こんにちは。
1. 小さくまとまってしまっている状態
こちらについては、なぜそれが問題なのかについて説明が必要だと思います。
フローサイトメトリーに慣れない間は、顕微鏡でよく見ながらデータをみるといいです。
顕微鏡でみたときに、細胞の大きさの差が小さければ、FSC はまとまってみえます。
一方、細胞の大きさの差が大きければ、ばらけてみえます。
SSC についても同様に考えられます。
各細胞の内部構造などの複雑さが同様であれば、SSCの値は近くなります。
一方、各細胞が構造的に多様性があれば、SSCの値のばらつきは大きくなります。
また、性細胞と死細胞が混ざっているときもSSCの値はばらつきます。
少し例をあげると、たとえばヒト末梢血の中の白血球を考えます。
リンパ球は小さく、単球と顆粒球は大きいです。ですからFSCはばらつきます。
顆粒球は他の白血球より複雑な核構造をもっています。ですからSSCはばらつきます。
しかし、リンパ球だけをみるとFSCとSSCが似たような細胞の集団になります。
細胞株でいうと、よく増える細胞株では FSC がある程度ばらけていることが多いです。
それは細胞分裂の G1期の細胞は小さく、G2期の細胞は小さいことと関係します。
G1期の細胞とG2期の細胞が両方いれば、ある程度FSCはばらけるのが普通です。
なぜまとまっていてはいけないのか、もう一度ご検討ください。
2. ドットプロットまたは等高線のあるプロット
ドットプロットはある座標またはある範囲にどれくらいの細胞が集まっているか分かりません。
そこで、ドットプロットに、座標ごとの細胞数(密度)の情報を加えたプロットがあります。
何種類かあり、density plot, contour plot, pseudo-color plot などがあります。
たけいさんの仰る等高線というのは coutour plot のことだと思われます。
また pseudo-color plot は flowjo でデフォルトになっているカラフルな表示方法です。
上記の理由により、ドットプロットでは細胞の分布を勘違いする可能性があります。
そのため、いくつかのジャーナルではフローサイトメトリーの結果の表示において
contour plot または pseudo-color plot でなければならない、という
規定をもうけている場合があります。 |
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