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ルシフェラーゼアッセイと遺伝子導入効率 トピック削除
No.9176-TOPIC - 2020/09/24 (木) 15:33:21 - taro
遺伝子導入試薬の効率に係わる研究をしています。分泌型ルシフェラーゼ遺伝子を組み込んだ哺乳動物細胞発現プラスミドを試薬を使って細胞内に導入し、24時間後に上清の一部を回収して、基質過剰の状態で反応させ、その発光強度を使って、遺伝子導入の効率を評価しています。
定性的な評価では、より強い発光が得られる導入試薬=遺伝子導入効率が高い導入試薬ということでいいかと思うのですが、果たして、ルシフェラーゼアッセイで定量的な判定をしていいのか、と疑問に思いました。
例えば、試薬Aを使って遺伝子導入して、ルシフェラーゼアッセイで1x1O^7 RLUの発光が得られて、同時に試薬Bを使って1x10^6 RLUの発光強度が得られた場合、「試薬Aは試薬Bの10倍、遺伝子導入効率が高い」と果たして言っていいものか?ということです。
「発光強度10倍=遺伝子導入量10倍」と言ってしまうのは、さすがに飛躍しすぎではないかと思うのですがどうでしょうか?

かといって、スクリーニングレベルの実験で、遺伝子導入量を直接測定するのも難しいので、どれくらい遺伝子導入効率が向上したか、定量的に評価するのに、どのように考えて判定するのが良いものか?と考えております。
 
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(無題) 削除/引用
No.9176-7 - 2020/09/25 (金) 09:45:15 - asan

原理上は、ルシフェラーゼは酵素反応によるので線型性が保証されるダイナミックレンジはそんなに高くないと思いますが、クルードな細胞サンプルを評価する時の夾雑物干渉を受けにくいので感度が高いので重宝されることが多いです。しかし、定量性を議論するなら厳密に言えばその線型性が十分担保される発光強度の範囲での測定をする必要があってその範囲である限りならば問題なく使えると思います。

原理上定量的な議論をするのによく用いられるのはGFP等の蛍光タンパク質の発現をFACS等で評価する方法だと思います。蛍光は原理上線型性は高いのですが、一方で細胞で使用する場合は励起光を必要とするし、様々自家蛍光などに干渉されるので使い勝手がわるいのでハイスループットでは使いにくい欠点がある。

あと導入効率の議論になると、ぶっちゃけ導入された細胞数の割合で議論するのと、各細胞に導入された発現強度の違いの2つの観点が生じるが、局在情報で議論することができないルシフェラーゼは前者と後者の値を混ぜて議論することしかできないけど、GFPなどの蛍光ならば全体の細胞数に対するポジティブの割合などのパラメーターで議論できる。

定量の議論にも色々な定義があると思うので、例えば、昨今のWBの定性的なバンドをとりあえずImagerソフトで数字データーにしただけのような擬似定量程度の認識なら飽和してない範囲でLucの値で10倍と言ってもそんなに突っ込まれないだろうが、統計的に意味のある数字として定義したいならばそういうやり方をするなら少なくとも線型性のある範囲を確認する=Standard curveと言った方法が必要になると思う。

(無題) 削除/引用
No.9176-6 - 2020/09/25 (金) 02:37:54 - おお
たぶん導入効率が極端に違うと直線状に乗らずブレが大きくなると思われます。昔Clasicalなルシフェラーゼアッセイでもらったプラスミノの濃度が間違えていて導入効率が非常に違ったものがあり、それでも導入効率補正でさがあったのですが、濃度を揃えてやると差が出なかったということがありました。

導入効率と入った細胞数を考えると、一つの細胞にたくさん入る能力があるとするならば、他の細胞には入らないならある意味矛盾があります。

(無題) 削除/引用
No.9176-5 - 2020/09/24 (木) 17:54:41 - 774
1細胞あたりのプラスミド数は考慮する必要ありませんでしょうか?
1細胞に100プラスミドと100細胞に1プラスミドはLuc活性は同じでしょう。
個人的には導入された細胞の割合が高いものを使いたいです。

GFPだと検出限界の問題で定量化が難しそうですし、
現実的にはLuc assayで問題ないというところでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.9176-4 - 2020/09/24 (木) 17:37:36 - taro
>[Re:2] たぶんさんは書きました :
> 0.2ug transfection したときは0.1ugの時の2倍の発光量になっている、0.3ugの時は3倍になってるとかなら活性と遺伝子導入効率は比例してるといえるかも。
>
> 発光しないplasidと合わせて同じplasmid量にした方がいいか。
> 0.4ug+0.1ugと0.3ug+0.2ugとか。

すみません。読み違えておりました。遺伝子の投入量を変化させて、発光量との相関を見ると比例しているかどうかの判断材料になるということですね。
試してみたいと思います。

(無題) 削除/引用
No.9176-3 - 2020/09/24 (木) 17:27:49 - taro
ありがとうございます。
取り込まれる遺伝子量と発現するタンパク質量は比例するという考え方で良いとのことで安心しました。
細胞内に取り込まれるプラスミドは試薬の導入効率によりまちまちだと思いますが、投与する遺伝子の量は常に100ng/wellで統一しております。

CMVプロモータもorfも共通なので、1つのプラスミドの核内での転写→翻訳の効率は同じはずと考えるなら、その発現効率は単純に細胞内(核)に存在しているプラスミドのコピー数に比例すると考えて、現在は発光強度=導入効率の評価としています。

例えば試薬Aの遺伝子導入効率が試薬Bの2倍であれば、
細胞内(核)に2倍の遺伝子量(コピー数)→2倍のmRNA転写→2倍のタンパク質翻訳(発現)→2倍の発光(ルシフェラーゼ活性)
という考え方をしているのですが、
少々単純化しすぎた考え方ではないかと、心配になった次第でした。

(無題) 削除/引用
No.9176-2 - 2020/09/24 (木) 15:57:05 - たぶん
0.2ug transfection したときは0.1ugの時の2倍の発光量になっている、0.3ugの時は3倍になってるとかなら活性と遺伝子導入効率は比例してるといえるかも。

発光しないplasidと合わせて同じplasmid量にした方がいいか。
0.4ug+0.1ugと0.3ug+0.2ugとか。

ルシフェラーゼアッセイと遺伝子導入効率 削除/引用
No.9176-1 - 2020/09/24 (木) 15:33:21 - taro
遺伝子導入試薬の効率に係わる研究をしています。分泌型ルシフェラーゼ遺伝子を組み込んだ哺乳動物細胞発現プラスミドを試薬を使って細胞内に導入し、24時間後に上清の一部を回収して、基質過剰の状態で反応させ、その発光強度を使って、遺伝子導入の効率を評価しています。
定性的な評価では、より強い発光が得られる導入試薬=遺伝子導入効率が高い導入試薬ということでいいかと思うのですが、果たして、ルシフェラーゼアッセイで定量的な判定をしていいのか、と疑問に思いました。
例えば、試薬Aを使って遺伝子導入して、ルシフェラーゼアッセイで1x1O^7 RLUの発光が得られて、同時に試薬Bを使って1x10^6 RLUの発光強度が得られた場合、「試薬Aは試薬Bの10倍、遺伝子導入効率が高い」と果たして言っていいものか?ということです。
「発光強度10倍=遺伝子導入量10倍」と言ってしまうのは、さすがに飛躍しすぎではないかと思うのですがどうでしょうか?

かといって、スクリーニングレベルの実験で、遺伝子導入量を直接測定するのも難しいので、どれくらい遺伝子導入効率が向上したか、定量的に評価するのに、どのように考えて判定するのが良いものか?と考えております。

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