いつも参考にさせて頂いております。
ウェスタンブロットの蛋白抽出過程についてご意見を頂きたく、トピックを作成させて頂きました。
ヒト末梢血からCD4陽性T細胞をネガティブセレクションで分離し、CD3・CD28 beadsで72時間刺激培養した後、特定の膜蛋白を抽出してウェスタンブロットで検出する、という実験系の確立を試みております。
しかし、蛋白抽出Bufferおよび手順を変更したところ、T細胞どころかPBMCを用いてもβactinでさえバンドが検出できない状態になってしまいました。
βactinも含めて何もバンドが検出できなくなった時の具体的な蛋白の抽出手順は以下の通りです。
(1) PBMCをPBSで洗浄し、15mLチューブに回収する。1500rpm, 5min, 4℃で遠心分離し、上清を取り除く。
(2) 1.0×10^6cellのペレットにRIPA-Buffer 500μL+p8340 5.0μL+PMSF 1.7μLの混合試薬を100μL加え、マイクロチューブに移し、5min, on iceで静置する。
(3) 2×Laemmli Sample Buffer 285μLに対して2-ME 15μLを混合する。その混合液をサンプルと等量加える。
(4)ヒートブロックで95 ℃、5分間加熱処理し、すみやかに氷上で冷却する。
(5) 13,000rpm, 5min, 4℃で遠心分離し、目的の蛋白を含む上清を氷の中に立てた新しいチューブに移し、沈殿物は破棄する。
(6) 作製したライセート10μLを電気泳動に用いる。
以前βactinを検出できていた時の蛋白の抽出手順は以下の通りです。
(1) 刺激培養したCD4陽性T細胞を冷却したPBSで洗浄し、15mLチューブに回収する。1500rpm, 5min, 4℃で遠心分離し、
上清を取り除く(洗浄時にそれぞれのウェルの細胞数カウント施行)。
(2) 1.0×10^6cellのペレットにNP-40 5mL+p8340 50μL+PMSF 17μLの混合試薬から100μLを加えて30 分間低温室(4℃)で攪拌する。
(3) 12,000rpm, 20min, 4℃で遠心分離し、目的の蛋白を含む上清を氷の中に立てた新しいチューブに移し、沈殿物は破棄する。
(4) 2×Laemmli Sample Buffer 570μLに対して2-ME 30μLを混合する。その混合液をサンプルと等量加える。
(5)ヒートブロックで95 ℃、5分間煮沸して変性処理を行う。加熱処理を終えたサンプルはすみやかに氷上で冷却する。
(6) 作製したライセート10μLを電気泳動に用いる。
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企業から提供してもらったポジティブコントロールライセートでは綺麗にバンドが出たことから、電気泳動以降の過程には問題がないと認識しております。
また、何もバンドが検出できなかった時の蛋白抽出方法では、遠心分離後のペレットを流したらバンドが出たので、やはり蛋白抽出過程に問題があると考えております。
Laemmli Sample Bufferでの直接溶解ではさすがにバンドが検出できましたが、BCA法で蛋白定量を行いたいため、できれば蛋白抽出BufferはNP-40またはRIPAを使いたいと考えております。
アドバイス頂けましたら幸いです。 |
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