回収率が低い場合、精製の出発材料とした精製前の培養上清とflow through 画分の活性と溶出画分の活性を測定して、それぞれの画分について活性(U/ml) x 全容量(ml)で総活性を算出してみることで、欲しいものが実際にはどこに行ってしまったか(初めから活性が低いのか、担体に十分に結合できていないのか、逆に強く結合して通常の条件では出てこないのか)わかると思います。それによって対策が違ってきます。蛋白質としては溶出画分に大部分が得られているにも関わらず、活性が低い(比活性が低い)ということでしたら精製過程で失活しているということです。不可逆的な変化のであれば分解の抑制や器壁への吸着防止、安定化のための対策が必要になります。必要なものがなくて活性が低いならば金属や補欠分子族などを補充してみれば活性は回復すると思います。
精製の際は培養液を直接、クロマトにかけているのでしょうか。培地成分の中にはHis-tagとNi-NTAとの道後作用を妨害するものがあるということを昔聞きました。透析などして妨害成分を濁してからカラムにアプライしてみることで解決するかもしれません。 |
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