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Quikchangeで増幅されたDNA鎖 トピック削除
No.8899-TOPIC - 2020/06/09 (火) 07:05:06 - QC
物凄く基本的な質問で申し訳ないのですが、いわゆるQuikchangeによる、site-directed mutagenesisについてです。

同じ変異を含むほぼ同じ領域(プライマー同士よりも鋳型とのアニーリング〜伸張をしやすくするため、私は常にそれぞれの3'末端がちょっと飛び出るようにずらしていますが)のプライマーでぐるっとプラスミド全長を増やすと思うんですけど、この産物はぐるっと1周するものの、あくまでも直鎖状ですよね?

最終的に、これら長い2本の相補的な直鎖DNAが生まれると思うんですが、これが大腸菌内で上手いこと修復される理由が、改めて考えてみるとしっくり来ませんでした。

この2本の直鎖が修復されるならば、制限酵素で切断した2本の直鎖も、ライゲーションなどせずとも大腸菌が修復してくれることになりませんかね…??
(Quikchangeの産物は、いわば「…G^AATTC…」のように切断された鎖(=5'-AATTC…G-3')と、同じ部位で「…CTTAA^G…」のように切断された相補鎖(=5'-G…CTTAA-3')が共存しているのと同じこと…ですよね…???)

実際制限酵素処理サンプルはライゲーションしないと上手くいかず、一方Quikchangeはそのやり方で上手くいっているので多分何か勘違いしてるだけだと思うのですが、私が勘違いしている点・見落としている点についてご教示いただけたら大変ありがたく存じます。
 
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(無題) 削除/引用
No.8899-8 - 2020/06/15 (月) 07:52:47 - asan


この原理については色々な解釈がありますが、証明されてないので厳密にはわかりません。

一つの考え方としてはオーバラップ領域を15塩基程度作るとligaseなしに二重鎖を溶液中で非常に効率よく作ることができるためこれによってocに近い状態が溶液中で形成されます。オーバラップしてないもう一方の部分はぐるりと回って余計な部分として残るのですが、それ以外の部分が相補的なので大腸菌内の修復酵素によって勝手に余計な部分が取り除かれるか、PCR反応内で5'のプライミングしている部分にぶつかることでそれ以上増えなくなるかは厳密にはわかりませんがそういうことが起きてると考えらます。

何れにせよquick changeのやり方で増やしたものを形質転換すると、通常のccのプラスミドをそのまま形質転換するのに比べてはるかに出てくるコロニーの数が少ないですから、大腸菌内でうまく修復できなかったものが実際にはたくさんある中で、かなり大量に入れているので結果的にそういうコロニーも出てくるということだと思います。

この辺の原理を無理やり使ってるのがgibson assemblyとかで、本家のmaster mix はligaseが入ってますがこれがなくても実際は(効率は落ちますが)目的物はできます。SLICE cloningなどのように、片方の末端にじゃまなものが部分的についていても入る時は入るようにある程度相補的なものがあれば余計なものは(効率は落ちますが)大腸菌の修復活性でどうにかできる、ということなんだと思います。

(無題) 削除/引用
No.8899-7 - 2020/06/09 (火) 10:23:15 - QC
ちきさん

拙い質問にお付き合いいただき誠にありがとうございます。

なるほど、やっぱり「ニックが別の位置に存在するならば、大腸菌は修復可能」みたいな0か1かみたいな話ではなく、どれだけ安定して環状を維持できるかにかかっている、ってことなんですね。

ただ、私自身の経験上、Quikchangeで、確か6塩基突出程度のプライマーペアで上手くいった記憶があるので、制限酵素の突出末端程度でも上手くいくのかなと思ったのですが、実際制限酵素の方は4塩基のオーバーラップしかないので、さすがに厳しいのかもしれませんね。

っていうか、6塩基っていくらなんでも短すぎないか、記憶違いかな…と思って以前の系を調べ直してみたら、一応最短でも9塩基の突出部は確保していました。

しかし、こんな質問を投げてることからも分かるとおり、「突出してれば鋳型からの伸長はしてくれるだろうし、それでいいだろ」という適当な認識のもとデザインしていた感じなので、何か我ながら行き当たりばったりでたまたま上手くいってるような、ギリギリの綱渡りな実験をしているなぁと改めて反省しきりです。


どうでもいい自分語りに終始してしまいましたが、とてもスッキリしました。質問してよかったです。

おおさん、ちきさん、本当にどうもありがとうございました!

(無題) 削除/引用
No.8899-6 - 2020/06/09 (火) 10:06:16 - ちき
えっと例えば、脱リン酸化したベクターにインサートをライゲーションした場合はnickが二カ所残ったままですよね。それが大腸菌内でシールされて複製されることに何の問題もないと思います。

cohesive endを生成する制限酵素で切った場合は、nickが2ないし4ヌクレオチドしか離れていないので、安定性や複製時の修復可能性の点でうまくいかないのだと思います。

(無題) 削除/引用
No.8899-5 - 2020/06/09 (火) 09:43:12 - QC
ちきさん

どうもありがとうございます。

そもそもプラスミドのcccやocを、(言葉としては当然知っていますが)頭の中できちっとイメージしきることなくこの年まで生きてきてしまったのでそこからの話だったのかもしれませんが、同じ位置のニックでなければ、ocは維持されるものだったんですね…!

しかしそれなら、1塩基ずれた位置のニックだったら…?全く同じ位置でのニックでスッパリ切断される状況ではなく、1塩基でもズレがあれば、ocを維持できる形で踏ん張れるんでしょうかね?

また、同じ鎖上での2つめのニックだとどうなるのか、なんてことも気になってきました。その場合、1本は環状、そしてニックの入った方は短鎖と長鎖の2本がただ並んでるだけになるので、短い鎖の長さによっては2本鎖を維持できなかったり…??

個人的には、Tmといいますか、37'C環境下でどの程度その相補部分が2本鎖状態を維持できることにかかってるのかな、などという考えに至りつつありますが、それで概ね正しい感じでしょうか。


あとそれから、前述の質問に戻りますが、ズレがあればocが維持されて、大腸菌内で完全な環状プラスミドに修復可能なのであれば、最初の書き込みで触れたとおり、制限酵素で1カットしたプラスミドは、ライゲーションせずとも、そのまま形質転換へと持っていけば大腸菌内で複製されるんですかね…?

最初の書き込みでは「制限酵素処理サンプルはライゲーションしないと上手くいかず…」などと書きましたが、冷静に考えるとそんなことは経験したことがなかったため、ちょっと適当言っていました。ライゲーションしないと上手くいかないのは、ベクターとインサートをつなげる通常のライゲーションですね。ということで、もしかしたら本当に1カットプラスミドは、ライゲーションせずともそのまま形質転換すれば大腸菌の力で元に戻るのかな、という気もしてきました。

何だかとりとめなく長くなってしまいましたが、上記の疑問点(および私の勝手な考察)は正しいのか否か、改めてアドバイスいただけると恐悦至極にございます。

(無題) 削除/引用
No.8899-4 - 2020/06/09 (火) 09:19:24 - ちき
両鎖のnickの位置がプライマーの長さ分ずれているので、OCになると思いますが。

(無題) 削除/引用
No.8899-3 - 2020/06/09 (火) 08:38:26 - QC
おおさん

どうもありがとうございます。

私の疑問はちょうどその「open circular ができる」という点で、(参考文献など不要かもしれませんが) https://www.sbj.or.jp/wp-content/uploads/file/sbj/8909/8909_yomoyama_1.pdf にもある通り、1箇所のニックであればocが形成されるのは分かるものの、この産物は両鎖とも直鎖のはずで、そうであるならば2箇所のニックということで図にある「直線状 linear (l)」になるのが筋ではないか、という思考になってしまう次第です(親プラスミドは環状ですが、DpnI処理でいなくなるはず)。

Quikchangeの産物がocを形成するというロジックについて、多分私が見落としてるだけだとは思うんですが、ヒントなりアドバイスいただけると改めて大変幸いに思います。

(無題) 削除/引用
No.8899-2 - 2020/06/09 (火) 08:03:02 - おお
プライマー同士がアニーリングできる状態であるのと、鎖交換ができないので伸長反応で一周回ってきた鎖はプライマーの5’側で反応が進まなくなることで、環状 open circular ができるのでは。

open circular でプラスミドを大腸菌に導入できるというのはLICなどで明らかだし。

Quikchangeで増幅されたDNA鎖 削除/引用
No.8899-1 - 2020/06/09 (火) 07:05:06 - QC
物凄く基本的な質問で申し訳ないのですが、いわゆるQuikchangeによる、site-directed mutagenesisについてです。

同じ変異を含むほぼ同じ領域(プライマー同士よりも鋳型とのアニーリング〜伸張をしやすくするため、私は常にそれぞれの3'末端がちょっと飛び出るようにずらしていますが)のプライマーでぐるっとプラスミド全長を増やすと思うんですけど、この産物はぐるっと1周するものの、あくまでも直鎖状ですよね?

最終的に、これら長い2本の相補的な直鎖DNAが生まれると思うんですが、これが大腸菌内で上手いこと修復される理由が、改めて考えてみるとしっくり来ませんでした。

この2本の直鎖が修復されるならば、制限酵素で切断した2本の直鎖も、ライゲーションなどせずとも大腸菌が修復してくれることになりませんかね…??
(Quikchangeの産物は、いわば「…G^AATTC…」のように切断された鎖(=5'-AATTC…G-3')と、同じ部位で「…CTTAA^G…」のように切断された相補鎖(=5'-G…CTTAA-3')が共存しているのと同じこと…ですよね…???)

実際制限酵素処理サンプルはライゲーションしないと上手くいかず、一方Quikchangeはそのやり方で上手くいっているので多分何か勘違いしてるだけだと思うのですが、私が勘違いしている点・見落としている点についてご教示いただけたら大変ありがたく存じます。

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