まず、何を示すための論文としてどうまとめるかを考えてみてはいかがでしょうか。
あるたんぱく質について、ある条件で、mRNAレベルで発現が増加し、結果としてたんぱく質レベルでも増加がみられ、増加したたんぱく質は○○に局在しており、その結果○○という現象が起きている、
とまとめたいのであれば、各ステップのデータが求められるでしょう。
ある条件でmRNA量が増加する、とまとめたいのであれば、そのmRNAによってコードされるたんぱく質の量や局在は不要なデータでしょう。
>PCRによるmRNAの検出、定量。蛋白質のウエスタンブロットによる定性、定量。免疫組織化学による目的蛋白質の局在。機能的なものをみるには関連する蛋白質がどれだけどこに発現しているのかを証明するのが最適なのでしょうが
「機能的なもの」を見るのであれば、たとえばリコンビナントの精製たんぱく質を用いてin vitroで酵素活性を調べることが最適な場合もあります。
局在は重要な情報ではありますが、それ自体がたんぱく質の機能を示すわけではありません。
>mRNAの定量を行うのは、それが蛋白質として検出するのが難しいからですか??
1.mRNA量を示したい場合
2.たんぱく質の発現量を示すことが困難な場合(サンプル数が多いためにWBができない場合等も含む)
等が考えられますね。
すべての研究がたんぱく質の量や局在や機能を示すことが目的であるわけではありません。
まずは、各論文のデータから何が言えるのかを考えてみてはいかがでしょうか。
>この蛋白質はコードする遺伝子をPCRによる定量で評価していたり、
この論文中では、「その遺伝子にコードされるたんぱく質量が増えた」とは説明していないと思います。
>なぜ、その実験系を選んだのか…それが論文から読み取れません
それは読み取れない場合もありますよ。
その論文の実験が行われた時点で市販の抗体がないというのであれば何とか調べることもできるでしょうけれども、
その論文を書いたラボに実験に使われる設備(たとえば蛍光顕微鏡)があったかどうかまで調べるのはほぼ不可能でしょう。
また、逆に論文をの系を真似するのが難しい場合も多いでしょう。
論文で数千万円、数億円の装置がつかわれていたからといって、そのたびにボスに買ってといったら、怒られるでしょう。
あくまで、自分の所属で実行可能な系を(共同研究や委託も含む)を考える必要があります。 |
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