Fermentasの資料に基づき、メジャーな酵素で3 nt余剰にして切れないものはないと思っています。
今、閲覧できるのはNEBの資料しかなくなってしまいましたが、Thermo Fisherに吸収される前のFermentasが独自に出していた資料ではそのようになっています。
例えばNEBの資料ではEcoR1は+3 ntで+++ (50-100% cut)、Not1は+5 ntでも++ (20-50% cutですが、Fermentasの資料ではそれぞれ+1 nt、+2 ntで+++です。Fermentasの資料で+3 ntでも危うい酵素と言ったら、あまりメジャーなものはなくて、一度でもラボで現物を見たことがあるのでもAat2, Nhe1, Pae1, Taq1くらいなもの。
なぜ両社で違うのか、それはアッセイ方法も違いだと思います。
F社は末端RI標識したプライマーで実際にPCRをかけた産物を消化、泳動して放射線イメージングで評価しています。
それに対して、N社は末端蛍光標識したオリゴDNAをアニールさせたものを基質にして蛍光イメージングで評価しています。蛍光団による障害や基質DNAの鎖長の短さからくる酵素のアクセスの頻度の減少とか、アニールで作ったDNAが100%完全な二重鎖になっていないとかで、切断効率を低く見積もっている可能性があるのではと考えます。 |
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