論点は、FFPE vs frozenではなくて、蛍光染色とDABで異なる結果になるのが何故かという事ですよね。
確認しておきたいのは、2次抗体をどうされているかです。例えば、蛍光染色では蛍光ラベルした2次抗体を用い、DABではビオチン化2次抗体をストレプトアビジンHRPで検出する形であれば、両者の間にかなり違いがあるので、このあたりに原因があるかもしれません。
抗体AとCはモノクロ、Bはポリクロのようですが、モノクロはマウス、ポリクロはラビットで良いでしょうか? あるいは、モノクロもラビットでしょうか? 要は、2次抗体が同じかどうかという事です。コントロールで用いているチュブリン抗体の動物種についても、気になるところです。全ての1次抗体に対し、同じ2次抗体を用いているならば、2次抗体そのものが原因とは考えにくいですけどね。
自分であれば、ポジコンであるチュブリン抗体と同じ動物種の抗体で検証します。2次抗体はDABでも蛍光でも同じHRPポリマーを用い、発色だけDABとTSA蛍光色素を使い分けて比較します。結果、その1次抗体ではどちらのメソッドでも核で染まるのであれば、内在性HRPによるアーチファクトを否定できれば、その1次抗体に結合するタンパク(目的のタンパクとは限らない)が核局在すると結論します。もし、どちらのメソッドでも細胞質で染まるなら、当初見られたDABによる核染色は内在性ビオチンによるアーチファクトの可能性を考えます(もしビオチン化2次抗体を使っているなら、ですが)。チュブリンの場合は高発現が予想されるので、内在性ビオチンによるバックグランドをはるかに超える染色が見られれば、核のアーチファクトはマスクされるかもしれません。チュブリン抗体は十分希釈して、DABの条件がお使いの抗体と同じになるよう調整した方が良いかもしれません。
ここまで条件をそろえても、お使いの抗体でのみ、DABでは核、蛍光では細胞質が染まるのであれば、ちょっと不思議ですが、逆に興味深くもありますね。 |
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