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免疫沈降:PBSで洗うだけで外れるタンパク? トピック削除
No.9723-TOPIC - 2021/06/03 (木) 05:44:14 - 免沈
よろしくお願いします。

あるレセプターを発現している細胞のライセートと、そのレセプターのリコンビナントのリガンドを4Cで1時間反応させ、その後レセプターに対する抗体も加えて4Cで一晩反応、翌日Dynabeadsを用いて免疫沈降(IP)し、ついでウェスタンブロット(WB)をリガンドに対する抗体で行い、レセプターとリガンドの結合をテストしています。コマーシャルのリガンド、又は自分が293細胞に発現させて作ったリガンドでこの実験を行った場合は予想通りのサイズ(リガンドのサイズ)にバンドが現れ、IgGコントロールで反応させた場合はバンドが見られないので、このIP-WBの実験系はうまく構築できたと思います。

リガンドのミュータントをいくつか作成し、同様の実験を行って結合を見ているのですが、ミュータントの一つではIP-WBでバンドが見られませんでした。なので、このミュータントリガンドはレセプターと結合していないのだろうと推測しました。

(なお、WBの抗体がミュータントリガンドも認識することは確認しています。またリガンドのC末にタグがついていて、このタグに対する抗体でWBをしても予想通りのサイズにバンドが出ます)


確認の為に、以下のようなWBを行ってみました。

1)4Cで一晩反応させた(抗体−レセプター−リガンド)の反応液を少し取っておいて、リガンドに対する抗体でWB。リガンドがミュータントの場合も含めて、予想通りのリガンドのサイズの非常に強いバンドが検出できる。これは、加えたリガンドが大量に反応液に含まれていたことを示している

2)Dynabeadsに(抗体−レセプター−リガンドのコンプレックス)を吸着させた後の液を取っておいてこれをリガンドに対する抗体でWBすると、非常に薄いバンドしか出ない。これは、DynabeadsがリガンドをCaptureしたこと(おそらくは抗体−レセプター−リガンドのコンプレックスの形で)を示している。

1)、2)の結果から、もしかしたらミュータントリガンドもレセプターと結合しているのではと疑っています。しかし、ミュータントリガンドの場合、Dynabeadsを洗って(PBSで3回)からEluteした(pH=2.2のElution Bufferで2回、更にSDSを含むBufferで2回)時、何回目のElutionでもバンドは見られませんでした。

そこで、「ミュータントリガンドとレセプターとの結合は弱く、PBSで洗っただけで結合が外れてしまうので、洗いに使った液を取っておいてリガンドに対する抗体でWBすればバンドが見られる」という可能性を考えています。今手元にサンプルが無くて10日程先になるけれど、洗い液でWBは次回試してみようと思うのですが、

I) このような、PBSでの洗いで外れるということは有り得るのでしょうか?もし過去にそのような経験をした方がおられたら教えて頂けませんか?

II) もしも洗いで外れるリガンドだとしたら、レセプターとの結合はどのようにして示すのがスマートなやり方でしょうか?上記をそのまま記述するのはあまりスマートに見えないように思いますが、かといって洗い無しでいきなりElutionも無茶なような。

III)ミュータントリガンドの場合ではIP-WBでバンドが見られない理由について、洗いで外れている以外で思いつくことがありましたら教えて頂けますか?
 
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(無題) 削除/引用
No.9723-9 - 2021/06/05 (土) 00:34:21 - 免沈
>おおさん
返信ありがとうございます。大変参考になります。

>Lysateに含まれるターゲットのリセプターの量はリガンドに比べどの程度でしょうか。
レセプターの量を定量的に調べていないので、比がどれくらいになるかはわかっていないです。仰る通り、リガンドがリコンビナントで大量に加えたので、レセプターよりも大量にリガンドがある状態であろうとしか言えないです。(Lysateはコンフルエントになった10cmディッシュの3分の1を使い、リガンドは1 ug入れています。参考文献では同量のリガンドに10cmディッシュ丸々を使っていました)。

>Lysateからプルダウンして洗う前は非特異な吸着でビーズに結合している可能性があると思います。レセプターが発現してない細胞などで非特異かどうか確認してみてもいいのかもしれません。
レセプターの発現していない細胞を使うアイデアはあったのですが、IgGコントロール(レセプターに対する抗体がゴートで、同種のゴートIgGを使いました)でもバンドが(全く)見られないので、Dynabeadsとミュータントリガンドの非特異的吸着の可能性は無いと判断しておりました。ただ、これも以下のPBSでのウォッシュが問題であるならば、まだ非特異的吸着の可能性は残りますね。試してみようと思います。

>バッファーが変わると劇的にアフィニティーがかわると言う可能性。
こういった風には全然考えていませんでした。ありがとうございます。

>リガンドは多分デタージェントなしで維持できるのかな。
出来ているはず、と思いますが、これが理由でミュータントリガンドの構造がおかしくなっているとかの可能性もあるんでしょうか?。コマーシャルのリガンドはPBSにReconstituteするように記載されています。

>ビーズにトラップしたレセプターは膜貫通型でしょうか?
はい、その通りです。もし、レセプターの側の構造が変化して結合の弱いミュータントリガンドの場合は放出されてしまう、だとかなり(私としては)わかりやすいです。

>まずはPBSとかでなくってLysisバッファーで洗ってみてはどうですか
やってみます。念の為に、当初の予定通りウォッシュにつかったLysisバッファもとっておいてゲルに流してみようと思います。

(無題) 削除/引用
No.9723-8 - 2021/06/04 (金) 16:38:04 -  ml;

質問文の意味するところがイマイチ私らには????なところがあり間違っていたらすみません。
「ミュータントリガンドはこのレセプターと結合するのかしないのかがなんか最近よくわからなくなってきたんだが、どう思うよ、これ」、という質問でしょうか。

Washing bufferとしてあえてPBSを使う特別な理由がないならば、反応液と同じ組成(もちろん抗体やリガンドなど蛋白質成分は含まないもの)のbufferをwashing bufferにして実験してみれば良いと思います。

ていうか、他の人もコメントしてますが、こういうのは100 or 0とかいうことはあまりなくて、相対的にみて一方が他方よりーーー倍親和性が大きい、小さいみたいなことだと思うので、野生型リガンドはwashingしても容易に外れないような親和性を持つのに対して、変異型はPBSのwashingでも外れてしまうくらい弱い親和性しか持たないとい解釈でいいと思うのですが、それで何か問題ですか。

(無題) 削除/引用
No.9723-7 - 2021/06/04 (金) 10:52:21 - おお
PBSについては書きながら説明していきます。

まず、Lysateに含まれるターゲットのリセプターの量はリガンドに比べどの程度でしょうか。リガンドはリコンビナントということなので、意識せずとも細胞で発現させたリセプターより大過剰になっていても驚かないです。レセプターが十分量ないのに殆どのライガンドが吸着しているとするなら、Lysateからプルダウンして洗う前は非特異な吸着でビーズに結合している可能性があると思います。レセプターが発現してない細胞などで非特異かどうか確認してみてもいいのかもしれません。



特異的な結合である場合。バッファーが変わると劇的にアフィニティーがかわると言う可能性。デタージェントを抜いた場合で想定されることは、非特異、疎水的な相互作用が強くなる。大抵の場合はこのため目的の蛋白があぐったり、レジンなどの吸着してしまったりします。リガンドは多分デタージェントなしで維持できるのかな。それならある無しでそういう非特異な相互作用はそんなに関係ないかもしれません。ビーズにトラップしたレセプターは膜貫通型でしょうか?それならレセプターがアグって従来の構造が維持できずにリガンドが放出されたかもしれません。野生型はおそらくレセプターとの相互作用が安定的で疎水的な構造変化を起こしにくいかもしれません。

その他の可能性としては、Lysisバッファーとあまりにもバッファーが違います。グリセロールは蛋白の(いろいろな意味で)安定化に寄与しています。リン酸がCo-ファクターのように蛋白に結合するようなモデルは見たことがありませんが、生体内にある物質です。何らかの影響がないとは言えません。

なのでまずはPBSとかでなくってLysisバッファーで洗ってみてはどうですか(上記のようにノンスペでないことが明らかなら)。

もしそれでも同じような現象が見られるなら、Lysatesにあるなにか(たぶん比較的大量にあるもの)が相互作用の安定化に寄与している可能性もあると思います。

(無題) 削除/引用
No.9723-6 - 2021/06/04 (金) 03:18:52 - 免沈
>おおさん

>PBSにデタージェントがはいっているのですね。それでは抜かないでください。詳細は後ほど書きます。

ちょっと意味が取れなくなっている(私はデタージェント抜きでPBSだけで洗っていると書きましたが、これにTritonなりなんなりのデタージェントを追加しろということなのかな?)ので、追記お待ちしております。よろしくお願いします。

(無題) 削除/引用
No.9723-5 - 2021/06/04 (金) 00:56:39 - おお
>デタージェント抜きで、PBSのみで洗っています。

PBSにデタージェントがはいっているのですね。それでは抜かないでください。詳細は後ほど書きます。

(無題) 削除/引用
No.9723-4 - 2021/06/03 (木) 23:09:30 - 免沈
>G25さん
ありがとうございます。Kd値のアイデア、参考にさせて頂きます。

>おおさん
ありがとうございます。Lysis Bufferの組成は以下のようになります。DetergentはNP−40が入ってます。AbcamだったかのページでNon-Denaturing Lysis Bufferとして紹介されていたものです。RIPA Bufferなどよりマイルドなものとして紹介されていました。

20 mM Tris-HCl, pH=8.0
137 mM NaCl
1% NP-40
2 mM EDTA
10% Glycerol

(抗体−レセプター−リガンド)の反応は基本的にこのBuffer中で行っています。Cell lysate(レセプター)のボリュームが800ul。加えたリガンドは10 ulのPBS中に存在。加えた抗体は3 ulでTris-GlycineとNaCl、Glycerolが入った特に変わったところのないものです。

>PBSであらうとありますがこの際デタージェントは含まれますか?
デタージェント抜きで、PBSのみで洗っています。

(無題) 削除/引用
No.9723-3 - 2021/06/03 (木) 17:39:18 - おお
>あるレセプターを発現している細胞のライセート
Lysis Bufferにはデタージェントが含まれますよね、、、PBSベースですか?組成など開示できますでしょうか?

PBSであらうとありますがこの際デタージェントは含まれますか?

(無題) 削除/引用
No.9723-2 - 2021/06/03 (木) 15:30:01 - G25
よくわからんけど、


レセプター・リガンドにしたって抗原抗体にしたって
親和性、結合性というのは全か無かじゃないわけでしょう。
くっついたらくっつきっぱなしってことはなくて、分子毎にくっついたり離れたりしていて、結合している分子と解離している分子の割合がものによって違うってだけで。
Kd値が高いものならリガンド濃度の高いときはそれなりに結合しているけど、Wash液に置換して濃度が下がるとたちまち解離してしまうってことだってあります。

>もしも洗いで外れるリガンドだとしたら、レセプターとの結合はどのようにして示すのがスマートなやり方でしょうか?

外れないと判断されたリガンドもまとめて、Kd値を測定したら良いと思う。

免疫沈降:PBSで洗うだけで外れるタンパク? 削除/引用
No.9723-1 - 2021/06/03 (木) 05:44:14 - 免沈
よろしくお願いします。

あるレセプターを発現している細胞のライセートと、そのレセプターのリコンビナントのリガンドを4Cで1時間反応させ、その後レセプターに対する抗体も加えて4Cで一晩反応、翌日Dynabeadsを用いて免疫沈降(IP)し、ついでウェスタンブロット(WB)をリガンドに対する抗体で行い、レセプターとリガンドの結合をテストしています。コマーシャルのリガンド、又は自分が293細胞に発現させて作ったリガンドでこの実験を行った場合は予想通りのサイズ(リガンドのサイズ)にバンドが現れ、IgGコントロールで反応させた場合はバンドが見られないので、このIP-WBの実験系はうまく構築できたと思います。

リガンドのミュータントをいくつか作成し、同様の実験を行って結合を見ているのですが、ミュータントの一つではIP-WBでバンドが見られませんでした。なので、このミュータントリガンドはレセプターと結合していないのだろうと推測しました。

(なお、WBの抗体がミュータントリガンドも認識することは確認しています。またリガンドのC末にタグがついていて、このタグに対する抗体でWBをしても予想通りのサイズにバンドが出ます)


確認の為に、以下のようなWBを行ってみました。

1)4Cで一晩反応させた(抗体−レセプター−リガンド)の反応液を少し取っておいて、リガンドに対する抗体でWB。リガンドがミュータントの場合も含めて、予想通りのリガンドのサイズの非常に強いバンドが検出できる。これは、加えたリガンドが大量に反応液に含まれていたことを示している

2)Dynabeadsに(抗体−レセプター−リガンドのコンプレックス)を吸着させた後の液を取っておいてこれをリガンドに対する抗体でWBすると、非常に薄いバンドしか出ない。これは、DynabeadsがリガンドをCaptureしたこと(おそらくは抗体−レセプター−リガンドのコンプレックスの形で)を示している。

1)、2)の結果から、もしかしたらミュータントリガンドもレセプターと結合しているのではと疑っています。しかし、ミュータントリガンドの場合、Dynabeadsを洗って(PBSで3回)からEluteした(pH=2.2のElution Bufferで2回、更にSDSを含むBufferで2回)時、何回目のElutionでもバンドは見られませんでした。

そこで、「ミュータントリガンドとレセプターとの結合は弱く、PBSで洗っただけで結合が外れてしまうので、洗いに使った液を取っておいてリガンドに対する抗体でWBすればバンドが見られる」という可能性を考えています。今手元にサンプルが無くて10日程先になるけれど、洗い液でWBは次回試してみようと思うのですが、

I) このような、PBSでの洗いで外れるということは有り得るのでしょうか?もし過去にそのような経験をした方がおられたら教えて頂けませんか?

II) もしも洗いで外れるリガンドだとしたら、レセプターとの結合はどのようにして示すのがスマートなやり方でしょうか?上記をそのまま記述するのはあまりスマートに見えないように思いますが、かといって洗い無しでいきなりElutionも無茶なような。

III)ミュータントリガンドの場合ではIP-WBでバンドが見られない理由について、洗いで外れている以外で思いつくことがありましたら教えて頂けますか?

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