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配列未知の一本鎖DNAの配列決定 トピック削除
No.9461-TOPIC - 2021/01/30 (土) 23:24:02 - クリューおしおき中
お世話になります.
ホルマリン固定されて時間のたった組織(数十〜百年程度)からDNAを抽出し,ショットガン的に配列を決定したいと考えています.
DNAを二本鎖の状態で扱うことができればよいのですが,抽出過程で高温処理が必要な場合があり,変性して一本鎖になってしまう可能性があります(実際にこの作業はまだ始めていないので,本当にそうなるのかはわかりません).

もしssDNAばかりになってしまった場合,5'アデニル化リンカーをRNA ligaseで標的ssDNAの3'末端に付加し,リンカーに相補的なプライマーを使って標的ssDNA+リンカーの相補鎖を得られないかと思っています.Taqなど普通のDNAポリメラーゼはRNAを鋳型にDNAを合成することはできないと思うのですが,標的ssDNAとリンカーの間にあるAMPは相補鎖の伸長を妨げるのでしょうか?
もし妨げになる場合,AMPを超えてターゲットssDNAの3'末端側と相補的な塩基を含むようプライマーを設計すれば(5' リンカー相補鎖-T-NNN 3'という感じで)伸長するようになるでしょうか?

以上2点について知見やご経験をお持ちでしたら,ご教示くださいますと幸いです.
どうぞよろしくお願いいたします.
 
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8件 ( 1 〜 8 )  前 | 次  1/ 1. /1


(無題) 解決済み 削除/引用
No.9461-8 - 2021/02/02 (火) 09:56:17 - クリューおしおき中
既に解決済みとしましたが,関連情報が得られましたので今後こちらをご覧になる方のために追記します.

>>一方,DNAリンカー側のアデニル化された部分が結合後どのような状態になっているのかわからず,リンカーの配列をプライマーとして使ってもAMPで止まってしまうならターゲットは二本鎖化できないのでは,と躊躇しています.
>>もしくは根本的に間違っていて,付加反応が起こる際にAMPは除かれるのでしょうか?
>>この点が私の用途からすると重要だと思うのですが,恥ずかしながら調べがつかずにおります.

この点ですが,「アデニル化されたリンカーが標的DNAに付加される際,AMPが遊離するため付加後の配列には残らない」ようです.
https://www.biosyn.com/tew/adenylation-of-dna-and-rna.aspx#!

(無題) 解決済み 削除/引用
No.9461-7 - 2021/01/31 (日) 17:31:31 - クリューおしおき中
s様,

>>昔、クロンテックで売っていた5'AmpliFINDERというキットをよく使っていました。5'RACE用のキットですが、要するに1st strand cDNAの3'側にアダプターオリゴをT4 RNA ligaseでつなげてPCRするというものです。

ありがとうございます.cDNAと断片化したgDNAの違いはありますが,まさに私がやりたいことです.5'AmpliFINDERはもうないのですね.似たようなものがないか探してみます.

>>T4 RNA ligaseはDNAに対する効率はそれほど高くないと言われていますが、私はこれを使ってcDNAライブラリーをつくっていたりしたので、問題になるほど悪くないようです。TdTを使う方法も試したことがありますが、T4 RNA ligaseのほうが反応量をコントロールする必要がないので楽な気がします。

そうなるとアデニル化されていないオリゴをリンカーとして使ったほうが私が考えているような懸念がないのでよいかもしれません.



皆さまからいろいろな案をいただきましたので,この質問は解決とさせていただきます.
本当にありがとうございました.

(無題) 削除/引用
No.9461-6 - 2021/01/31 (日) 17:19:28 - クリューおしおき中
G25様,

ありがとうございます.

>>ランダムプライマーを入れて、適当なDNAポリメラーゼを加えれば二本鎖にできますけど。
>>Phi29 DNA polを利用したMultiple displacement amplification (MDA)が活用できそうなケースではあります。

ランダムプライマーで二本鎖化する場合はPhi29ではなくて普通のTaqなどですよね.
テール+ランダムプライマー(おお様の仰る6塩基程度がスタンダードなのでしょうか?)で一気にライブラリ化して濃度も高められれば,いけそうな気がしてきました.

(無題) 削除/引用
No.9461-5 - 2021/01/31 (日) 13:02:13 - s
昔、クロンテックで売っていた5'AmpliFINDERというキットをよく使っていました。5'RACE用のキットですが、要するに1st strand cDNAの3'側にアダプターオリゴをT4 RNA ligaseでつなげてPCRするというものです。

アダプターオリゴの配列が手元にありますが、5'側がポリアデニル化されていたりはしない通常のDNAオリゴのようです(そのまま相補的なプライマーでPCRしてました)。但し、アダプターオリゴ同士が長くつながってしまわないように、3'側がアミノ化でブロックされています。

T4 RNA ligaseはDNAに対する効率はそれほど高くないと言われていますが、私はこれを使ってcDNAライブラリーをつくっていたりしたので、問題になるほど悪くないようです。TdTを使う方法も試したことがありますが、T4 RNA ligaseのほうが反応量をコントロールする必要がないので楽な気がします。

(無題) 削除/引用
No.9461-4 - 2021/01/31 (日) 11:50:22 - G25
ランダムプライマーを入れて、適当なDNAポリメラーゼを加えれば二本鎖にできますけど。
Phi29 DNA polを利用したMultiple displacement amplification (MDA)が活用できそうなケースではあります。

(無題) 削除/引用
No.9461-3 - 2021/01/31 (日) 11:40:49 - クリューおしおき中
おお様,

ご回答ありがとうございます.

>>私が思いつくのはTerminal deoxynucleotidyl transferase (TdT)で末端を伸長して(Oligo dTとかを付加して)そこにアニーリングする方法

>>あるいはランダムプライマー(N6とか)でDuble strandにしてしまう

前者はpolyAなど相補塩基の連続塩基merで二本鎖化すればよいということですね.リンカーより安価にできそうですし,ぜひ選択肢に入れたいと思います.

ランダムプライマーは考えてはいたのですが,ただでさえ断片化が激しい鋳型からどれだけNGS解析に適した長さの産物が得られるかわからず,とりあえず置いておきました.


>>RNA Ligaseが相補鎖なしの状態でどれくらい効率がいいのかわかりませんが、そういう方法論があるのですか?

一本鎖DNAあるいはRNAの3'末端に5'末端アデニル化リンカーを付加する反応は,私は経験等ありませんがmicro RNAのクローニングなどで使われているようで(たとえば https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3177227/),リンカーもRNA ligaseも既製品があるようです(Takara,NEB,パーキンエルマーなど).ssDNA同士の結合はご指摘のとおり相当効率が悪いそうなのですが,5'末端がアデニル化されていると,高効率になるようです.たとえばNEBのligase(https://www.nebj.jp/products/detail/1339)はssDNAとDNAリンカーの結合も用途として示されているので,既知の配列をssDNAに付加することはできそうだ,というところまで調べました.

一方,DNAリンカー側のアデニル化された部分が結合後どのような状態になっているのかわからず,リンカーの配列をプライマーとして使ってもAMPで止まってしまうならターゲットは二本鎖化できないのでは,と躊躇しています.
もしくは根本的に間違っていて,付加反応が起こる際にAMPは除かれるのでしょうか?
この点が私の用途からすると重要だと思うのですが,恥ずかしながら調べがつかずにおります.

(無題) 削除/引用
No.9461-2 - 2021/01/31 (日) 01:19:20 - おお
RNA Ligaseが相補鎖なしの状態でどれくらい効率がいいのかわかりませんが、そういう方法論があるのですか?
3’末端がNTP(dNTPでなく)の伸長反応はすべてのPCRエンザイムでどうかわかりませんが、Bstでやっているもので解説を聞いたとこがあります。一種の isothermal pcrで、プライマー3’末端をNTPにしておき、ポリメラーゼとRNaseHを共存させると、プライマーからのExtensionのあとプライマーのNTPの部分がRNaseHで切れて、そこからまた伸長反応がおこるというものでした。Bstが鎖交換(アニールしているDNAを剥がしながら伸長反応をすすめることができる)活性があるので何度も伸長反応が繰り返すことができる様になっています。

私が思いつくのはTerminal deoxynucleotidyl transferase (TdT)で末端を伸長して(Oligo dTとかを付加して)そこにアニーリングする方法ですが、、、RACEなどでも使っていると思います。

https://www.researchgate.net/figure/3-end-labeling-of-DNA-and-RNA-oligomers-using-Terminal-deoxynucleotidyl-transferase_fig2_5938741

https://www.future-science.com/doi/full/10.2144/000112680

あるいはランダムプライマー(N6とか)でDuble strandにしてしまうか。

配列未知の一本鎖DNAの配列決定 削除/引用
No.9461-1 - 2021/01/30 (土) 23:24:02 - クリューおしおき中
お世話になります.
ホルマリン固定されて時間のたった組織(数十〜百年程度)からDNAを抽出し,ショットガン的に配列を決定したいと考えています.
DNAを二本鎖の状態で扱うことができればよいのですが,抽出過程で高温処理が必要な場合があり,変性して一本鎖になってしまう可能性があります(実際にこの作業はまだ始めていないので,本当にそうなるのかはわかりません).

もしssDNAばかりになってしまった場合,5'アデニル化リンカーをRNA ligaseで標的ssDNAの3'末端に付加し,リンカーに相補的なプライマーを使って標的ssDNA+リンカーの相補鎖を得られないかと思っています.Taqなど普通のDNAポリメラーゼはRNAを鋳型にDNAを合成することはできないと思うのですが,標的ssDNAとリンカーの間にあるAMPは相補鎖の伸長を妨げるのでしょうか?
もし妨げになる場合,AMPを超えてターゲットssDNAの3'末端側と相補的な塩基を含むようプライマーを設計すれば(5' リンカー相補鎖-T-NNN 3'という感じで)伸長するようになるでしょうか?

以上2点について知見やご経験をお持ちでしたら,ご教示くださいますと幸いです.
どうぞよろしくお願いいたします.

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