いつも勉強させていただいております。
細胞培養を行なっている研究者です。
現在下記の様な問題を抱え困っております。
・使用細胞:MDCKII
・培地:D-MEM, +FCS
・問題点:カバーガラス上に播種すると、細胞が上手くspreadingしません(付着性が悪い)。高密度で撒いたり、何日間か培養を続けて密なシート構造を作らせようとしても、そのうちに上皮様形態を無くしてしまいます。また、この細胞に対してトランスフェクション(LipofectamineLTX)をすると途端にspreadし、半日も経たないうちに上皮様の形態を無くしてしまいます。細長い足をたくさん出して、シート状でなくなります。
・分かっていること
(1) プラスティックディッシュに撒く分には形態は正常です。カバーガラスなしの状態でトランスフェクションをして検証したところ、上記の症状は出ませんでした。
(2) 血清のlotでないことは確認済みです
(3) 異なる人が飼っていたMDCKII細胞で同じ症状が再現します。
(4) カバーガラスはこれまで乾熱滅菌したものを使用していましたが、今回の問題検証のために、HClもしくはKOH洗浄をしたもの(最後にEtOH洗浄)を検証しました。乾熱滅菌だけしたガラスより細胞の付着性は改善したように思いますが、トランスフェクションをすると上記の症状がどのガラスでも出てしまいます。
(5)この問題点が出始めるまでは(4年間ほど実験を続けていますが)、きれいなシート構造で解析ができ、トランスフェクションしても綺麗な石垣のようなシート構造を保持されたまま観察ができていました。問題が生じた時期に何か因果を思い付くことができていません(血清のロット変更など)。
長くなってしまいましたが、原因として考えられる点や、改善策などがありましたら教えていただけますと非常に助かります。今のところ考えているのは、ガラスをコーティングすることです(未検証)。
どのような情報でも助かりますので、どうぞよろしくお願い致します。 |
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