腹腔内注射は慣れれば他の投与経路ほどは難しくない方法ですていうか簡単です。強制給餌や尾静脈注射は難しいです。
シリンジと注射針は、マイジェクター(29G x 1/2)が最適で、いい感じでできます。これ以外だとかなりやりにくい感じします。
左手で尻尾を持った状態でマウスをゲージの蓋の比較的橋の方に置きます。マウスは本能的にゲージ蓋の網を掴んで離れないような体勢になります。
この状態で尻尾を持ち上げてマウスを頭が下になるようにします。(45度くらいで逆立ちの状態)こうすることで腹部が露わになります。左手親指と人差し指で尻尾を持ちつつ左手の中指〜小指および小指側の手側面でマウスの首〜背中付近を押さえます(激しく動かない程度でほどほどほどの力加減で)マウスの体は逆さになって反った感じになり腹部が露わになります。正中を避けて高さ的に腹部の中位あたり(ヘソの高さ)の側腹部に45度くらいの傾斜で針をさします。大事なことは、あまり深く刺さないこと(刺さるのは針の半分くらいでいい)と刺したら動かさないで1回で速やかにサクッと注入し、とっとと抜くことです。
マウスが頭下、尻尾が上の状態にすることで肝臓などの臓器はが頭側に下がりますので、注射部位で臓器と針がぶつかるリスクを低くできます。多くの大血菅は一番背面側(後腹壁)にあるので、よほど深く刺さない限り腹腔内注射で針が触れる確率は非常に低いと思います。
1ちどに40匹くらい注射したこともありますが死んだことはないです。
イオン性界面活性剤が少量残存する試薬を注射した時だけ、なにこれ?みたいに腸が固まりみたいに癒着したり、石みたいに固くなったりしたことが1度ありました。(マウスは元気でしたが胃は空でした)なので腸の癒着は手技的な原因ではなく投与する薬剤に起因すると思われます。もちろん下部消化の管損傷に起因する腹膜炎も可能性はありますが、あと、投与する物質は滅菌は困難なものでしょうか?) |
|