原理上は、ルシフェラーゼは酵素反応によるので線型性が保証されるダイナミックレンジはそんなに高くないと思いますが、クルードな細胞サンプルを評価する時の夾雑物干渉を受けにくいので感度が高いので重宝されることが多いです。しかし、定量性を議論するなら厳密に言えばその線型性が十分担保される発光強度の範囲での測定をする必要があってその範囲である限りならば問題なく使えると思います。
原理上定量的な議論をするのによく用いられるのはGFP等の蛍光タンパク質の発現をFACS等で評価する方法だと思います。蛍光は原理上線型性は高いのですが、一方で細胞で使用する場合は励起光を必要とするし、様々自家蛍光などに干渉されるので使い勝手がわるいのでハイスループットでは使いにくい欠点がある。
あと導入効率の議論になると、ぶっちゃけ導入された細胞数の割合で議論するのと、各細胞に導入された発現強度の違いの2つの観点が生じるが、局在情報で議論することができないルシフェラーゼは前者と後者の値を混ぜて議論することしかできないけど、GFPなどの蛍光ならば全体の細胞数に対するポジティブの割合などのパラメーターで議論できる。
定量の議論にも色々な定義があると思うので、例えば、昨今のWBの定性的なバンドをとりあえずImagerソフトで数字データーにしただけのような擬似定量程度の認識なら飽和してない範囲でLucの値で10倍と言ってもそんなに突っ込まれないだろうが、統計的に意味のある数字として定義したいならばそういうやり方をするなら少なくとも線型性のある範囲を確認する=Standard curveと言った方法が必要になると思う。 |
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