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精製組換えタンパク質の濃度決定方法 トピック削除
No.9401-TOPIC - 2020/12/30 (水) 09:37:54 - Str
お世話になっております。

実験で使用しているタンパク質の濃度に不安があり、
絶対的な濃度を決定できないかと考えたため、質問させていただきます。

使用しているタンパク質は以下の特徴を持ちます。
・天然変性タンパク質
・40 kDaほどだがSDS-PAGE上では55 kDaほどに見える
・Trp等が無く、吸光係数がε= 6000ほど

大腸菌から組換えタンパク質として作製し、精製して実験に使用しています。
SDS-PAGEでの純度確認では、95%以上の高純度に精製できていました。

現在、濃度定量ではUV-Vis測定とBCAアッセイの2つで決定しています。
どちらも希釈系列などに問題はなく、直線性のある結果なのですが、
最終濃度には2つの手法で3倍程度の差ができてしまいます。

自分の実験の中で一貫性を持ってやればOKとも思いましたが、
どうしても「絶対的な濃度」を決定したい気持ちがあります。


タンパク質間でのブレがなく、正確な濃度を出せる定量法をご存じでしょうか?
あまり現実的でないようなアイデアも是非お待ちしております。
よろしくお願いいたします。
 
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14件 ( 1 〜 14 )  前 | 次  1/ 1. /1


(無題) 削除/引用
No.9401-14 - 2021/01/05 (火) 17:37:59 - 通りすがり
>>Trp変異導入で解決や!

通りすがりですが、思わずニヤリとしてしまいました。
起点が効いた発想ですね。
私も引き出しに入れておこうと思います。

(無題) 削除/引用
No.9401-13 - 2021/01/04 (月) 15:03:26 - 賀
>>また、「定量用の標準試料」として販売されているわけではない様なので、
メーカー側が示している濃度をどこまで信じて良いのでしょうか…。

ここまで話を聞いているとそもそも絶対量というより、何かしら納得のいく方法で量が決定できればいいという印象を受けました。

もちろんメーカーの示した方法が絶対値だなんて根拠はどこにもないですが、名の知れたメーカーならバリデーションはしっかりしているはずです

ですのでコントロールという利用もできますし、メーカーの測定法に合わせて、それを再現するという意味でもやってみたらと思いました。

もちろん予算次第と測定法を開示してくれればですが、、

ただ個人的には各定量を阻害する因子が他にあるような気もします

(無題) 削除/引用
No.9401-12 - 2021/01/04 (月) 10:28:04 - WInter-8
逆転の発想や!Trp変異導入で解決や!

1. タンパク質の一部に変異導入してTrpに置換する
2. 精製してA280から濃度測定する
3. さらに、ここでBCA法による濃度測定を行なって両者を比較する
(野生型とTrp変異型ではBCA法の結果はほとんど変わらないはず)
4. このときに得られた「A280の濃度/BCAの濃度」を係数とする
5. 野生型の濃度をBCA法で測定して、この係数を乗じる。

この方法が正確とは言えなくても、BCA法の結果の妥当性の評価はできるはず!

(無題) 削除/引用
No.9401-11 - 2021/01/03 (日) 10:58:29 - nozwest
>3.アミノ酸分析法 につきまして、
アミノ酸分析は、質量分析機器を用いるということでしょうか?

アミノ酸分析には、質量分析装置ではなく専用のアミノ酸分析装置(基本はHPLCです)を使います。以前は、生命科学系の研究機関であれば大概設置されていましたが、現在は少なくなっていると思います。Strさんが所属する、あるいは試料分析を依頼できる機関に装置がない場合は、外注(受託分析)も可能です。

もし外注するのであれば、目的(精製タンパク質を加水分解し、アミノ酸を定量することによって元のタンパク質試料の絶対量を決定する)に適うデータが得られることを確認しておく必要があります。一般的には、このような目的でアミノ酸分を行うことは稀ですので。前にも書きましたが、コストベネフィットを考えると、タンパク質の絶対量を決定することにあまり執着しすぎない方が良いのではないかと思います。

(無題) 削除/引用
No.9401-10 - 2021/01/02 (土) 18:55:28 - おお
あ、そうかTrpすくないのではなく、まったくないのですね。読み間違えてみました。
ペプチドボンドを直接吸収で図るのも手かもしれません。230nmぐらいと思ったのですが以下の論文では
One alternative is A205, which arises primarily from the peptide bond.
とかかれていますね。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3690723/
少し深堀りしてみてはどうでしょう。

(無題) 削除/引用
No.9401-9 - 2021/01/02 (土) 16:54:04 - Str
分割書き込み失礼いたします。

>>独り言様
SDS-PAGE+CBB染色による定量は試してみたのですが、
目的タンパク質の偏ったアミノ酸配列(酸性アミノ酸が続く部分)が原因なのか、かなりCBBとの結合が弱い様でした。
BCAアッセイで算出した濃度で、BSAと目的タンパクを同量流し、
CBB染色しましたが、約2倍の差が見られました。
Abs280に基づいた計算だと、BSA-目的タンパク質の差が約4倍になったため、
少しでも誤差が小さいBCAアッセイの方を採用しております。

>>賀様
市販品とは、目的タンパク質そのものが市販しているかということでしょうか?
全く同じではないのですが、近い配列の物は市販されているようでした。
ただ、価格が…
また、「定量用の標準試料」として販売されているわけではない様なので、
メーカー側が示している濃度をどこまで信じて良いのでしょうか…。

>>qq様
バッファーに入っている物質については、UV-Vis, BCAに干渉しない事を確認済みです。

(無題) 削除/引用
No.9401-8 - 2021/01/02 (土) 16:52:05 - Str
皆様
新年あけましておめでとうございます。
多くのご回答を頂きましてありがとうございます。

>>おお様
私も、BCAアッセイはペプチド結合の数を定量するので
タンパク質の種類による差は小さいのではないかと考えて採用しました。
しかし、標準タンパク(BSA)と目的タンパクの量を揃えてSDS-PAGEに流し、
CBB染色すると4倍程度の差が表れました。
おそらく電荷の偏ったアミノ酸配列あるため、それが原因でCBBとの結合が
弱いのではないかと考えております。

バッファーにはUV-Visに干渉する物質は入っておりません。
しかし、Expasy ProtParamを用いて吸光係数を計算すると
>This protein does not contain any Trp residues. Experience shows that
>this could result in more than 10% error in the computed extinction coefficient.
の警告がでるため、Abs280は信頼できるのか?と悩んでおります。

中赤外分光法を用いたタンパク質定量は初耳でした。
ありがとうございます。


>>nozwest様
逆相クロマトと凍結乾燥ができるため、秤量法もアリかと思ったのですが、
肝心の電子天秤が一般的なものしかなく断念しております…

詳細を記していただきまして大変ありがとうございます。
>3.アミノ酸分析法 につきまして、
アミノ酸分析は、質量分析機器を用いるということでしょうか?
理解が不十分で申し訳ないのですが、そもそも質量分析によって
(配列の分かっている)タンパク質の絶対量を求めることは可能なのでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.9401-7 - 2021/01/02 (土) 05:01:57 - おお
検出感度は調べたことはありませんが、Trpは蛍光によって検出できます。このような蛍光にしろ、A280にしろ直接的な測定で、他の結合や反応の効率を考慮しないといけない測定法より信頼できると思ってます。

ただし、Trpの環境によっては単独の値よりブレることがあります。

https://www.aatbio.com/tools/calculate-protein-concentration
https://web.expasy.org/protparam/
こういうサイトは試したことがありますか?Wよりよわいが吸収を持っているものも計算に入れているものも多いです。

いろいろコメントがありますが私の理解が及ばないところがあります。
BradfordやCBB結合で図ってみるという指摘に関しては、これらの測定法も蛋白によって濃く出たり薄く出たりするというのはよく知られたと話です。Bradfordで測定したとしてどのように正確な値を見出すのか。

市販の蛋白を使うという意見がありますが、市販の蛋白の測定法はBradfordだったりBCAだったりしませんでしょうか?それとももっと絶対的な濃度測定をしているのでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.9401-6 - 2021/01/01 (金) 19:01:00 - qq
>希釈系列などに問題はなく、
何に対して系列希釈したのかで、問題がないのか、問題を見ていないのか変わってきそうです。
タンパク質が溶解しているはずの溶媒に対して系列希釈しているのでしょうか?
つまり、溶媒にUVやBCAに影響するものはないのでしょうかということです。
天然変性タンパク質は、面倒な溶媒に溶解しているのではないのでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.9401-5 - 2021/01/01 (金) 18:02:22 - 賀
とっくに試されてるかと思いますが市販品はないのでしょうか?

市販のものを標準品として各試験を行ってみては?

(無題) 削除/引用
No.9401-4 - 2020/12/31 (木) 11:42:38 - 独り言
SDS-PAGEをBSAの希釈系列と一緒に流して、CBB染色して、BSAの検量線から求めるのはどうでしょうか。

厳密に考えたらCBBのつきやすさがタンパク質によって異なるのかもしれませんが、目に見える分、信用できそう。

(無題) 削除/引用
No.9401-3 - 2020/12/31 (木) 10:48:41 - nozwest
タンパク質の絶対量を決定するのはかなり面倒です。下記のような方法が考えられますが、いずれも古典的な分析方法です。

1.秤量法:精製したタンパク質を乾燥させて重量を測定する。この方法を使う場合は、タンパク質溶液から透析などでタンパク質以外の成分(緩衝剤、塩、界面活性剤など)を除去しておく必要がありますが、これらの成分がどの程度残存しているのかを調べるのは困難です。逆相クロマトで精製できるのであれば、非タンパク成分混入の問題は少ないと思います。当然ですが、ウルトラミクロ/ミクロ天秤が利用できることが前提です。

2.ケルダール/キエルダール法(Kjeldahl 法):この方法では、サンプル中の窒素をアンモニアに変換して定量します。タンパク質の絶対量を測定する方法ではありませんが、窒素含量はタンパク質間でばらつきが少ないため、古くからタンパク質定量法として利用されています。化学実験の経験と装置が必須です。

3.アミノ酸分析法:タンパク質を加水分解してアミノ酸を定量する方法です。アミノ酸配列が分かっている場合は、最も回収率の高いアミノ酸を定量することで、元のタンパク質量を推定することができます。但し、回収率は100%にはなりませんので、厳密な定量が必要な場合は工夫(安定同位体で標識したアミノ酸を内部標準として使うなど)が必要です。また、加水分解とアミノ酸分析用の器具・装置が必要です。

いずれの方法も、経験や専用の装置が必要になりますので、あまり現実的ではないように思います。”自分の実験の中で一貫性を持ってやればOKとも思いましたが”、と書かれていますが、個人的には”OK”でよいと思います。

既に、UV-Vis測定とBCAアッセイで定量を行っていて、2つの方法で3倍の差があることが気になる(どちらの値を採用するか迷う)のであれば、追加でBradford法を試してみることも考えられます。Bradford法の場合、界面活性剤が妨害物質になりますが、界面活性剤を含むサンプルにも使える試薬が販売されています。Bradford法で定量した結果が、UV-Vis測定とBCAアッセイの中間、あるいはかけ離れた値になった場合は・・・・・ご自身で判断を。

  

(無題) 削除/引用
No.9401-2 - 2020/12/30 (水) 17:17:27 - おお
BCAは確かpeptide bondに反応するのだと思ったのですが、そういう意味では蛋白間で差ができないようにも思えるけど、実際は蛋白間で差があることもあるようです。
https://www.researchgate.net/post/BCA-Assay-trouble-shooting-why-is-analyates-estimated-conc-40-of-expected-value

バッファーが干渉しない状態ではかれるならUVがもっともらしいのではないかと。

他にもいろいろ正確と思われる方法論は提唱されているようですが、、、
https://www.emdmillipore.com/US/en/life-science-research/protein-detection-quantification/direct-detect-spectrometer/ftir-technology/Bi2b.qB.wJMAAAFB21kRRkw8,nav

精製組換えタンパク質の濃度決定方法 削除/引用
No.9401-1 - 2020/12/30 (水) 09:37:54 - Str
お世話になっております。

実験で使用しているタンパク質の濃度に不安があり、
絶対的な濃度を決定できないかと考えたため、質問させていただきます。

使用しているタンパク質は以下の特徴を持ちます。
・天然変性タンパク質
・40 kDaほどだがSDS-PAGE上では55 kDaほどに見える
・Trp等が無く、吸光係数がε= 6000ほど

大腸菌から組換えタンパク質として作製し、精製して実験に使用しています。
SDS-PAGEでの純度確認では、95%以上の高純度に精製できていました。

現在、濃度定量ではUV-Vis測定とBCAアッセイの2つで決定しています。
どちらも希釈系列などに問題はなく、直線性のある結果なのですが、
最終濃度には2つの手法で3倍程度の差ができてしまいます。

自分の実験の中で一貫性を持ってやればOKとも思いましたが、
どうしても「絶対的な濃度」を決定したい気持ちがあります。


タンパク質間でのブレがなく、正確な濃度を出せる定量法をご存じでしょうか?
あまり現実的でないようなアイデアも是非お待ちしております。
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