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TET-onシステム トピック削除
No.9073-TOPIC - 2020/08/12 (水) 01:44:02 - ドラゴン
研究初心者です。
癌の変異を入れた転写因子を過剰発現させた細胞と変異のない正常の転写因子を過剰発現させた細胞、二つの比較を考えております。

具体的には、Patient derived オルガノイド細胞を用いてタンパク質の発現量の解析、RNA-seqやChip-seq解析を行いたいと考えております。遺伝子変異の機能解析です。

論文を見ると、少なくとも通常の培養細胞であれば、TET-onシステムを導入している例が多いのですが、何故TET-onシステムが多用されているのかいまいちメリットが分かりません。

何か一時的に発現させて、その後offにするとどうなるかという実験を行う際にはこのシステムに頼らざるを得ないのは間違いないのですが、それ以外にメリットはあるのでしょうか?

上記3種類の実験であれば、TETなしで良い気がするのですがいかがでしょうか。

また今回オルガノイドを利用するのですが、TET-onを入れるとセレクションも行われるので、何か元の形質等にも影響するのではと危惧もするのですが、そういうことはありませんでしょうか。
 
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(無題) 削除/引用
No.9073-5 - 2020/08/13 (木) 07:06:49 - おお
あまり実例がないのですがDual Inductionという手はあり得るかもしれません。
PMID: 9927685
PMID: 11778900

昔ストラタジーンだったと思うけどIPTGで誘導できる哺乳動物で誘導できる発現ベクターがあったと思います。片方をTETもう一方をIPTG誘導性にするなんていうのも考えられないこともないです。

>細かいことはまだ検討中ですが、導入効率の高いとされるレンチウイルスを用いて形質転換後、

オルガノイド形成後となると立体的構造のため発現部位に偏りができたりして発現してない細胞のプロファイルがまじるとかありそうな気がします。もちろん構造にもよるでしょうけど。


> Tet-onを使う場合:
>  遺伝子変異を導入した細胞(DOX-)
>  遺伝子変異を導入した細胞(DOX+)
>  正常の遺伝子を導入した細胞(DOX-)
>  正常の遺伝子を導入した細胞(DOX+)

Tet誘導がたレンチであれば、オルガノイド作成前に感染させて、オルガノイド形成後、遺伝子変異、正常の遺伝子、からベクターで誘導の3つで済むのではないですか?

(無題) 削除/引用
No.9073-4 - 2020/08/12 (水) 08:06:52 - ドラゴン
わかりやすいアドバイスありがとうございます。

1.
RNA-seqやタンパク質の発現解析、ChIP-seqとなると長期継代培養が不要と解釈しています。

細かいことはまだ検討中ですが、導入効率の高いとされるレンチウイルスを用いて形質転換後、48時間で細胞回収すれば、TET-onのメリットがほぼないような気がしてならないですが、いかがでしょうか(上記の解析に関しては3次元に戻すメリットが思い浮かびません)。

2.
むしろTet-on導入過程でクローン選択を行って、そこから、2つの別のプラスミドを別々に導入して、さらにクローン選択するとなると、クローン選択による細胞のバイアスも生まれる気がしています。

3.
実験のコントロールが違ってきますかね。厳密な実験を求めるならやはりTET-onなのでしょうか。逆にラフでも表出される発現差なら、TET-onに頼らないでも良い気がします。

Tet-onを使わない場合:
 形質導入前の細胞
 遺伝子変異を導入した細胞
 正常の遺伝子変異を導入した細胞

Tet-onを使う場合:
 遺伝子変異を導入した細胞(DOX-)
 遺伝子変異を導入した細胞(DOX+)
 正常の遺伝子を導入した細胞(DOX-)
 正常の遺伝子を導入した細胞(DOX+)


正直、考えることが多いです。TET-onシステムを導入しようと思うと実験開始まで、半年くらいを見る必要がありますよね。

(無題) 削除/引用
No.9073-3 - 2020/08/12 (水) 05:19:29 - M
TET-on/offの系だと、時間をコントロールできるので、発現急性期の変化も、慢性的に発現した結果としての変化も見る事ができます。導入した転写因子の転写活性をRNA-seqやCHIP-seqで見る場合は、比較的急性期の反応になると思うので、TET-on/offの系は使いやすいと思います。また、変異転写因子の過剰発現が慢性的に継続する事によりガンの形質を獲得するか見たい場合は、TET-onの条件で維持すればいいですね。

もちろん、通常の一過性発現でも、高い遺伝子導入効率でコンスタントに入るのであれば、転写活性を見るのには問題ないかもしれませんが、実験ごとに導入効率が異なったり、変異体と野生型で導入効率に差が出たりすると、結果の評価が難しくなると思います。

患者由来オルガノイドから取り出した細胞を用いるとの事ですが、遺伝子導入の難易度や、細胞の増殖力により、選択肢が変わるかもしれませんね。通常の培養細胞株は不死化しているので、TET-on/offを導入してクローンを拾う形で実験できますが、オルガノイドの細胞だと導入細胞の選択が困難な場合もあるかもしれません。そのような場合は、可能な限り導入効率の高い手法を用い、導入早期にサンプルをとる方が、TET-on/offよりも現実的かもしれません。細胞の特徴や、あなたの実験目的に応じて、柔軟に考えれば良いと思います。必ずしもTET-on/offありきではありません。

(無題) 削除/引用
No.9073-2 - 2020/08/12 (水) 04:04:58 - おお
考えれば分かるような気がするのですが、、、

遺伝子を安定導入するとその遺伝子の影響で2次、3次的なことが起こりそういうことの蓄積によるアーティファクトであることが否定できない。

安定株とそのコントロールを作成したとして、両者とも最初のヘテロな細胞集団の一部のポピュレーションから得られていて、同等のものからそれぞれの株を樹立したとはいえない。

遺伝子を導入した事でオルガノイド形成のためのシグナルトランスダクションなどが乱れて、遺伝子導入株でオルガノイドがうまく形成されないか、形成されても何か非導入株と同等とはいえないものが出来る可能性。

TET-onシステム 削除/引用
No.9073-1 - 2020/08/12 (水) 01:44:02 - ドラゴン
研究初心者です。
癌の変異を入れた転写因子を過剰発現させた細胞と変異のない正常の転写因子を過剰発現させた細胞、二つの比較を考えております。

具体的には、Patient derived オルガノイド細胞を用いてタンパク質の発現量の解析、RNA-seqやChip-seq解析を行いたいと考えております。遺伝子変異の機能解析です。

論文を見ると、少なくとも通常の培養細胞であれば、TET-onシステムを導入している例が多いのですが、何故TET-onシステムが多用されているのかいまいちメリットが分かりません。

何か一時的に発現させて、その後offにするとどうなるかという実験を行う際にはこのシステムに頼らざるを得ないのは間違いないのですが、それ以外にメリットはあるのでしょうか?

上記3種類の実験であれば、TETなしで良い気がするのですがいかがでしょうか。

また今回オルガノイドを利用するのですが、TET-onを入れるとセレクションも行われるので、何か元の形質等にも影響するのではと危惧もするのですが、そういうことはありませんでしょうか。

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