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GST融合タンパク質が可溶性画分に出ない トピック削除
No.9740-TOPIC - 2021/06/08 (火) 23:18:13 - NK
いつもお世話になっております。
題名の通りですが、可溶性タグであるGSTを付加したタンパク質(タグ込み60kDa程度)が遠心上清に来てくれません。Crudeでは、多量の発現を確認しております。目的としては、単一の状態での酵素活性の測定なので、出来ればnativeの状態で精製したいと考えております。
ホスト:BL21(DE3)
Buffer: 1xPBST
破砕:超音波、2min(Palse 15sec/ 30sec)
pIによる沈殿もクリアしているはずですが…。
界面活性剤の濃度検討や、Bufferの変更(20 mM Tris, 500 mM NaCl)も行ってみましたが、ほとんど可溶性に移行してくれませんでした。
封入体になっている可能性を考慮し、現在低温での発現を検討しています。

このような現状で、発現が確認できているモノの可溶性を上げる手段はありますでしょうか?よろしくお願いいたします。
 
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(無題) 削除/引用
No.9740-9 - 2021/06/09 (水) 16:16:08 - G25
間違いなく封入体化してるんでしょう。
GSTみたいな親水性のタグを付けていて発現させて、「不溶化しているけど封入体ではありませんでした」という状況は考えにくい。

経験上、培養条件、発現誘導条件などいじってスッキリ解決ということははないと思います。(だれか成功体験あれば聞かせてほしい)。
なんとか工夫して可溶化しても、タグがレジンにつかなかったり、タンパク質の活性がなかったり、なんかの拍子にアグリゲートしたり。

また融合タンパク質自体、宿主に有害な場合、宿主が死んでしまうものだが、発現できた場合は必ず封入体化している(可溶性だと死ぬ)。そういうのは可溶性発現が根本的に無理。

私の提案は、ちょっとクラシックだけども
tagをMPBにしてみる、periplasm発現にしてみる(e.g. NEB pMAL series)。
MBPは親水性が高いせいか、あるいは単に標的タンパク質との相性か、他のタグで封入体化した標的でも可溶性発現できた例があった。ペリプラズムに分泌されてしまえば、封入体はできないはず。

あとは無細胞系でin vitro発現するとか。

(無題) 削除/引用
No.9740-8 - 2021/06/09 (水) 09:24:31 - toto
経験では、inclusionになるものはどういう方法で抽出しても、グアニジン塩酸で溶かしてrefoldingする以外は使えくらいまで持っていけたことはないのですが(pColdIIで15度での発現が一番ましでしたが)、そういう蛋白でも、荷電を持つアミノ酸を6−9個並べるSep tagを入れると、ある程度可溶性に持ってこれることがあります。たとえばJ-stageにある「タンパク質の溶解性向上技術―SEP-tagについて―」というのが詳しいので、検索して下さい。Poly (電荷を持ったアミノ酸、R, K, D, Eのいずれか)を末端に繋ぐだけです。
これは分子間charge repulsionによる可溶化なので、完全にpH依存的で、また溶けていても、塩濃度を上げると沈殿します。従って抽出液の塩濃度は最小にします。至適pHは計算pIから予測できますが、まじめにpHを振って調べた方が良いです。

(無題) 削除/引用
No.9740-6 - 2021/06/09 (水) 01:34:45 - おお
https://pdfs.semanticscholar.org/4021/b68bbf7bdedd8fff1a4e832bd3a9c2ec210c.pdf
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27038270/

Inclusion bodiesをマイルドな条件で可溶化するのにサルコシルが使われることがあります。単独でも可溶化後薄めればGSTカラムにつくようですが、TritonやTweenを加えることでより回収量が上がるようです。

そのたマイルドなカオトロピック効果を持つものとしてLiClなど可能性の一つかもしれません。

(無題) 削除/引用
No.9740-5 - 2021/06/09 (水) 01:19:35 - おお
かんたんに今までみた工夫を書いておきます。

低温で培養

最少培地で培養

高温で培養(ヒートショックプロテインなどの誘導)

IPTGの代わりにラクトースを使う

培養時間を短くする(長くするというのもあったと思う)

大腸菌のほうも色々特徴を持ったものがありますが、これも劇的に変わるとまでは言えない。

(無題) 削除/引用
No.9740-4 - 2021/06/09 (水) 00:52:14 - NK
>が先生
ありがとうございます。実はHis tagからの変更でしょうがなくGSTに変えた次第です。MBPは検討したのですが、いかんせん分子量が大きすぎるので断念いたしました...。やはり、低温培養による封入体防止を考えたいと思います。

>おお先生
自分もこれ以上改善しない場合は、そう考えています…。気合で培養回しまくるしかないかなと、、、。
超音波によってアグってる可能性をいれると、確かに細胞融解法は有用かもしれませんね…!ありがとうございます!

(無題) 削除/引用
No.9740-3 - 2021/06/08 (火) 23:32:47 - おお
>このような現状で、発現が確認できているモノの可溶性を上げる手段はありますでしょうか?

あるようでない、ないようである。試行錯誤の結果できればラッキー的なところはあるけど。

必要量にもよりますが、大部分を捨てても可溶画分にくるものを集めて精製することも一つのやり方ではあります。

超音波もあぐる原因になりがちだから、リゾチウムを利用するような系にしてみてもいいかもしれない。

(無題) 削除/引用
No.9740-2 - 2021/06/08 (火) 23:24:17 - が
低温誘導とGSTタグの変更が最も有効かと。
代替タグの候補として、His-SUMOが個人的なお気に入りですが、MBPも候補の一つです。

GST融合タンパク質が可溶性画分に出ない 削除/引用
No.9740-1 - 2021/06/08 (火) 23:18:13 - NK
いつもお世話になっております。
題名の通りですが、可溶性タグであるGSTを付加したタンパク質(タグ込み60kDa程度)が遠心上清に来てくれません。Crudeでは、多量の発現を確認しております。目的としては、単一の状態での酵素活性の測定なので、出来ればnativeの状態で精製したいと考えております。
ホスト:BL21(DE3)
Buffer: 1xPBST
破砕:超音波、2min(Palse 15sec/ 30sec)
pIによる沈殿もクリアしているはずですが…。
界面活性剤の濃度検討や、Bufferの変更(20 mM Tris, 500 mM NaCl)も行ってみましたが、ほとんど可溶性に移行してくれませんでした。
封入体になっている可能性を考慮し、現在低温での発現を検討しています。

このような現状で、発現が確認できているモノの可溶性を上げる手段はありますでしょうか?よろしくお願いいたします。

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