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血管平滑筋細胞の培養について トピック削除
No.9212-TOPIC - 2020/10/11 (日) 06:12:42 - sug
非常にベーシックな内容で恐縮なのですが、過去スレを検索しても既出でしたらご指摘ください。
今年から血管平滑筋細胞を用いて血管石灰化の実験をしております。

現在ヒト臍帯動脈平滑筋細胞を用いて、コラーゲンコーティングのされていないディッシュにまいて使用しています。

実験で石灰化刺激を加える際は継代した後DMEMに10%FBSを加えた培地で80-90%コンフルにした後、刺激を開始しています。まいてから継代するまでも基本FBS添加DMEMを使用しています。

しかし刺激を開始した後も細胞が増殖しすぎて(細胞の形は紡錘形〜細長い長方形で細胞外基質をほとんどふくまずに増殖)、石灰化する前にディッシュから剥がれだしてしまうためDMEM培地では長く培養できず、実験に難航しています(石灰化する前にはがれてしまう)。

対処として現在50-60%コンフルとなってから刺激を開始することで刺激時間を増やすよう試みていますが、あまり目立った効果は得られていません。

そこで2つの方法を考えています。
@増殖しすぎるタイプは継代の際の培地の影響で平滑筋が脱分化して収縮型から増殖型(分泌型)に形質転換している可能性があるのでしょうか?その場合市販の「分化用培地」というものを使って分化させてから使用した方がいいのでしょうか?(正直この「分化用培地」の用途をあまり理解していませんので、見当違いでしたらそれも教えてくださると助かります)

Aコラーゲンコーティングをすると脱分化しにくいという記載もあるので試してみる(されたことがある方はプロトコールもご教示くださるとうれしいです)

なお、別ストレインの成人大動脈平滑筋細胞はコンフルになってもある程度の細胞外基質があり細胞同士が密着せず剥がれずに長時間刺激できます。
ですのでそもそも使用している細胞の問題なのかもしれませんが、あくまでこのような血管平滑筋細胞を長く一般培地で培養するためには、という視点でお願いします。

分化型培地もコラーゲンコーティングも金銭面で負担がかかりますのでご経験があるかたのご意見を伺ってから試してみようと思った次第です。
その他培養方法等も含め先輩方のご指摘・ご指導を賜りたく存じます。
よろしくお願いいたします。
 
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(無題) 削除/引用
No.9212-10 - 2020/10/23 (金) 16:51:36 - sug
皆様ありがとうございます。
お返事が遅くなりすみません。

私の言葉足らずで申し訳ございません。
現在、血管平滑筋細胞を異常に「骨芽細胞様分化(形質転換:differnciation)」させるような刺激を加える実験をしています。
ある程度cofluentとなったあと使用する刺激はおお様のおっしゃるようにカルシウム・リン酸(もしくはβグリセロリン酸)、論文によってはアスコルビン酸やデキサメサゾンを添加しているものもあります。

今回お聞きしたかったのは、現在の細胞が骨芽細胞様分化刺激を加えない培地、つまり通常のbasal medium(DMEM+10%FBS)で培養していても細胞がどんどん増え続け、最終的にはがれてしまうので長く培養できず目的の骨芽細胞様分化を起こすことができない、という問題についてです。

この細胞がすでに脱分化していわゆる分泌型に近い形質となっていて増殖能の高い形質となっているのではないかと危惧しています(これは細胞を購入したときからそうなのでscenescenceではないと思います。)https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0741521407004120
上記のアスコルビン酸で再分化させようとしましたがあまり変わりませんでした。

そこで常日頃から疑問だった分化用培地'differntiation medium'の役割です。
私が使用している東洋紡の平滑筋細胞のオプションとしてcell applications社から出されているものですがこういったものを使用するとより再分化が期待できるのではないかと思い質問しました。
https://www.cellapplications.com/human-umbilical-artery-smooth-muscle-cells-huasmc

このような平滑筋細胞を長く培養するためにはどうしたらよいか、ご経験のある方がいらっしゃればお知恵をお貸しください。
また他の術があるのかも教えていただきたいです。

PD様のおっしゃるFBSについては確かに考えたことはありませんでした。現在は非働化FBS 10%で添加していますが、次回から5%としてみようかと考えています(血清も確かに脱分化刺激となるようなので期待しています)。

毎回長文・質問続きで申し訳ないのですが、スレッドを上に上げさせていただきました。
お忙しいところすみませんが、よろしくお願いいたします。

(無題) 削除/引用
No.9212-8 - 2020/10/16 (金) 09:11:28 - PD
血管平滑筋は血清濃度が高いと脱分化しやすいです。市販の特殊培地では2−5%くらいにしていますね。

(無題) 削除/引用
No.9212-7 - 2020/10/16 (金) 08:03:01 - おお

こっちは増殖はDMEM 10% FCSで分化させるのに 50 µM ascorbic acid, 10 mM β-Glycerophosphate and 0.1 µM dexamethasoneを増殖培地に加えている

https://www.nature.com/articles/s41598-020-62568-w

(無題) 削除/引用
No.9212-6 - 2020/10/16 (金) 07:50:27 - おお
https://link.springer.com/article/10.1007/s11010-015-2432-0

通常の増殖培地にカルシウムとリン酸を加えているだけみたいですね。この論文によると。

もしかしたら血清があってないとかあるかもしれませんのでいくらかロットのサンプルをもらって試してみるのも手かもしれません。場合によっては非動化とかでもなんとかなるかもしれませんけど。

血管平滑筋細胞の場合はよくわかりませんけど血清濃度を5%ぐらいにするとか、FBS(FCS)でなくってCS(非動化が必要かもしれない)をつかって増殖を抑えるということはやることがあります。細胞の性質が変わらないのであればそれでもいいのかなとなんとなく思います。

(無題) 削除/引用
No.9212-5 - 2020/10/16 (金) 06:23:41 - sug
おお様

鋭いご指摘・貴重なご意見ありがとうございます。

私も文献検索を十分に行わず質問に及んでしまったところがあり、一番重要な点をおろそかにしておりました。反省いたします。
また、ご指摘のとおり、コラーゲンコーティングは自作でできるかと思いますのでそれであれば既製品と比較しそこまで負担は大きくはないため現在検討中です。

現在困っているのが細胞が増えすぎて(分化度が低い?)刺激しているとコントロール群も含めディッシュからはがれていくことです。

経験のある方、細胞増殖抑制効果の実感等はいかがでしょうか(コメントにあったラミニン含め)

また、現在培養している細胞はgrowth mediumではむしろ細胞のサイズが小さくなり増殖が促進される印象でしたので、そのようなときにdifferenciation medium(分化用培地)という培地を使用するのであれば是非試してみたいと思っています。

上記のように分化度が低く細胞が増えすぎる際に分化用培地を用いることである程度平滑筋の形質を維持しつつ増殖を抑えることができるのでしょうか。
あまりご経験者はいないかもしれませんが、是非よろしくお願いいたします。

(無題) 削除/引用
No.9212-4 - 2020/10/13 (火) 01:20:07 - おお
文献をしっかりと調べてば培地に大体どんなものが入っていてどのように有効か見当がつくように思うのだが、differentiation に成功したとかいう論文は多分あってその時検討した添加物など書かれていると思うのだが、、、

ちょっとキットに毒されているような気がしないでもない。

コラーゲンコーティングも自作でできるしそれでも高いのかな、、、

(無題) 削除/引用
No.9212-3 - 2020/10/12 (月) 14:32:31 - sug
PD様

お返事ありがとうございます!

平滑筋細胞にもラミニンが良いのですね。非常に参考になります。

ラミニンは使用したことがないので検討してみます。
一応、コラーゲンコーティングでも多少なり効果が得られるという認識でよろしいのでしょうか。

培地については細胞を増やすときはCell Applicationsのgrowth medium kitを使用しています。別にdifferentiation mediumという分化用培地なるものが同社から販売されているのですが、分化維持のためにはやはりdifferentiation mediumで培養するのが良いのでしょうか。
成分もよくわかりませんし、購入するか迷っているところです。
使用のご経験のある方はいらっしゃいませんでしょうか?

質問ばかりすみません。

(無題) 削除/引用
No.9212-2 - 2020/10/12 (月) 11:44:04 - PD
血管平滑筋細胞を使っていますが、分化型で維持したいのならば、コラーゲンよりラミニンの方がいいですよ。あとは会社で出されている平滑筋細胞用の特殊培地を使うのが簡単ですが、各社組成はいろいろなので…
PromoCellのSMCGM2は割と増殖がゆっくりになったように思います。細胞にもよると思いますが。

血管平滑筋細胞の培養について 削除/引用
No.9212-1 - 2020/10/11 (日) 06:12:42 - sug
非常にベーシックな内容で恐縮なのですが、過去スレを検索しても既出でしたらご指摘ください。
今年から血管平滑筋細胞を用いて血管石灰化の実験をしております。

現在ヒト臍帯動脈平滑筋細胞を用いて、コラーゲンコーティングのされていないディッシュにまいて使用しています。

実験で石灰化刺激を加える際は継代した後DMEMに10%FBSを加えた培地で80-90%コンフルにした後、刺激を開始しています。まいてから継代するまでも基本FBS添加DMEMを使用しています。

しかし刺激を開始した後も細胞が増殖しすぎて(細胞の形は紡錘形〜細長い長方形で細胞外基質をほとんどふくまずに増殖)、石灰化する前にディッシュから剥がれだしてしまうためDMEM培地では長く培養できず、実験に難航しています(石灰化する前にはがれてしまう)。

対処として現在50-60%コンフルとなってから刺激を開始することで刺激時間を増やすよう試みていますが、あまり目立った効果は得られていません。

そこで2つの方法を考えています。
@増殖しすぎるタイプは継代の際の培地の影響で平滑筋が脱分化して収縮型から増殖型(分泌型)に形質転換している可能性があるのでしょうか?その場合市販の「分化用培地」というものを使って分化させてから使用した方がいいのでしょうか?(正直この「分化用培地」の用途をあまり理解していませんので、見当違いでしたらそれも教えてくださると助かります)

Aコラーゲンコーティングをすると脱分化しにくいという記載もあるので試してみる(されたことがある方はプロトコールもご教示くださるとうれしいです)

なお、別ストレインの成人大動脈平滑筋細胞はコンフルになってもある程度の細胞外基質があり細胞同士が密着せず剥がれずに長時間刺激できます。
ですのでそもそも使用している細胞の問題なのかもしれませんが、あくまでこのような血管平滑筋細胞を長く一般培地で培養するためには、という視点でお願いします。

分化型培地もコラーゲンコーティングも金銭面で負担がかかりますのでご経験があるかたのご意見を伺ってから試してみようと思った次第です。
その他培養方法等も含め先輩方のご指摘・ご指導を賜りたく存じます。
よろしくお願いいたします。

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