エコーさま
残念ながらLVPWが増加するということは(生理的な成長を除けば)心肥大ですので、心臓にとってはあまりよくないことになります。
解剖時の心重量の改善が見られたと言うことであれば、心エコーではLVPWや左室拡張期径値の低下(心臓が小さくなる方向)が見られることが一般的です。すなわち、LVPWは小さくなるのが通常の流れです。
求心性などいろいろ説明してしまいましたが、マウスの実験系では実際には肥大と拡張が同時に見られることがほとんどです。すなわち、心不全になればLVPWの増加、LVDdの増加がおきる 同時に心臓重量の増加が見られる。改善すればその逆という感じで。
拡張能が改善しているのが真実であればたしかに容量負荷が軽減され、結果的に心肥大の改善などもあるかもしれませんが、いずれにしてもLVPWは増加しません。
ですので、組織重量とエコーの結果で解離が起きている状態です。
そうなると手技的な問題点からすると組織重量よりはエコーに問題があると考えた方がいいと思います。心エコーでの心臓壁の厚さの計測部位が間違っていないか、斜め切りになっていないかなど確認してみてください。
C57/BL6マウスであればLVPWはだいたい0.6-0.8mm程度が多く、それ以上、例えば1mmなどであれば心肥大と捉えることが多いです。
測定値が参考にされている論文などでの値と大きく外れていないかぜひ御確認ください。 |
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