一回目のPCRでうっすら見えていたのに、それを二巡目をnestedでかけても増えないというなら、うっすら見えていたのは偽物でしょう。本当なら、一回目で見えていなくても二巡目で見えるというくらいのもんです。
要はnested PCRと同じようなことをnested primerじゃなく、最初のPCRと同じプライマーでやるってことでしょう。そういう方法がないわけでもないです。でも、nested primerの代替としてやるとか、非常に多くのPCR産物が必要で拡大再生産をするとか、そういうときでしょうかね。すでにより効果的で信頼性のあるnested PCRをやっているのだから、その劣化版をやることにはあまり期待はできません。もちろん試すのは自由。
同じプライマーでも二段階でPCRすることにはそれなりの意味もあって、
サイクルを増やすことに伴う酵素の失活、基質、プライマー、鋳型濃度のバランスの変化による悪影響を回避することが期待できるし、
鋳型となる標的DNA配列対その他のDNA配列の比率を一回目のPCRで多少なりとも上げておいてから、二回目のPCRをスタートするというのも反応に有利そうです。
dNTP濃度など基質もバランスが崩れてくるとエラーが起こりやすくなりますが、反応条件が良いときでも確率的にエラーは入るので、結局40サイクルまわすなら、二回にわけてやってもエラーの低減効果は期待しないほうがいいかなあ。 |
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