ビーズはIP自体(目指す分子をしっかり捕まえてくること)がができるかどうかという点についてならば成否には本質的な影響はないです。(non specificなタンパク質の持ち込み具合には材質やメーカーによりかなり大きな差異がありますが。)ですのでIP自体ができていないならば以下のことをまず検討ください。
IPがうまくいかない原因は主に2つです。1)使用している抗体がIPに適さない。天然状態において抗体が認識部位に接近できないなどが原因で、モノクローナル抗体や合成ペプチドを抗原として作ったモノスペシフィックのポリクローナル抗体でしばしば起こることがあります。→その抗体を使用する限り解決は困難なのでIP可能検証済みの抗体に変えてください。もし適当なものがなければ、なるべくなら全長を抗原として免疫して得たポリクローナル抗体を使うことも一つです。最近の市販抗体の多くは抗原ペプチドで免疫してるものが多く、IPへの適用可能なものは必ずしも多くないです。
2)抗原分子が十分可溶化できていないことがあります。難溶性タンパク質などで、使用している可溶化bufferで可溶化できず、もともとIP用の検体中に抗原分子がほとんどないとか。→現在使用している可溶化bufferで抗原分子が十分可溶化できていることをチェックし必要ならば可溶化bufferの種類や条件を検討するなどします。通常のマイルドなbufferでは溶けないような例えば真在性膜タンパク質のような場合は、最後の手段としてSDS可溶化・加熱→TX100で再生→IPという方法もあるけど、経験では成功率はあまり高くないです。
1,2がクリアできていれば、正直な話、かなり適当なことやっててもIP自体はできます。 |
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