用
No.9853-5 - 2021/08/13 (金) 02:30:41 - おお
パーコールをつかう方法がありましたので貼っときます。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/000326979090180H

>Homogenizeも細胞にダメージをあたえそうで気持ち悪いですが、組織塊を使うなら、必ず行わないといけないステップですよね。。。

まあ細胞は結局壊すので、、、それでもあまり核がバカっと半分に割れることはないと思います。筋肉組織からミトコンドリアを取るときはすりガラスのHomogenizerでゴリゴリしないと出てこないとかありますし。

>癌細胞分画を取り分けたうえで、細胞質分画、核分画を取り分けるようなことも可能でしょうか?

そういうキットは見たことがありますが、凍結した組織でどの程度有効化私は知りません。凍結で死んだりした場合細胞の表面電化もや細胞外に接する膜の脂質構成も変わるだろうし、回収のメカニズムに影響されるでしょうけど(たぶん密度で分けてると思うんだけど)、詳しく調べたこともないので。

(無題) 削除/引用
No.9853-4 - 2021/08/12 (木) 18:38:15 - Shinya
実は凍結でも細胞質分画の抽出が可能とうたい文句のあるkitが存在することは確認しているのですが、論文引用ほぼ0ですね。マイナーな会社から出ています。
有名な会社のものは、凍結はnot recommendです。

Homogenizeも細胞にダメージをあたえそうで気持ち悪いですが、組織塊を使うなら、必ず行わないといけないステップですよね。。。

結合織のことは考えていませんでした。凍結組織はどうしてもいろいろな細胞集団を含んでいますよね。

調べていると、凍結組織を1細胞に分離して、余計な細胞を除害してから、解析することも可能のようですが、さらにその応用として、癌細胞分画を取り分けたうえで、細胞質分画、核分画を取り分けるようなことも可能でしょうか?

(無題) 削除/引用
No.9853-3 - 2021/08/12 (木) 18:11:58 - おお
Nonidet P-40は細胞膜は溶かすけど核膜は溶かさないと言われているようです。Nonidet P-40はNP-40とはちょっと違う界面活性剤で現在販売されてませんが、Altanativeとして非常に近いものが売られています。

凍結組織についてですが、それでも分画はされています。細胞膜が壊れたりという理屈はありますが、意外とちゃんと取れます。ただし新鮮なものと比べてどの程度とか、比較したことがないので言及できません。お示しのようなプロトコールもぐぐるとまあまあ見つかります。ただし繊維が豊富な組織では繊維状のものが溶けずに遠心で核を回収したときに一緒に落ちてきたりする可能性が高いです。そういう繊維質はホモゲナイズしたにも関わらず細胞を包み込んだりしている可能性があるので、そういう組織では結構邪魔かもしれません。そういうものはパーコールとかシュークロースの密度勾配で除く手があります。例えば脳では大量のミエリンなどが混入して取り除かなければ話になりません。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3233860/
https://cdn.10xgenomics.com/image/upload/v1574849709/customer-developed-protocols/frankenstein-protocol-for-nuclei-isolation-from-fresh-and-frozen-tissue.pdf

もしかしたらキットで組織から核がうまく取れるという商品があるかもしれません(謳い文句がどれくらい信用できるかはおいておいて)。

あ、組織は結合組織が発達しているのでHomogenizeも結構しっかりやらないと細胞内のものが出てきません。

(無題) 削除/引用
No.9853-2 - 2021/08/12 (木) 17:29:35 - み
ご自身で指摘されている通り凍結融解だけでも細胞膜(おそらく核膜も)傷つくでしょうね。
さらにtritonは核膜もある程度穴開けるでしょう。
低濃度NP40なんかで分画する方法あったと思うけど、核蛋白の種類によってはNP40でも抽出されちゃうだろうし、いずれにしても予備実験が必要だと思う。

凍結組織の細胞質分画・核分画を抽出したい。 削除/引用
No.9853-1 - 2021/08/12 (木) 16:03:41 - Shinya
凍結組織のBiobankが当学部にあるので、腫瘍の細胞質分画と核分画に分けて様々な実験を行いたいと考えています。

凍結されているということは、核膜や細胞質の膜に傷がついていることが強く予想されるのですが、既存の浸透圧の差を利用した@Tritonで細胞膜を破壊して、細胞質だけを回収、A遠心で核を落として回収、という手法をそのまま適応することは可能でしょうか?

Biobankは非常に貴重なリソースなので、安易に予備実験等ができず、事前に戦略を練っておきたいと考えています。

9件 ( 1 〜 9 )  前 | 次  1/ 1. /1


パスワードを入力してチェックした記事を チェックした記事を

このトピックにメッセージを投稿する
名前 
メール   アドレス非公開
   タイトル 
本文      
設定  クッキーを保存(次回の入力の手間を省けます)
上に上げない(トピックの一覧で一番上に移動させません)
解決(問題が解決した際にチェックしてください)
暗証  半角英数字8-12文字の暗証番号を入れると、あとで削除、修正ができます。
送信 

〔使い方〕
  • 「アドレス非公開」をチェックすれば、自分のメールアドレスを公開しないで他の方からメールを受け取れます。
  • 問題が解決した際には、解決ボタンをチェックして解決した旨のコメントをつけてください。これは、初めにトピックを作った人と管理人のみが可能です。
  • 半角カタカナ、機種依存文字(全角ローマ数字、○の中の数字等)は文字化けの原因となりますので使わないでください。