単純な質問ですが、小難しく答えるのが得意です。
Formaldehydeが反応するペプチド上のアミノ酸はK、Q、N、 W、H、Y、R、C、N末。
セリンプロテアーゼの活性に関わるアミノ酸はS/T、H、EでFormaldehydeがそのHと反応すれば活性中心として働かなくなる。
システインプロテアーゼはCとH。これもFormaldehydeと反応できる。
メタロプロテアーゼはZnイオンを配位するのにHが使われる。これも反応するアミノ酸。
Aspartic proteaseはEでFormaldehydeと反応しないアミノ酸。
したがってAspartic proteaseはある意味抵抗性があるかもしれない。
反応に携わるアミノ酸だけが不活性化に関与するかと言われると、そうとも言い切れない周辺のアミノ酸が修飾されることにより障害物になったりすることも十分考えられる。またペプチドをホールドし、活性中心に切断する部位を誘導する部位もありここが機能しなくなると活性はかなり低下する。ただし故意に高濃度のオリゴペプチドを加えると活性中心がダメージを受けてなかったら、若干の活性が見られるかもしれない。
組織内では周りのいろいろな蛋白とクロスリンクされるので、そういう状態ではたとえ活性中心が生きていてもターゲットの流動性も失われるのでそういう意味で活性を保っているとは言い難い。
そもそも完全に不活化という言葉は非常に使いにくい。がAspartic protease以外は完全に反応が進めば活性中心は働かなくなる。Aspartic proteaseに関しては推論であるが、ペプチドが色々と修飾されていく段階で活性中心がうまく働けなくなる可能性は高い。
ただしあなたの考えている実験系でそのような状態が期待できるはわからないですし、無視できるぐらいの弱い活性が残ったとして、無視できるなら完全と言っていいという理屈はあるし、それでも完全じゃないと突っ込まれるとおっしゃるとおりですと言うしかない。 |
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