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iPSのガラパゴス化 トピック削除
No.9386-TOPIC - 2020/12/23 (水) 09:22:15 - mm
次世代の技術革新はどんどん進んでいるのに、iPS移植に莫大な投資を続ける必要あるのでしょうか。iPS移植に関しては、有望な臓器だけ選別して、莫大な科研費の投下は停止して、民間との共同研究に移行した方がいい気がします。

科研費というパイは限られています。

2者択一なら、若手支援を優先する段階に来ている気がします。私の界隈でも、科研費の莫大な投下はおかしいという人が多いです。

以下二つの記事です。どう考えても、ガラパゴス化ですよね。


1. 再生医療用のiPS細胞を備蓄する京都大iPS細胞研究所のストック事業で、出荷したiPS細胞の一部を目的の細胞に分化させた際、がん化に関連する遺伝子異常や、染色体の異常が起きていた。同時に作られた細胞でも分配先によって異常の有無や内容が異なっていた。専門家からは安全性の担保を懸念する声が上がっている。
 複数の関係者が明らかにし、研究所も事実関係を認めた。異常のあった細胞は患者には使われていない。


2. 【12月3日 AFP】老化した細胞を「若返らせる」技術を用いてマウスの視力を回復することに成功したとの研究結果が2日、英科学誌「ネイチャー(Nature)」(電子版)に掲載された。細胞レベルで時間を事実上巻き戻し、けがや病気、加齢によって損傷を負った細胞の治癒能力を高めるという、画期的で興味をそそられる治療法の可能性を示している。
 
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(無題) 削除/引用
No.9386-15 - 2020/12/29 (火) 16:25:11 - mm
>[Re:13] AAさんは書きました :
> 筋芽細胞シートはテルモが売っていますし、由来が骨格筋ではなくてiPSというだけなので効果は割と期待できるのだろうと理解できます。
> (骨格筋をiPSに置き換えた"銅鉄実験"ですし、まさに「ガラパゴス化」と言われればそうだと思います)
>
> しかし、心筋にしろ網膜にしろiPS移植は個別化医療の最たるものなので、費用対効果がどうしても悪く、原理として効果が認められるかどうかによらず製薬会社が手を出すとは思えません。
> 少しでもコストを下げるためにiPSストックの話があったはずなのにあの体たらくですから、あたかも「実用化を見据えた研究である」という姿勢はここらで改めたほうが良いという意見が出るのも仕方ないと思います。


筋芽細胞シートってどれほどの効果なのでしょうか?世界的にはほぼ使われていない気がします?通常医薬品と同様に特許があるなら、赤字で特許切れですよね。

需要がないものを、分化度の違いはあるのでしょうが、iPSでする意義が全くない気がします。。。

(無題) 削除/引用
No.9386-14 - 2020/12/28 (月) 22:12:15 - medpf
筋芽細胞など分化した細胞や、ESなど他の幹細胞ソースでできる事を、iPSで行う場合は、そのコストやリスクを凌駕するだけのメリットを提示できなければファンドされないのは当然のように思います。今でもそのような研究計画にファンドが落ちているのでしょうか?

個別化医療という点で言えば、CARTには企業が手を出しているので、しっかりした効果を証明する真っ当な臨床研究があって、収益化できる目処があれば、企業は参入してくると思います。iPSの場合は、安全性と治療効果を証明する真っ当な臨床研究が未だにない事が問題で、この観点での戦略が不十分だった責任は負うべきでしょう。がん化の問題があるなら、そのリスクより効果のウエイトの方が高いがん治療の領域に特化するのも手だったでしょうし、再生医療領域なら、赤血球・血小板のような無核細胞(放射線照射で混入有核細胞の除去も可能)にフォーカスする手もあったと思います。HLAをいじったiPS/ES由来のCARTとか、もし患者さんのT細胞から作るよりも安価で大量にできるようになれば一つの可能性になるかもしれません(私は専門外なので可能性がどの程度あるかはわかりませんが)。皮肉ですが、iPSプロジェクト内での適切な選択と集中が必要だったと思われ、戦略なくiPSというだけで、何となくできそうなものから配分した結果を見ていると言えませんか? 選択と集中が何でも悪という事ではなく、バランスが重要だということではないかと、個人的には理解しています。

私の研究領域では、マクロファージを標的とする薬剤開発の前臨床段階で、iPS由来マクロファージが結構使われるようになってきてます。移植、再生医療以外への応用で広げる形でCiRAの若手研究者を支援する仕組みをある程度作った上で、iPS移植は縮小していく形にできれば、傷が少なく済むかもしれませんね。

(無題) 削除/引用
No.9386-13 - 2020/12/28 (月) 19:57:42 - AA
筋芽細胞シートはテルモが売っていますし、由来が骨格筋ではなくてiPSというだけなので効果は割と期待できるのだろうと理解できます。
(骨格筋をiPSに置き換えた"銅鉄実験"ですし、まさに「ガラパゴス化」と言われればそうだと思います)

しかし、心筋にしろ網膜にしろiPS移植は個別化医療の最たるものなので、費用対効果がどうしても悪く、原理として効果が認められるかどうかによらず製薬会社が手を出すとは思えません。
少しでもコストを下げるためにiPSストックの話があったはずなのにあの体たらくですから、あたかも「実用化を見据えた研究である」という姿勢はここらで改めたほうが良いという意見が出るのも仕方ないと思います。

(無題) 削除/引用
No.9386-12 - 2020/12/28 (月) 13:53:50 - mm
今日のニュース。

iPS細胞で心臓病治療 3人に実施し経過順調 大阪大学

iPS細胞から心臓の筋肉の細胞を作り出し、シート状にして重い心臓病の患者の心臓に移植する研究を進めている大阪大学のグループは、これまでに3人の患者に手術を実施したことを明らかにしました。患者の経過はいずれも順調だということで、今後の安全性や効果の検証が注目されます。


---
移植自体は”順調に”できたのだと思います。移植できたとして、移植⇒目に見える効果、の間に極めて大きな間隙があって、本当に成功するのか、きな臭いんですよね。

これを永遠とまだ10年位は続ける。もちろん、最初の3例は安全性確認が目的なのだと思いますが、、既に眼科領域では腫瘍様のものができて除去した例もありますよね。

さすがにここまで来て、成功の確証があるのなら、民間の大手製薬会社(ノバルティス、武田、ファイザー、アストラ、メルク、、、、)がこぞって、大量の資金を投じ始めるはずですが。。。科研費なんか足しにもならない位の莫大な資金を。。。

(無題) 削除/引用
No.9386-11 - 2020/12/28 (月) 10:05:19 - 774
数年前のこの時期、iPS やってるラボにアホみたいな額の補正予算がおりて、人件費に使えないし消耗品はたかが知れてるから、大して要りもしない大型機器買ってました。それでも3月までに使いきれなくて困ってました。それでいて購入には理由書が要るので、これまたアホみたいに大量の理由書を作成してました。補正予算の話はよく聞きます。

(無題) 削除/引用
No.9386-10 - 2020/12/25 (金) 17:12:10 - Nanasi
>全否定するのも選択になるわけだし
 
多くの人たちは「『選択と集中』が悪」と言ってるのであって
選択する事自体が悪と言っているのではないでしょう。

iPSは実用化可能だから多額の予算をつけてくれ、と言って始まって
それから十分に長い時間が経った今更になって、
実用化は無理で民間の資金は得られないけどこれまでと同様の金をくれ
と言うのは通らないと思います。

iPS業界が実用とか声高に叫び始めてから、それ以外の分野でも
やたら実用性を求められてそれが無ければ通らなくなった。
そう言う意味ではiPSの弊害は予算独り占めには留まらない
さっさと特別扱いを止めて一研究分野として扱われるべきだと思います。

(無題) 削除/引用
No.9386-9 - 2020/12/24 (木) 02:41:27 - おお
そんなに多額は期待できないがいろいろな研究者にある程度の研究費を配る(極端に選択して集中させない)という方向は賛成であり、政治関係者でもそういう声が上がってきています。学術会議はそういう研究者の声をまとめて政治に働きかけて欲しいものです。

具体的な数字はわかりませんがiPSに使われる研究費はたしかに膨大だとおもいます。ただ全否定するのも選択になるわけだし、京都大iPS細胞研究所のストック事業の件でも維持管理に関して問題点が見つかり改善するための研究も必要だと言われればそれはそれでそういう理屈はあるわけです。京都大iPS細胞研究所のストック事業はだめで、理研が細胞や遺伝子をストックするのはいいという理屈は成り立たないですし。ただし民間がいろいろ入ってきてもいい事業ではあります。民間が入りにくいのはおそらく事業を立ち上げて失敗があっても修正できるくらいの社会的環境が整ってないのも一つの原因だと思います。投資も獲得しにくいだろうし。

(無題) 削除/引用
No.9386-8 - 2020/12/23 (水) 22:07:07 - N
「選択と集中」の問題点はよくわかるのですが、スレ主の主旨からは少しずれてると思うんですよ。

はっきり言って役に立たないiPS移植に”あまりにも特別に”金をかけすぎなんじゃないかということでしょう。CRESTや基盤S程度だったら「まぁiPSだから仕方ないか」で済むかもしれないけど、文字通り桁違いの予算をとっているわけです。ノーベル賞の御祝儀はそろそろ終わりにしていいんじゃなかろうか。

(無題) 削除/引用
No.9386-7 - 2020/12/23 (水) 16:41:48 - AA
既に指摘のある通り、「選択と集中」政策自体に問題がある、というのが今の一般的な認識だと思います。(少なくとも研究者の間では。)
これに対して方針を転換するなら「薄く広く」ということになるので、少額の科研費で最低限をまかない、すべての研究者は積極的に民間助成獲得をめざす、といったところでしょうか。

iPSを目の敵にして、「成果が出ていないんだからうちの領域に金を出せ」というのは、別の「選択と集中」を生むだけなので今の問題を解決しないと思います。
AMED予算などでは短期集中型に大型予算を構成する意味が問われていたりしますし、いまここで「じゃあiPS支援やめます」というのも近視眼的だと思います。
(CiRAで雇われている若手研究者からすればたまったものではないでしょう)

まぁ厚労省/文科省は「iPS細胞」「再生医療」というキーワードが大好きでお金がつきやすいイメージは確かにあります。
今ではトピック主さんの示されたような細胞老化を逆行させる報告や、様々な細胞でin vivo direct conversionなどもかなり明らかになってきていますのでiPSやその移植にこだわることは将来的に間違っていると、個人的には思いますが。

(無題) 削除/引用
No.9386-6 - 2020/12/23 (水) 13:14:17 - mm
全て、山中先生の成果になると言っていますが、5年以上、主著者の論文数も、そこらの一人のポスドクとあまり変わりないですよね。。。


厳しい目で言うと、海外でこんなことしたら、確実に引退勧告かなと思います。

ノーベル賞を取っていない私もこれは言わせてもらいたいですね。

(無題) 削除/引用
No.9386-5 - 2020/12/23 (水) 12:35:58 - 123
iPSは経済産業省管轄でやってもらえればと思います。企業には給料お高い有能な人がたくさんいらっしゃるんでしょうから。大学でiPS関連の論文書いても名声はすべて山中大先生のものになるし、培養に金かかってコスパも悪い。

(無題) 削除/引用
No.9386-4 - 2020/12/23 (水) 12:21:21 - 悪人
山中先生は納税者である善男善女のハートをガッチリつかんでいらっしゃるので、当分はこの状況が続くと思われます。

(無題) 削除/引用
No.9386-3 - 2020/12/23 (水) 12:20:27 - たろー
おおむね同意しますが、日本の民間企業にiPSの研究開発して、製品化できるような企業なんかありますかね。大手の製薬会社も、どっちか言うと買収と特許紛争ばっかりやってるような気がしますが。

選択と集中に関しては議論はとっくに出尽くしていて研究者の多数は反対だと思うのですが、国が全く辞める気ないので難しいですね。
医師会や経団連みたいな圧力団体を作らなきゃいけないんでしょうが、だれもやりたがりませんし。もちろん私もやりたくありませんし・・・

(無題) 削除/引用
No.9386-2 - 2020/12/23 (水) 10:39:47 - ど素人
iPSに関する政府の資金投入の是非は当然議論されるべきだと思います。

またそれ以前の一般論として、現在の「選択と集中」の考え方についても是非が議論されるべきだと思います。

近年の日本の研究者一人あたりの論文数は他国と比べて低い傾向がある、とどこかでみた記憶があります。もし実際にそうであれば、それは研究費の選択・集中政策と相関する可能性があります。

研究界はどんなに能力があっても、研究資金を獲得できないと発揮できません。その逆で、本人の研究能力が十分でなくでも、研究資金やポジションを獲得してしまうと長年鎮座することになります。

自ら現代の科学上の課題をみいだせる人材、自分で論文を書ける人材に投資することで日本のプレゼンスは上がると思います。そのための方法が議論されるのが健全なありかたではないかと、個人的には考えます。

iPSのガラパゴス化 削除/引用
No.9386-1 - 2020/12/23 (水) 09:22:15 - mm
次世代の技術革新はどんどん進んでいるのに、iPS移植に莫大な投資を続ける必要あるのでしょうか。iPS移植に関しては、有望な臓器だけ選別して、莫大な科研費の投下は停止して、民間との共同研究に移行した方がいい気がします。

科研費というパイは限られています。

2者択一なら、若手支援を優先する段階に来ている気がします。私の界隈でも、科研費の莫大な投下はおかしいという人が多いです。

以下二つの記事です。どう考えても、ガラパゴス化ですよね。


1. 再生医療用のiPS細胞を備蓄する京都大iPS細胞研究所のストック事業で、出荷したiPS細胞の一部を目的の細胞に分化させた際、がん化に関連する遺伝子異常や、染色体の異常が起きていた。同時に作られた細胞でも分配先によって異常の有無や内容が異なっていた。専門家からは安全性の担保を懸念する声が上がっている。
 複数の関係者が明らかにし、研究所も事実関係を認めた。異常のあった細胞は患者には使われていない。


2. 【12月3日 AFP】老化した細胞を「若返らせる」技術を用いてマウスの視力を回復することに成功したとの研究結果が2日、英科学誌「ネイチャー(Nature)」(電子版)に掲載された。細胞レベルで時間を事実上巻き戻し、けがや病気、加齢によって損傷を負った細胞の治癒能力を高めるという、画期的で興味をそそられる治療法の可能性を示している。

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