私は細菌が作るバイオフィルムを用いて金属吸着を行う研究をしています。その中で、金属吸着能を向上させるためにバイオフィルムを多量に形成させる研究を行っています。
形成したバイオフィルム量の評価にはよく用いられているクリスタルバイオレット染色を用いているのですが、この評価は本当に正しいのか不安に感じています。
一般的にクリスタルバイオレットはグラム染色と核染色に用いられている試薬であるため、バイオフィルム内の生菌や死菌、細胞外DNAを染色していると考えています。ただ、バイオフィルムは主に多糖で構成されており、次いで菌体やタンパク質で構成されていると知られています。そのため、多糖は多く生産しているが菌体数が少なく細胞外DNAも少ないバイオフィルムの場合、クリスタルバイオレット染色ではバイオフィルムは少ないと判断しているのではないかと考えています。
最近、バイオフィルム内のECMを回収し、乾燥重量とクリスタルバイオレット染色との相関を研究しているのですが、いまいち相関が確認されません。私は上記理由が関係しているのではないかと考えているのではないかと考えていますが、何か他の理由をご存じの方がいらっしゃれば、教えていただきたいです。 |
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