Bio Technical フォーラム

  • バイオ関連の実験をする上での、試薬、機器、プロトコールなどの情報交換の場です。
  • 新しいテーマで話を始める場合、質問をする場合は「新しいトピックを作る」から書き込みをしてください。
  • 質問に対して解答できる方は是非、書き込んで下さい。
  • このフォーラムにふさわしくないと管理人が判断した投稿は予告なく削除します。

新しいトピックを作る | トピック一覧 | 研究留学ネットに戻る

ひとつ前のフォーラム(readのみ)

このスレッドをはてなブックマークに追加このスレッドをはてなブックマークに追加

フェノクロで短いDNAを回収するための塩条件 トピック削除
No.9684-TOPIC - 2021/05/15 (土) 23:42:32 - もじら
フェノクロで短いDNA断片を効率よく回収したいのですが、以下の点についてご教示ください。

・lysisバッファの塩濃度を濃くすると有機層にDNAが入りにくいと聞いたことがありますが正しいでしょうか(聞いた方を失念しておりソースが辿れずにいます)? 正しいとすると、具体的にはどのくらいの濃度がよいのでしょうか? 普段は10mM Tris-HCl、1mM(または10mM)EDTA、100mM NaClのSTEにSDSを加えたものを使用しています。

・最後のエタ沈は酢酸ナトリウムと塩化マグネシウムどちらが適しているでしょうか? また、これまで酢酸ナトリウムと共沈剤のグリコーゲンは併用したことがあるのですが、塩化マグネシウムとグリコーゲンは併用して問題ないでしょうか?

よろしくお願いいたします。
 
- このトピックにメッセージを投稿する -



9件 ( 1 〜 9 )  前 | 次  1/ 1. /1


(無題) 削除/引用
No.9684-9 - 2021/05/18 (火) 18:19:47 - G25
>水層を回収後のPCI+タンパク層へバッファーを入れるということですよね?
これは試してみてプールせずに独立の検体として最後濃度測定をしてみたことがあるのですが、Qubitでは測れないくらい薄く、プールするのをためらっていました。あらためて試してみます。

逆説的ですが、もしバックエクストラクトしてみたけど効果を感じなかったということであれば、
回収しきれなかったDNAはほとんどない、あっても雀の涙ということになります。


>>また、ダウンストリームに差し支えなければ、酵母tRNAやpoly(dI-dC)などのキャリアを加えてPC抽出する方法もあります。

>除タンパクの段階からキャリアを加える方法があるのは存じませんでした。

大昔、PCRが普及し始めた頃、論文で見た微量の細胞からcDNAライブラリーを作るという方法を試したことがありました。その論文では微量の(泳動や吸光度で見えないくらいの)RNAやcDNAのロスを防ぎ回収率を上げることに腐心していて、工夫していたことの一つです。効果の程はわかりませんが。
少なくとも、入れたキャリアが9割方回収できたなら、目的のものも9割は回収できているだろうと予想することはできます。

>ちなみにグリコーゲンを同じように使えるでしょうか?
フェノール単独での抽出だとグリコーゲンは中間層、有機層に行ってしまいますが、フェノール・クロロフォルムならその心配はありません。キャリアとしての役割も果たせるんじゃないかと思います。

昔は、PC抽出のほかに、フェノール単独の抽出もよく使われていて、ものによってはそのほうがよく夾雑物を除去できることもあるんですが、ある種の核酸(オリゴなど)はロスしやすい。しかし、クロロフォルムとカクテルにすると、その心配はほとんどないはずです。つまり、あなたがやっているPC抽出がそうですけど。

(無題) 削除/引用
No.9684-8 - 2021/05/18 (火) 11:52:03 - もじら
初老様、

>短いというのはどのくらいの長さでしょうか。また、dsDNAに限った話でしょうか、ssDNAのオリゴも考慮した話でしょうか。

ターゲットはssDNAとdsDNA両方で、下限は30mer(またはbp)くらいまでを考えています。
長いものが回収される分には問題なく、短すぎるものもあとで除去することができるのですが、抽出時に短いのが取れてこないのが一番困るため、30merくらいまでの回収率がなるべく高くなる方法を取りたく思っています。

>水飽和フェノールならともかくフェノールクロロホルムでも問題になるほど有機層への分配が起こるでしょうか。

実際に問題になっているのかどうかがわからず実験を進めている部分があります。
そのため、なるべく分配を抑えられると期待される方法で一通りやって、そこから方法の微修正をしていきたいと考えています。

(無題) 削除/引用
No.9684-7 - 2021/05/18 (火) 11:40:28 - もじら
おお様、

>エタ沈は従来の方法に更にMgCl2を加えることで収量を上げることができるでしょう(おそらく出典はG25さんといっしょ)。
>グリコーゲンの併用は問題がないと思います。

ありがとうございます。MgCl2は単独使用だと思っていたので勘違いに気づくことができました。

>フェノクロに関しては情報がありませんが、私の勝手な感覚で書きますと塩濃度が高いとリン酸基が塩と結合して疎水性をまし、有機層に行きそうな気がします。おろらくこういう条件検討は1980年代あたりにある程度されていて文献掘り起こせば出てきそうな気がしますが、片手間にみてみただけでは見つかりませんでした。

私もGoogle scholarなどで検索しただけなのですが、うまいことヒットしませんでした。
こういう基礎実験の条件検討が解説されている本があれば欲しいと思うのですが、どれを買っていいかわからず困りものです。

(無題) 削除/引用
No.9684-6 - 2021/05/18 (火) 11:32:53 - もじら
G25様、

バッファとPCIはおよそpH8くらいに調整しているので大丈夫そうです。
遠心はフェノクロ時の分離は15000rpmで30分くらい、最後のイソプロ沈では1時間回しています。

MgCl2はNaOAcの代わりに加えるものだと勘違いしておりました。ご指摘ありがとうございます。
直後に酵素反応(PCRではない)をするため水に溶かしているのですが、たしかに溶けにくくTEを後から加えることもありました。1/10x TEなどを試してみたいと思います。

>Back extraction (水層を回収しからバッファーを加え再抽出して水層をプールする)があります。

水層を回収後のPCI+タンパク層へバッファーを入れるということですよね?
これは試してみてプールせずに独立の検体として最後濃度測定をしてみたことがあるのですが、Qubitでは測れないくらい薄く、プールするのをためらっていました。あらためて試してみます。

>また、ダウンストリームに差し支えなければ、酵母tRNAやpoly(dI-dC)などのキャリアを加えてPC抽出する方法もあります。

除タンパクの段階からキャリアを加える方法があるのは存じませんでした。RNAなら後で分解させればよさそうなので、MgCl2で上手くいかなければやってみます。
ちなみにグリコーゲンを同じように使えるでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.9684-5 - 2021/05/18 (火) 08:25:24 - 初老
短いというのはどのくらいの長さでしょうか。また、dsDNAに限った話でしょうか、ssDNAのオリゴも考慮した話でしょうか。

水飽和フェノールならともかくフェノールクロロホルムでも問題になるほど有機層への分配が起こるでしょうか。

(無題) 削除/引用
No.9684-4 - 2021/05/18 (火) 04:42:53 - おお
エタ沈は従来の方法に更にMgCl2を加えることで収量を上げることができるでしょう(おそらく出典はG25さんといっしょ)。

フェノクロに関しては情報がありませんが、私の勝手な感覚で書きますと塩濃度が高いとリン酸基が塩と結合して疎水性をまし、有機層に行きそうな気がします。おろらくこういう条件検討は1980年代あたりにある程度されていて文献掘り起こせば出てきそうな気がしますが、片手間にみてみただけでは見つかりませんでした。

グリコーゲンの併用は問題がないと思います。

(無題) 削除/引用
No.9684-3 - 2021/05/16 (日) 12:27:16 - G25
PC抽出の回収率を上げるための定法にBack extraction (水層を回収しからバッファーを加え再抽出して水層をプールする)があります。

また、ダウンストリームに差し支えなければ、酵母tRNAやpoly(dI-dC)などのキャリアを加えてPC抽出する方法もあります。

(無題) 削除/引用
No.9684-2 - 2021/05/16 (日) 12:16:38 - G25
塩濃度はそんなものでいいと思います。まあ、おまじないです。
バッファーやPCのpHは高め(8くらい)であることは確認した方がいいでしょう。

SDSとNaClが共存するとEtOH pptでSDSがかなり落ちてくるので注意。
EDTAもおおよそ10 mMを超えるとキャリーオーバーの危険性が出てくるようです。

短鎖の沈殿を促進するとき、MgCl2は単独で使用するのではなく、通常の塩(NaOAcなど)に加え10 mM程度を添加するものだと思います。EDTAと共存する場合は検討の必要があるでしょう。
MgはDNAと溶けにくい塩の沈澱を生じますから、再溶解の時、純水ではなくTEなどEDTA含有バッファーが望ましい場合もあります。特にMgClを高濃度で加えるプロトコールだとしたら。
まあ、NaOAcが無難でオールマイティだと思っていますけど。
短鎖、低濃度など沈澱しにくい場合は、遠心時間を延長する方が効果的だと思います。


いずれにしても、ダウンストリームでどういう使い方をするかということも考慮にいれるのがいいです。

以上、主な出典はMolecular Cloning

フェノクロで短いDNAを回収するための塩条件 削除/引用
No.9684-1 - 2021/05/15 (土) 23:42:32 - もじら
フェノクロで短いDNA断片を効率よく回収したいのですが、以下の点についてご教示ください。

・lysisバッファの塩濃度を濃くすると有機層にDNAが入りにくいと聞いたことがありますが正しいでしょうか(聞いた方を失念しておりソースが辿れずにいます)? 正しいとすると、具体的にはどのくらいの濃度がよいのでしょうか? 普段は10mM Tris-HCl、1mM(または10mM)EDTA、100mM NaClのSTEにSDSを加えたものを使用しています。

・最後のエタ沈は酢酸ナトリウムと塩化マグネシウムどちらが適しているでしょうか? また、これまで酢酸ナトリウムと共沈剤のグリコーゲンは併用したことがあるのですが、塩化マグネシウムとグリコーゲンは併用して問題ないでしょうか?

よろしくお願いいたします。

9件 ( 1 〜 9 )  前 | 次  1/ 1. /1


パスワードを入力してチェックした記事を チェックした記事を

このトピックにメッセージを投稿する
名前 
メール   アドレス非公開
   タイトル 
本文      
設定  クッキーを保存(次回の入力の手間を省けます)
上に上げない(トピックの一覧で一番上に移動させません)
解決(問題が解決した際にチェックしてください)
暗証  半角英数字8-12文字の暗証番号を入れると、あとで削除、修正ができます。
送信 

〔使い方〕
  • 「アドレス非公開」をチェックすれば、自分のメールアドレスを公開しないで他の方からメールを受け取れます。
  • 問題が解決した際には、解決ボタンをチェックして解決した旨のコメントをつけてください。これは、初めにトピックを作った人と管理人のみが可能です。
  • 半角カタカナ、機種依存文字(全角ローマ数字、○の中の数字等)は文字化けの原因となりますので使わないでください。