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1塩基置換を識別するPCR(マウスgenotyping) トピック削除
No.9726-TOPIC - 2021/06/04 (金) 07:34:11 - PCR
論文を読んでいて気になることがあります。
1塩基置換のノックインマウスがありますが、そのgenotyping PCRについて興味があります。
論文にはPCRでgenotypingを行なったとは書かれてあるだけで具体的にどのようにデザインされたものかは書かれてありませんでした。

たとえばこれがWTの配列で、
-----AAAAAGGGGGCCCCCTTTTTAAAAAGGGGGCCCCCTTTTT-----


これが1塩基置換の配列だとします。
-----AAAAAGGGGGCCCCCTTTTTAAAAAGGGGGCCCCCgTTTT-----

この2つを区別するため、Fプライマーとして
野生型特異的なものとしてTTTTTAAAAAGGGGGCCCCCTを、
変異型特異的なものとしてTTTTTAAAAAGGGGGCCCCCgをそれぞれ用意して、共通のRプライマーでPCRを行うことでWT/WT, mutant/WT, mutant/mutantを区別出来るのではないかと思いますが、実際可能なのでしょうか? 私の経験ではTTTTTAAAAAGGGGGCCCCCTでも変異型を鋳型にPCRをしてしまいそうな気がします。プライマーの3'側なので普通に考えたらPCRはかからないとは頭では思っていても現実は違うような気がします。

このような期待しない増幅を減らす工夫が必要なのだろうなと思いながら読みました。
具体的な対処法としてどういったものがあるのか後学までにお聞きしたいです。
よろしくお願いします。
 
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変異部分に制限酵素サイトを作る 削除/引用
No.9726-10 - 2021/06/05 (土) 06:48:27 - mont
同僚は、変異部分の前後にサイレント変異を加えたりして、制限酵素サイトを作って区別していましたよ。PCR後に制限酵素で切断されるのが変異型という理屈です。

(無題) 削除/引用
No.9726-9 - 2021/06/05 (土) 04:42:32 - おお
>プライマーの3'側なので普通に考えたらPCRはかからない

難易度的なことはおいといてそういう系はあったのは確か。

TTTTTAAAAAGGGGGCCCIC
とかイノシンを入れたプライマーをつくるとIはCとペアーを作るからGに置換できる。それである程度増幅してからIのある位置から少し外側でPCRすれば

1塩基置換の配列のばあい
TTTTAAAAAGGGGGCCCgCgTTTT

置換されてない場合
TTTTAAAAAGGGGGCCCgCCTTTT

CgCgはBstUIで切断できるから切れたかどうかPAGEで確認すれば識別がつく。

ABI 削除/引用
No.9726-8 - 2021/06/04 (金) 22:29:36 - ema
ABIが前からTaqman SNP「genotyping」としているので、原理的にはできると。


https://www.thermofisher.com/jp/ja/home/life-science/pcr/real-time-pcr/real-time-pcr-assays/snp-genotyping-taqman-assays.html

(無題) 削除/引用
No.9726-7 - 2021/06/04 (金) 13:34:00 - AA
プライマーの3'末端に変異塩基を持ってきて、PCRすることは可能です。
WTのPCRと変異のPCRと別々にやる必要はありますが、区別することは可能です。

ただし、標的の配列依存性はかなりあり、皆様ご指摘の通り偽陽性も出やすいです。
酵素も増えにくい酵素を選んで使う必要があります。(当然ですが校正活性のある酵素などは使えません)

確実にやるには、やはりサンガーシークエンスか、Taqmanプローブなどになりますね。

(無題) 削除/引用
No.9726-6 - 2021/06/04 (金) 11:49:54 - PCR
AS様

>一般的に3'末端にミスマッチをもつようなallele-specificなプライマーの特異性はアニーリング温度を高めることでかなり向上します。

なるほど...アニーリングの条件を振って厳しい温度で行うと特異性があがるのですね。
まだ論文は読んでいませんが、とても参考になりました。
ありがとうございます。

BlueComma様

定量的なPCRでgenotypeという可能性もあるのですね...
鋳型が尻尾のサンプルだと定量PCRというのはすごいなと感じました。
一度論文読んでみます。
ありがとうございます。

(無題) 削除/引用
No.9726-5 - 2021/06/04 (金) 11:43:28 - BlueComma
3'末端の不一致でもPCRで増幅するのは仕方のないこととして,定量して増幅度合いでgenotypingする方法もあるようです。この方法だと1塩基置換でも検出できると下記の報告では言っています。

Biswas S, Li R, Yuan Z, et al (2019) Development of methods for effective identification of CRISPR/Cas9-induced indels in rice. Plant Cell Rep 38:503–510. https://doi.org/10.1007/s00299-019-02392-3

(無題) 削除/引用
No.9726-4 - 2021/06/04 (金) 09:41:09 - AS
>
> プライマーの5'の不一致は問題なくPCRは走りますが、3'側の不一致でも増えるというのは何がおきているんでしょうか。プライマーの3'の不一致分、一塩基を削ってPCRがかかるのでしょうか...

3'>5'exonuclease活性のないDNApolを用いてもかかります。
(というか、特異性を上げるために、たいていの場合AS-PCRでは校正活性の強いHigh-fidelityの酵素は使いません)

ミスマッチ塩基といえど弱い水素結合によるペアリングを一定程度おこすくらいに揺らいでいますので、その際に伸長反応が進んでしまいます。
したがって、一般的に3'末端にミスマッチをもつようなallele-specificなプライマーの特異性はアニーリング温度を高めることでかなり向上します。

(無題) 削除/引用
No.9726-3 - 2021/06/04 (金) 09:00:20 - PCR
AS様
早速のコメントをいただき、とても嬉しいです!
やはり特異的にはいかないんですね...お聞きしてよかったです。
参考文献のご紹介ありがとうございます。
まずは読んでみます!

プライマーの5'の不一致は問題なくPCRは走りますが、3'側の不一致でも増えるというのは何がおきているんでしょうか。プライマーの3'の不一致分、一塩基を削ってPCRがかかるのでしょうか...
論文にプライマー配列が書かれてあると勉強になるのですが....

(無題) 削除/引用
No.9726-2 - 2021/06/04 (金) 08:39:00 - AS
> 野生型特異的なものとしてTTTTTAAAAAGGGGGCCCCCTを、
> 変異型特異的なものとしてTTTTTAAAAAGGGGGCCCCCgをそれぞれ用意して、共通のRプライマーでPCRを行うことでWT/WT, mutant/WT, mutant/mutantを区別出来るのではないかと思いますが、実際可能なのでしょうか? 私の経験ではTTTTTAAAAAGGGGGCCCCCTでも変異型を鋳型にPCRをしてしまいそうな気がします。プライマーの3'側なので普通に考えたらPCRはかからないとは頭では思っていても現実は違うような気がします。
>

そのデザインでは、まず間違いなく特異性はでません。
想像されている通り、鋳型がwtでもmtでもどっちでも増えます。
allele-specific PCRのプライマーデザインにはいくつか常法的なものがありますが
SNP塩基だけでなく付加的なミスマッチ部位を3'末端付近に導入する方法が多いです。

Plant Methods. 2012;8(1):34.
Anal Sci. 2014;30(11):1093-6.

1塩基置換を識別するPCR(マウスgenotyping) 削除/引用
No.9726-1 - 2021/06/04 (金) 07:34:11 - PCR
論文を読んでいて気になることがあります。
1塩基置換のノックインマウスがありますが、そのgenotyping PCRについて興味があります。
論文にはPCRでgenotypingを行なったとは書かれてあるだけで具体的にどのようにデザインされたものかは書かれてありませんでした。

たとえばこれがWTの配列で、
-----AAAAAGGGGGCCCCCTTTTTAAAAAGGGGGCCCCCTTTTT-----


これが1塩基置換の配列だとします。
-----AAAAAGGGGGCCCCCTTTTTAAAAAGGGGGCCCCCgTTTT-----

この2つを区別するため、Fプライマーとして
野生型特異的なものとしてTTTTTAAAAAGGGGGCCCCCTを、
変異型特異的なものとしてTTTTTAAAAAGGGGGCCCCCgをそれぞれ用意して、共通のRプライマーでPCRを行うことでWT/WT, mutant/WT, mutant/mutantを区別出来るのではないかと思いますが、実際可能なのでしょうか? 私の経験ではTTTTTAAAAAGGGGGCCCCCTでも変異型を鋳型にPCRをしてしまいそうな気がします。プライマーの3'側なので普通に考えたらPCRはかからないとは頭では思っていても現実は違うような気がします。

このような期待しない増幅を減らす工夫が必要なのだろうなと思いながら読みました。
具体的な対処法としてどういったものがあるのか後学までにお聞きしたいです。
よろしくお願いします。

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